ヒマだしワインのむ。

ヒマなのでワインを飲みます。ワインの知識はありません。

「スピアー ソーヴィニヨン・ブラン」1692年創業のワイナリーの“名刺がわりワイン”の実力は? 【Spier Sauvignon Blanc】

1692年創業・スピアーワインズはどんなワイナリー?

昨夜は南アフリカの白ワイン、スピアーワインズの「スピアー ソーヴィニヨン・ブラン」を飲んだ。
スピアーワインズについて調べようとグーグルに入力、どんなところかと地図で見て驚いた。
駅がある。
スピアー駅がある。
ワイナリーの目の前に……駅がある!
え、スピアー駅あるのすごくないすか。勝沼ぶどう郷駅かよ。
しかも、どうやらイベント的に「スピアー・ワインランド・エクスプレス」なる臨時列車も走るのだとか。
ケープランドからの日帰りで、鳥類園的な場所を見学してワイナリーでランチと試飲をしてお土産のボトルもついて2500円とかみたい。なにそれ今週末行きたい。

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ワイナリーのド正面にあるスピアー駅。後ろにはブドウ畑が広がってて控えめにいって極楽浄土ですねここは。

スピアーワインズは、農場あり、ワイナリーあり、ホテルあり、会議場まで備えている、なんつーんですかね、アグリツーリズム的なものが楽しめる場所になっておるようです。

敷地内には現代アート作品が点在し、季節ごとに企画展が開催されたり、光のアート的なイベントもあるクレマチスの丘状態。もう完全にワイナリーの域を超えて、地域の文化の中心地、みたいな風情。来年フジロックここでやるって聞いても驚かないレベル。

スピアーワインズの所在地、ステレンボッシュのワイン造りの歴史

スピアーワインズの創立は1692年と非常に古い。
ワイナリーが位置するステレンボッシュ自体が南アフリカで2番目に古い都市なんだそうで、その建設は1679年。
ここでステンボッシュの歴史を調べてみると、この地でワイン造りがはじまった背景には1688年の「ナントの勅令」廃止の影響があったことがわかる。ナントの勅令ってナンゾと調べると、ユグノーカルヴァン派)などのプロテスタントカトリックと同じ権利を保障した勅令なんだそうで、それが廃止されたことでユグノーたちは南アに逃走、ステレンボッシュに大量に入植したそうだ。
「この地方の渓谷の気候、ヨーロッパにめっちゃ似てんじゃん。肥沃だし」(ユグノー
と言ったかどうかはさておいて、彼らはともかくこの地にブドウの木を植え、ケープ・ワインの歴史がはじまった。

スピアー ソーヴィニヨン・ブランはどんなワインか

以上のように歴史あるスピナーワインズの「スピナー ソーヴィニヨン・ブラン」がどんなワインかといえば、これは現地で「シグネチャーシリーズ」という名前でウェブサイトのワインカテゴリのもっとも上に表示されるワイン。最上位表示だから最高級かといえばさにあらずで、もっともやすいデイリーワインレンジ。現地価格は68ランドで、1ランド約6円なので400円ちょっとですかね。ワイナリーツアーに参加するともらえるワインもこれ。

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スピアー・ソーヴィニヨンブランを飲みました。

ただ、とくに明言されているわけではないけれど、「だからこそ気合入れてんだよね」という雰囲気は漂ってくる。一番多く人に飲まれるであろうワインだからこそ、ワイナリーの威信をかけて造ってる、みたいなオーラ出てる。初見のラーメン屋では券売機の一番左上を押せ、それがその店の名刺がわりのメニューだからだという話があるがその「券売機の左上」的な矜持がある。ような気がする。券売機の左上、たまにトッピングのもやしだったりするけどな!

ともかくあなどることなく飲まなければなりません。2019年ヴィンテージの使用品種はソーヴィニヨン・ブラン90%、セミヨン10%。発酵後、4カ月間「on lees」と書いてあって、leesはおりのことで、フランス語のsurは「上に」のことなのでこれ要するにシュール・リーってやつですかね。そんな風に作ってあるそうです。

スピアー ソーヴィニヨン・ブランを飲んでみた

で、飲んでみるとなんだこれとってもうまいぞ。ソーヴィニヨン・ブランならではのさわやか柑橘風味はそのままに、セミヨン配合の妙なのか、シュール・リーの効果なのか、なんともいえないコクがある。ソーヴィニヨン・ブランってものすごくさらっさらな印象なんだけどちょっとトロッとしている感じがする。刺身というよりカルパッチョに合いそうな感じ。オリーブオイルだぶだぶかけて。なんですかね、ディルかなんかと一緒に食べたらおいしそう。と思ってテイスティングノートを見たら、ディルマヨネーズ味のマスのスモークとかマグロのカルパッチョと合うって書いてあった。さもありなん。

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vivinoの点数は3.7点。本当にお買い得なワインではないでしょうか。

それにしても南アフリカのワイン、人生で10本くらいしか飲んだことないけど全部おいしい。しかも安い。本を読むと、南アフリカワインには安かろう悪かろうみたいなイメージがあるみたいに書いてある場合があるけど、悪かろう感はまったくなく、グッドバリュー・フォー・ザ・マネー感が私はすごくしております。今回の買い値も1298円(しあわせワイン倶楽部)と大変満足できる低価格。いつかハイエンドもいってみたいな、こりゃあ。

「キンタ・デ・ボンス・ベントス」織田信長も飲んだ陳陀とはなんだ。価格と感想まとめ。【QUINTA DE BONS-VENTOS】


ポルトガルワインと信長と「陳陀」

昨夜はポルトガルの白ワイン「キンタ・デ・ボンス・ベントス」を飲んだ。ポルトガルのワインのことを私はなにひとつ知らないので、まずはポルトガルワインについて調べてみたらいきなり面白い話が出てきた。

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ポルトガルの赤ワイン「キンタ・デ・ボンス・ベントス」を飲みました。

日本へのワインの伝来は1549年、キリスト教とともにフランシスコ・ザビエルによってもたらされたのだそうだが、そのワインこそがポルトガルワインなんだそうだ。その名は「珍陀(チンタ)」。中国の後漢時代の高僧、みたいな名前だけどこの珍陀、ポルトガルで赤ワインを表す「ティント」の当て字なんだとか。

カルタは歌留多、クリスタンが切支丹、コンフェイトが金平糖、ティントは珍陀。チンタだけ、なんですかね、チン名感がありますがこれはもう歴史なんだから仕方がない。このチンタを初めて飲んだのは織田信長だっていう説もあるんだとか。「熟した黒系果実の豊かな香りである」とか言ったんすかね。

キンタ・デ・ボンス・ベントスの品種と製法

ポルトガルワインは土着品種が多いのも特徴だそうで、「キンタ・デ・ボンス・ベントス」もカステラン、カマラテ、ティンタミウダ、トウリガ・ナシオナルといった品種がブレンドされているのだとか。見事に知らない。なにかのスポーツのポルトガル代表チームが地元リーグの選手中心で名前に聞き覚えがないがないけど妙に強い、みたいな雰囲気出してきてる。カステラン選手は38歳のチームの精神的支柱的存在だが今大会を最後に代表の座を退き指導者の道に進みそう。

醸造は26500リットルの大樽で行い、28〜30℃でスキンコンタクト発酵を行うとあります。果皮と果汁を触れ合わせるやつ。その後、3〜4カ月オーク樽で熟成させるとのこと。

ちなみに商品名「キンタ・デ・ボンス・ベントス・ティント」の意味は、キンタは農園でフランス語でいうところのシャトー的な意味合いで、ボンス=良い、ベントス=風。なんだとか。ティントは陳陀。

キンタ・デ・ボンス・ベントスを飲んでみた

さて、その味わいはいかがかとスンと開けると、なんだかコルクがすごい短い。高級ワインはコルクが長いって言いますがその逆。で、注いでみるとおー、黒い。そしてなんですかねこの香り。テースティングノートには熟した赤黒果実の香りとあるけど、馬小屋の裏手に群生した熟した赤黒果実の香り、といった印象で若干のアニマル感なきにしもあらず。

飲んでみると、しっかり渋みがある。「フレッシュでありながら上質なタンニン」とあるけどなるほどブドウの果実を種ごと噛んだ、みたいな感じする。うーん力強い。肉ですねこりゃ。太いソーセージが食べたい。ソーセージは太ければ太いほうが偉い。あとアスパラも。

このワイン、購入価格は1408円なのだが購入元のセラー&セラー専科で1本から送料無料というわけがわからない設定がされており、私は別のワインを購入した際、送料が680円とかかかるんだったら実質このワインは728円で買えるということだということで買ったけど、それは相当お得だった気がする。

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vivinoの点数は3.6点。赤ワインらしい赤ワインの味わいで悪くない。

グラスの中の赤い液体を眺めながら、五百年前に信長が飲んだのは、いったいどんな陳陀だったんだろうかと歴史に思いを馳せるのに、実質728円は破格だ。

ポルトガルの陳陀、ならぬティント、引き続きいろいろ飲んで行こうと思う次第です。

ドルーアン「ブルゴーニュ ピノ・ノワール」を飲むためにブルゴーニュを旅してみた(妄想で)。【Joseph Drouhin Bourgogne Pinot Noir】

ジョセフ・ドルーアンを飲むとテロワールが理解できる?

私がよくワインを買うショップ「葡萄畑ココス」のブログに、「テロワールを理解したくばドルーアンを飲むべし!」と題された記事を見つけた。

そのとき私は、「のどがかわいたなあ」とか「サウナに行きたいなあ」といったような感じで「テロワールが理解したいなあ」と思っていた。ワイン初心者あるあるだと思うが、テロワールという言葉にはワインのワインにしかない神秘性が秘められている気がする一方で、それを理解する正しい方法がさっぱりわからないからだ。

ブルゴーニュテロワールを理解するには?

これはまさにおれのためのブログだと読んだその内容は要約すると以下のようになる。

テロワールを理解するための方法として、「同一生産者の村名ワインを飲み比べることで地域による味の違いを感じることができ」るのだが、「小さな生産者だと、村名格は3つくらいしか持っていないところも多い」ため、「まだどの村のワインが好みなのかわからない段階なら、まずは大手生産者のワインから入」るべきであり、その点ドルーアンは「広域名『ブルゴーニュ』などから始まり、『シャンボール・ミュジニー』などの村名格、『ボーヌ1級レ・ゼグロ』などの1級畑、それから『グラン・エシェゾー』などの特級畑を合わせると、90以上にもなる」ため、「テロワールを理解したくばドルーアンを飲むべし!」となるようだ。

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ジョセフ・ドルーアン ブルゴーニュ ピノ・ノワールを飲みました。

うーん、ロジカル。納得がいく。そのブログ記事を紹介する同ショップのツイッターの文章がまた素晴らしく、そこにはこのように書いてある。

「ドルーアンは特別安い訳でもなく、味もずば抜けているわけではありません。むしろ「生産者別ブルピノ飲み比べ」なんかやったら、霞んで印象に残らないでしょう。 それはきっと畑の特徴を如実に表しているから。クラスの違いが味わいによく表れていると感じます。」

特別安いわけでも、味がズバ抜けてるわけでもない……! これを読んでわたしは「ならば買おう!」となった。なんでしょうかこの心の動き。プロ野球でいえばドラフト下位入団からのし上がってくるタイプの選手を私は応援したいタイプであります。私は巨人ファンではないのですが2018年育成ドラフト1位の山下航汰とかね。期待したいですよね。出身校は健大高崎でありますドルーアンの話だった。

テロワールを理解すべく、一路ブルゴーニュへ(妄想です)

というわけで、テロワールとはなにか。それを理解したいなあと思うので、定期的にドルーアンのワインを飲むことにした経緯が以上のようなもの。畑名まで行けるかどうかは(予算の都合で)ともかくとして、いろいろ飲み比べてみたいなあと思う次第です。

その手始めとして、まずは広域名「ブルゴーニュ」からはじめることにした。のだが、ここで極めて心苦しいことにドルアーンの「ブルゴーニュ」、葡萄畑ココスで……売ってない……そしてごめんなさいほかのショップで買った……。なんですかこの付き合い始めた初日に浮気したみたいな気分。以降は葡萄畑ココスで買いますのでご寛恕ください。

ただ、ドルーアンのワインを買って家で飲んだだけではテロワールを真に理解できるとは思えない。書籍「イギリス王立化学会の化学者が教えるワイン学入門」によれば、テロワールとは「各ブドウ畑に固有の気候や地理的要素のみならず、それぞれの土地の風土や文化、ときにはそこに関係する人間までも含まれる。要するにテロワールという言葉は、ブドウの持つ自然・文化的環境要因の総称、さらにはワインの持つ地理的な個性と定義することができる」とあるからだ。やっぱりね、その土地の風を感じ土に触れ、人と交わらねばならぬ。

というわけで、現地に行ってみることにした(グーグルマップで)。まずは羽田空港に向かいます。22時50分羽田発、AF0275便ですね。こういうのは気分が大切なので、利用する航空会社はエールフランス一択であります。

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羽田空港にやってまりました。(画像はグーグルマップ)

夜便なので寝てる間に到着したのはフランス、パリはシャルル・ド・ゴール空港です。私は旅行で1回、トランジットで1回立ち寄ったことがあります。クエンティン・タランティーノ出世作パルプフィクション』で、「フランスではビッグマックのことをル・ビッグマックと呼ぶ」というセリフがありまして、それをたしかめるべく空港のマックに行ったのですが巨大な黒人店員の雰囲気に圧倒されて「ル・ビッグマックSVP(シルブプレ)」の一言がいえずに指トンでオーダーしたのはションボリした思い出であります。

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フランス、シャルル・ド・ゴール空港までは12時間40分の空の旅。(画像はグーグルマップ)

空港を出たらパリ・リヨン駅に向かいます。ここからTGVに乗り込んで、一路ブルゴーニュの中心地、ディジョンに向かうわけですね。グーグルマップの写真が夜ですが、ここは“早朝”ということにします。

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パリ・リヨン駅。ここからTGVブルゴーニュへと向かいます。(画像はグーグルマップ)

鉄路1時間30分、デジョンに到着です。さすがブルゴーニュの中心地、大きな街です。デジョンからは電車を乗り換えて、ボーヌへと向かいましょう。ボーヌまでは電車で20分。千葉から船橋に行くくらいの時間ですね。

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ディジョンに着きました。けっこう大きな街ですね。(画像はグーグルマップ)

着きました、ボーヌです。うん、田舎。いいなあ、こういう駅。まずは駅そばで腹ごしらえをして、周囲を散策したいところですがここはフランス。駅そばはありません。売店でオランジーナかなんか買って、旧市街へと向かいましょう。

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ボーヌ駅、いい感じに田舎だなー。(画像はグーグルマップ)

ボーヌはローマ時代の1世紀に建設された都市で、その名はラテン語ベルーナ=春に由来するんだとか。13世紀にはすでにワインの産地として栄えたとwikipediaにはあります。城壁に囲まれた内側を旧市街と呼び、ドルーアンはその中心地にあります。

地図で見ると、駅から旧市街中心部まではどうですかね。3、4キロくらいあるのかな。歩くと1時間くらいかかりそうですが、行ってみましょうか。ここはグーグルマップ。いくら歩いてもつかれない。

というわけで着きました。ジョセフ・ドルーアン、まさに市の中心街にあります。ブルゴーニュ・ワインの首都、ボーヌにあってそのまた中心部にあるというのがすごい。お、ワインショップらしきものがあるので入ってみましょう。

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街のど中心にあるドルーアンのショップ(と思しき店)の様子。(画像はグーグルマップ)

で、このワインショップでジョセフ・ドルーアンの広域名「ブルゴーニュ」を飲むというのが今回の妄想の趣旨。うーん、本当に現地にいる気分に18%くらいなってきたぞ。あとは飲むのみであります。

ジョセフ・ドルーアン ブルゴーニュ ピノ・ノワールを飲んでみると?

というわけで、おれはいまボーヌのドルーアンのショップでドキドキしながらワインを試飲しているのだと己に言い聞かせながら、飲んでみたら……あらやだおいしいじゃないのこのワイン。香りも、色も、味わいも、全部良く言えば淡麗、そのまま言えば薄め。でもしっかり旨味がある。

日本語対応のドルーアン公式サイトによれば、ブルゴーニュ ピノ・ノワールは契約農家からの収穫果と果汁を使い、トータル2~3週間の天然酵母による発酵後、7~8ヶ月タンクで熟成。より優れた畑から醸造した一部のワインについては、1〜2年使用した樽を使用しているとのこと、すべての樽をテイスティングして、ブレンドを行うんだとか。

書籍「ワイン一年生」によれば、「千円、二千円台でブルゴーニュを買えば、まずひどい目に合うと思っておいた方がいいです」とあって、半ばそれを覚悟していたわけだが、なんか無難においしい。ちなみに買い値は1925円でした。お安い。ブルゴーニュのワインをほぼ飲んだことがないためわからないのだが、おそらく「ひどい目」にはあってないと思う。

私の味覚レベルでは出発地点でわりと満足なので、これからはもっとおいしくなることを期待していいんでしょうか。どうなるんでしょうか。テロワールを理解できるようになるのだろうか。というわけで、今後不定期に、ドルーアンのワインをディグしていきたいと思います。

次はこのあたりでしょうか。楽しみだなあ。

ブリュット・ダンジャン・フェイを飲んでワイン初心者がシャンパーニュの魅力について考えた。【Brut Dangin Fay】

ブリュット・ダンジャン・フェイを生む村「セル・シュル・ウルス」はどんなとこ?

昨夜はワインショップソムリエの白・泡ワインくじで当たったシャンパーニュ、ブリュット・ダンジャン・フェイを飲んだ。

生産者のポール・ダンジャン・エ・フィスはシャンパーニュ地方のコート・デ・バール地区っていうブルゴーニュ隣接した地方のセル・シュル・ウルスという村を本拠地とする生産者。セル・シュル・ウルス、どんなところかなあと検索してみると出てきたのが以下の画像だ。

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Celles-sur-Ourceで検索すると出てくる画像。(CC BY-SA 4.0の転載可能な画像です)

よく見ていただきたいのだがこのボトル風オブジェ、ボトル部分がシャンパーニュのボトルでできてる。なんでしょうかこのかに道楽の看板レベルの問答無用感。もしわたしがセル・シュル・ウルス出身だったなら、合コンで「セル・シュル・ウルスってどんなとこ?」ととくに興味なさそうに聞かれた場合間違いなくこの画像を見せる。コイツは盛り上がるに違いないぜワインの話だった。

セル・シュル・ウルスはブルゴーニュ、それもシャブリに近いんだそうで、その土壌はシャブリと同じキンメリジャン土壌という、牡蠣の殻を含んだものなのだとか。私は牡蠣が好きなのでその時点でもうおいしそう。「キンメリジャン土壌」の響きの良さは異常であります。

ブリュット・ダンジャン・フェイはどんなワインか

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ブリュット・ダンジャン・フェイの味わいやいかに。

その土壌から生まれたブリュット・ダンジャン・フェイはワインショップソムリエのサイトによればピノ・ノワールシャルドネピノ・ムニエブレンドされ、熟成期間は「最低でも30カ月」とのこと。シャンパーニュ事務局のサイトによればAOCシャンパーニュの規定では瓶内熟成15カ月が規則だそうです。いいじゃないっすか。

この半年、泡といえば安泡しか飲んでおらず、直近でいえばカクヤスの500円泡しか飲んでいない私はいわば泡弱者。そんな私が30カ月以上熟成のシャンパーニュを飲んで果たしてどう感ずるのか……うーん、楽しみ。

ブリュット・ダンジャン・フェイを飲んで思い出した生産者との対話

というわけで土曜日の空がピンク色に染まる頃を見計らって抜栓し、グラスに注ぐと、あらやだ……なんですかこれは。グラスのなかに泉でも湧いた? みたいに底から立ち上る泡のみなさん。すごいなシャンパーニュ。さすがだな。

以前、ワインにハマりかけの頃、近所のショップで開催されたシャンパーニュの生産者イベントに興味を覚えて参加した際、来日したメゾンの代表者に「なんでシャンパーニュだけが特別なんですか?」と素人の気安さで聞いたことがある。その答えが忘れられない。こんな感じだ。

「世界中にはいいワインの産地がたくさんありますし、温暖な産地からは大変おいしいワインができます。シャンパーニュはパリの東北にある寒い地方で、他の産地より特別優れているというわけではありません。ただ、シャンパーニュには、ほかの産地にはない、シャンパーニュだけの個性があるんです」

つまりシャンパーニュシャンパーニュだからシャンパーニュなのだ、ということを、決して上からではなく、ド素人と同じ目線に立って教えてくれたのだった。ナンバーワンにならなくても良くてもともと特別なオンリーワンなのだと。

ブリュット・ダンジャン・フェイを飲んだ瞬間に、そのときのその言葉が思い出された。「すべてのワインをリスペクトする。」がこのブログのコンセプトだが、シャンパーニュと普段飲みの安泡にはたしかな違いがある。温泉と自宅の風呂の違いみたいな、どっちがいいとか悪いじゃない本質的違い。温泉が好きだからって自宅風呂がなくていいとはならない。みんな違って、みんなお湯。だけど温泉はどう考えても特別だ。同様に、みんな違ってみんな泡でみんないいんだけれどもシャンパーニュは特別だ。明らかに。誰かを下に見るのは差別だが、誰かを仰ぎ見るのはリスペクト。私は温泉とシャンパーニュをリスペクトしています。しかしこれ、高額シャンパーニュってどんな泉質、じゃなかったどんな味がするんだろうか。温泉旅館が高級温泉旅館になる感じだろうか。いいよなあ、高級温泉旅館。

とにもかくにも、この記事を書きながら至高の組み合わせは温泉旅館に宿泊して湯上りにシャンパーニュを飲むことなのではないかという仮説にたどり着いた。それ絶対やる……おれそれ絶対やる!

 

「エラスリス エステート カルメネール」ドン・マキシミアーノ・エラスリスという男。

「エラスリス」創業者の伝説

昨夜はチリの赤ワイン、エラスリス エステート カルメネールを飲んだ。

生産者であるヴィーニャ・エラスリスのことを調べると、1870年、チリの政治家で、外交官で、連続起業家でもあったドン・マキシミアーノ・エラスリスが設立したとある。で、このドン・マキシミアーノの人生がすさまじすぎるのでちょっとお時間ください。

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エラスリス エステート カルメネールを飲みました。

ドン・マキシミアーノがチリに生まれたのは1832年。スペインから移住してきたバスク人の家系で、その家系からは2人の大統領を出しているというだけですごいのだがドン・マキシミアーノも半端ない。彼の偉業をまとめるとこんな感じだ。

銅会社設立>世界の生産量の1/3を産出するまでに
ガス会社設立>チリの首都初の照明インフラとなる
ワイナリー設立>単一の所有者による世界最大のワイナリーへ

しかも外交官として上院議員を9年務めたという伊藤博文岩崎弥太郎を合体させたようなキャリア。司馬遼太郎が小説にしてませんでした? っていう感じの人生だ。ただ、ワイナリー設立は妻が第四子の出産直後に24歳の若さで逝去したのがきっかけという悲劇が背景にあるというから人生は無常だ。

エラスリスとベルリン・テイスティング

ともあれ時は流れて2004年、ベルリンで行われたブラインド・テイスティングシャトー・マルゴー、ラトゥール、ラフィット等を抑えてエラスリスのワインがナンバー1に輝いたことで、ヴィーニャ・エラスリスは世界的名声を手に入れるに至る。


The Berlin Tasting Documentary (English)

そのベルリンテイスティングがまたすごく、イベントをオーガナイズしたのがそもそもドン・マキシミアーノの子孫で現社長のエドゥアルド・チャドウィックだと書いてある。自分でオーガナイズしたコンペティションで自分たちのワインが優勝するというのは端的にいって力技。すげえなこの一族。自力も強いし寝業もできる。まさに立って良し、寝て良し。氷の皇帝ことエメリヤーエンコ・ヒョードルかよ。いや、一族が強いという意味ではグレイシー一族かな南米だしワインの話だった。

エラスリス エステート カルメネールはどんなワインか

さて、ヴィーニャ・エラスリスはウェブサイトもド丁寧なまさにこういうサイトがベストですっていう教科書のような作りで、廉価レンジ(買値は1397円税込でした)の「エステート」シリーズでもビンテージごとのデータシートをダウンロード可能。

それによると、私が飲んだ2017年のカルメネールはカルメネールが85%、シラーが15%、ステンレスタンクで発酵後、70%をフレンチオーク樽で7ヶ月熟成しているとのこと。

エラスリス エステート カルメネールを飲んでみたら……

さて、実際に飲んでみた。まず香り、と、クンクンするとなんでしょうか、この香り。香りというか、匂い。動物っていうか“雄”。下駄を鳴らして奴がくる。男の匂いがやってくる。そうムッシュかまやつが歌った“男の匂い”がこれなんじゃないかという香りがやってくる。公式サイトによればトースト、ピンクペッパー、クローブのノートって書いてあるんだけどクローブっていうかグローブ(野球部)感まである。

味は果実味が豊かで、これまた公式サイトによれば「黒い果実、イチジク、黒鉛、レッドペッパー」とあってなるほどそんな感じするわっていう味。おいしい。

この匂い、半分飲み残した2日目はかなりマイルドになり、3日目はどうなるだろうと少し残したら3日目になってほぼ消えていた。

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vivinoの点数は3.7点でした。あの匂いは仕様なのか……?

一体なんだったんだろう、あの匂い。ジャングルの奥地に咲いた巨大な花が発する匂いってあんな感じなんじゃなかろうか。「なんじゃこりゃ!?」って思ったはずなのに、ボトルが空になった今、あの匂いをもう一度味わいたいと思う気持ちがわりとある。

好きな人の匂いは多少くさいくらいが好き。たまらぬ。みたいなご婦人がたまにっていうかわりといる気がするが、今私が感じているようなこんな気持ちなのだろうか。

ドン・マキシミアーノ・エラスリスに聞いてみたい。

 

himawine.hatenablog.com

 

リントンパーク 76 シャルドネ。76に秘めれれた深い意味と製法・価格・感想をまとめてみた。【Linton Park 76 Chardonnay】

リントンパーク 76 シャルドネはどんなワイン?

昨夜は、南アフリカの生産者・リントンパークの「クラス・オブ・76 シャルドネ(リントンパーク76 シャルドネ)」を飲んだ。ワインについて調べようとリントンパークの公式サイトのURLをみると、www.lintonparkwines.co.za/とある。
co.za。いきなりの脱線となるが南アフリカの国名コードってなんでsaじゃなくてzaなんだろうと気になって調べてみると、Zuid-Afrikaというオランダ語由来なのだとか。

なるほどな〜、オランダ語かーと改めてリントンパークの公式サイトをみると、ワイナリーの創立は1699年とある。元禄12年。犬公方a.k.a五代将軍綱吉の治世。

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リントンパーク「リントンパーク76シャルドネ(クラス・オブ 76 シャルドネ)」を飲みました。

南アフリカ」のwikiをみると1652年にオランダ東インド会社喜望峰を中継基地としたことからオランダ系移民が増え、南アフリカの前身的存在のケープ植民地が成立したとある。リントンパークの創設もその時代と重なっている。

オランダワインって聞かないよな〜、と思ってこれまた調べると、中世までは作られていたのが欧州が寒冷期に突入したことで衰退し、近代的ワイン生産は1970年代にようやくスタートしたんだとか。地球が冷えるとワインを作るのをやめて温まるとワインを作る。それがオランダ。冷えてる間はチューリップつくる(このくだり適当に書いてます)。オランダ人、出島でワイン作ってなかったんですかね。

いずれにしても、地球規模の気候変動とか、東インド会社とか、植民地政策とか戦争とか負の歴史も含めた人類と地球の活動によってワインって世界中に伝播していったんだなーということが歴史から学べて面白い。日本へのワイン伝来は1549年、フランシスコ・ザビエルによってもたらされたそうです。イゴヨク飲まれる赤ワイン、と覚えてくださいリントンパークの話だった。

「76」に秘められた深い意味

歴史あるワイナリーでつくられたクラスオブ 76だが、公式サイトには記載なし。class of ’76 winesっていう公式っぽいツイッターアカウントも発見したが2014年3月に開設して8ツイートだけして終わりっていう企業におけるSNS運用のなんたるかを深く考えさせられる放置具合。

class of ‘76っていうイギリスのクライムサスペンスドラマもあるみたいだけどそちらとの関連もなさそう。なんなんでしょうクラスオブ76。76年世代、みたいな意味だと思うけど。ワイナリーの現当主が76年生まれとかそんなんでしょうか。

と、裏ラベルを見ると、そこにはこんな一文があった。

「1976年6月16日のクラスに乾杯を。このボトルのすべてのブドウは、あなたがたの勇気と強さから生まれた夢を代表している」

1976年6月16日、アパルトヘイト下の南アで、白人の言語とみなされていたアフリカーンス語を黒人にも強制することに反対して黒人学生たちがデモを決行。そこに警察が催涙ガスを用いるなどして鎮圧を図ったことで暴動に発展し、黒人学生500人が死亡する大惨事が起きた。その後「多くの黒人の市民がアパルトヘイトの現実に目覚め抵抗を始めた」とwikipediaにはあり、南アでは6月16日は現在国民の祝日となっているそうだ。これは気を引き締めて飲まねばならない。飲むのは正しく歴史だ。

ちなみに輸入元のマスダの商品ページによれば、標高500メートルの畑で栽培されたブドウをステンレスタンクで発酵後、新樽のフレンチオークで1週間発酵。その後新樽と2年目のフレンチオーク樽で12カ月熟成するとのこと。おし、いざ飲んでみよう。

リントンパーク76シャルドネ飲んでみると……これはうまい!

さて、開栓してグラスに注いでみるとこれが非常に濃くていい色。旬真っ盛りの蜜たっぷりのリンゴの蜜の色。

それで、飲んでみるとこれが味もまた蜜。子どもの頃、友人と街路樹のつつじの花をつまんで、その蜜をチュウチュウ吸うという、令和の今から振り返ってみると昭和すぎる蛮行がこの季節の楽しみだったのだがそのとき吸ったツツジの花の蜜の味がする。朝露に蜜を垂らしたような味。うーん、ミッツィー(ジューシーとかジャミー的な意味で)。

もちろんフレンチオークで熟成ってだけあって樽は効いてる。蜜のパイ包み、みたいな感じする。うーん、いいなこれ。実においしいな。買い値1584円は信じられない。強いていえばテースティすぎるというか、味わいの濃さとミッツィー具合で合わせる食事は多少選ぶかもしれないけれども。

私はモッツァレラチーズとバジルとキウイにバルサミコとオーリブオイルをぶっかけるっていうオシャレ料理と合わせましたがそれはなんだかすごく合いました。モッツァレラチーズとバジルとキウイにバルサミコとオーリブオイルをぶっかけるやつ、非常においしいのでオススメであります。

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vivinoの点数は私の飲んだ2018ビンテージで3.8点でした。

南アフリカワインはうまいうまいとよく聞くけれどもこの金額でこんなおいしいワインが飲めるのであればなるほど納得だ。南アフリカのワイン、これからもっと飲まなければならないな、南アフリカのことももっと知らなくちゃなと思った初夏の夜でした。

クラスオブ76に乾杯を。

ワインショップソムリエの「トレジャーハントワインくじ白&泡」に挑戦してみた。出たのは何等のいくらのワインだった!?【2020年5月】

シャンパーニュ狙いでワインショップソムリエの白泡くじに挑戦

ワインショップソムリエの白泡ワインくじ(トレジャーハントワインくじ 白&泡)が届いた。お値段3300円税込で、特賞は3万7400円のアルマン・ド・ブリニャック・ブリュット・ゴールドである。確率は1/300。

以下、1等15/300、2等35/300、3等100/300、4等149/300となる。最近泡といえばすっかり「なんでも酒やカクヤス」で売られている500円のスパークリングワイン、略称カクヤス500円泡ばかり飲んでスポイルされきった舌に喝をいれようというのが購入の趣旨だ。ワインくじ、それはたとえ外れてもなおおいしいワインが手に入る、敗北のないギャンブルであります。

 

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さて、今回の私の狙いは前述したように泡、もっといえばシャンパーニュだ。シャンパーニュ、飲んでないなあ、正月以来。半年間のシャンパーニュレスとなると正直シャンパーニュってどんなだっけ? と、中学時代の隣の席に座ってた女子の顔レベルの記憶濃度になりつつあり、こりゃヤバいという危機感がその背景にはある。

というわけで、今回のくじの勝利条件はまず「泡」であること。「白」でももちろん嬉しいが、あくまでも泡狙いであることをまず名言しておく。カクヤス500円泡を集中して飲んでいる今、私の体という名のリトマス試験紙はカクヤス500円泡という明確な基準<カクヤスリアクター>を有している。だからこそ、そこにシャンパーニュを注いだ場合、彼我の違いを明確に感じられるはず、たぶん、という狙いだ。 

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なので、「4等」にあるクレマン・ダルザスは泡だが今回は避けたいところ。クレマンじゃなくて、シャンパーニュが飲みたい。松屋じゃなくて吉野家の牛丼が食べたいみたいな感じで。松屋のほうが仮にうまいとしてもワシゃ吉牛が食べたいんじゃといった気持ちになる日がぼくたち人類という種にはあるんだよワインの話だった。

いざ開封シャンパーニュは出たか……!?

というわけで、注文したら翌日にあたる今日ついた。なので、自宅でのテレワークを即中断、ただちに開封作業に取り掛かることとした。いでよ、いいシャンパーニュ(ざっくり)!

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ワインショップソムリエの白泡くじのご様子。果たして中身は……!?

箱を開けて中をそっと覗き込むと……お、「CHA」って文字が見える! 「CHA」ではじまるものはシャネルかチャゲCHAGE&ASKA)かシャンパーニュでありそのうちワインなのはシャンパーニュだけなのでシャンパーニュ確定である。うれしい。

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覗く「CHA」の文字! シャンパーニュ確定の瞬間。

シャンパーニュは特賞から4等まで幅広く存在しており、あとはどの賞かが問題となる。というわけで箱からスポンと出すと……ブリュット・ダンジャン・フェイ! 4等! 価格帯的には最安値の売値3718円税込! 限りなくハズレに近い当たり!

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当たったこのワインは一体……?

商品ページを見ると、ワインショップソムリエとメゾンのコラボ、みたいなことが書いてあってそこはかとなく漂うPB感に若干気持ちが萎えそうになるような気がしなくもないがいいんだ週末にシャンパーニュが飲めるんだから。シャンパーニュはいつだって特別。飲めばいつでもシャンパーニュ記念日である。

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ブリュット・ダンジャン・フェイが当選。週末飲むのが楽しみ!

というわけで、今回のワインショップソムリエ「トレジャーハントワインくじ 白&泡」の結果は、149/300の4等「ブリュット・ダンジャン・フェイ」でした。あー楽しかった。