ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

ニコラ・フィアット コレクションヴィンテージ2010 フレンチシックエディションが驚くほどおいしかった件

ニコラ・フィアット コレクションヴィンテージ2010 フレンチシックエディションと私

ニコラ・フィアットのコレクションヴィンテージ2010 フレンチシックエディションを飲んだ。うきうきワインの玉手箱が2022年5月に1日限定で販売したシャンパーニュ3本1万円福袋に入っていた1本。

himawine.hatenablog.com

今回は結論を先に書いてしまうが、これやべえやつだったんですよ。「自宅で飲んだシャンパーニュ」という部門では過去ベストだった。正直に申し上げてあまり期待していなかったのでちょっと驚いた。

 

ニコラ・フィアット コレクションヴィンテージ2010 フレンチシックエディションと2010年

さらに驚いたのは、調べてみると2010年は良年じゃないということ。これだけおいしいのなら2010はさぞかし良年だったんでしょうなあとワインスペクテーターのヴィンテージチャートを見てみると、2010なんと「88」。2011年の「79」がダントツの最低点ながら、「88」は1990年以降2番目に低い数字だったのだまじか。

ニコラ・フィアット コレクション・ヴィンテージ2010 フレンチシックエディション

偉大で有名な08年が「97」、同じく良年といわれる12年が「95」だからいかにも低い。「8月中旬の雨でピノが腐敗した」ってテキストが添えられてるまじか。

ここで盛大に話は脱線するが、福袋にはオフヴィンテージのワインが封入されていることがままある。ままっつーか、大いにある。不人気で売れ残ったり価格が崩れたりしてるオフヴィンテージのワインの使い所、あるいは成仏のさせ方として福袋に入れちゃうのは関係各位にとっての最適解となりやすいのだろう。なんならお詫びと言ってはなんですがの体で同梱の安ワインが良年だったりする気までする。

もしかしたらこれは私が購入する1〜2万円程度の福袋、通称安袋で顕著な傾向なのかもしれない。そのため、安袋を購入する際はオフヴィンテージを笑って許せる心の寛容性が求められる。そして今回のように世評はアレでも飲むとめちゃくちゃうまいってこともあるから面白いのだ。

 

ニコラ・フィアット コレクションヴィンテージ2010 フレンチシックエディションはどんなワインか

話を戻してこのワイン自体がどんなワインなのかも改めて調べてみた。公式サイトには記載がないため、販売元のうきうきワインの玉手箱の商品ページをみると、メゾンからのコメントとして以下のような記載がある。

「2010年は晴天の日が続いた、豊作の年。葡萄が熟すうえでで非常に最適な天候が続き、ブドウを完璧に熟熟し、美味しいジューシーな果実をもたらしました(原文ママ、後略)」

前述のワインスペクテーターのヴィンテージ評価にある「8月中旬の雨でピノが腐敗した」っていう2000年前の出来事の記述みたいな書き方とはかなりの乖離があるが、まあなんていうかこのへんはご愛嬌だろう。

エノテカの商品ページにはもう少し客観性があり、「8月と9月は降雨量も多く湿度が高かったため、ブドウの成熟が難しくなりました」と認めつつ、「南の方の畑では十分に熟したブドウが出来あがります。特にこの年のコート・デ・ブランのシャルドネは、大きな成功を収めました」と書いてある。

ニコラ・フィアットは自分たちが育てたブドウでシャンパーニュをつくるレコルタン・マニピュランではなく、買ってきたブドウやワインでシャンパーニュをつくるネゴシアン・マニピュランでなく協同組合(コーペラティブ・ド・マニュピラン)。5000を越える契約農家を抱え述べ2100haの畑のブドウを使用可能であるという強みが、もしかしたらオフヴィンテージに発揮されるのかもしれない。

himawine.hatenablog.com

ニコラ・フィアット コレクションヴィンテージ2010 フレンチシックエディションを飲んでみた

このワインを飲んだのは土曜日の夕方。久しぶりに会う友人との乾杯用に飲んだのだが、グラスに注いだ瞬間からちょっと様子がおかしかった。ゴールドの色調がやたらと深く、泡は小さく弾けるようで、グラスの底から立ち上がった泡が液面で弾けるたびに香りの粒が溢れてくる。

味わいも素晴らしい。すごくフレッシュな柑橘系の香りと、森の奥で樹上に生ったまま糜爛した果実が放つような怪しい熟成香が体感値1:1で混じり合った大人ムード全開の液となっている。これは大人液。1日動くと疲れが3日とれなくなってからでないと真価がわからないタイプの酒だ。若者は白ワインと三ツ矢サイダーをコンビニで売ってるカップ氷にぶち込んだものなどを飲むのがよろしいでしょう。夜中に。20代のころの私の話だった。

パッケージは違うが中身が同じだとしたらvivinoの評価は4.3。超高評価も納得の味。

いやでも本当に、熟成したシャンパーニュのおいしさが気軽に味わえてうきうき価格5665円は単品でも悪くないと思う。ましてや福袋価格3333円は破格で、すごく得した気分だ。次回購入時にこれが入ってたらガッツポーズ出る。

さすがはフランスで一番売れてるシャンパーニュ。ニコラ・フィアット、あなどれない!

ぜんぶヴィンテージシャンパーニュだっていうシャンパンハウスの福袋。7日0時から48時間限定

単品でも全然アリ

こちらは3本1.1万円福袋

 

 

東急プラザ渋谷「ニッポンのいいお酒。」で長野ワインを飲んできた

「ニッポンのいいお酒。」3500円で60分試飲し放題

東京は各線渋谷駅前の東急プラザ渋谷で2022年6月9日まで開催中の「ニッポンのいいお酒。 第9回 長野ワインと清酒」に行ってきた。

長野ワインと日本酒100種類以上が一堂に会し、その場で買えるのはもちろん、2000円あるいは3000円または3500円を払えば60分間試飲がし放題になるというイベントだ。

2000円では上位レンジのワインは飲めないが、3500円だと3000円、2000円のワインも飲める。となれば払うべきは3500円一択ということでその金額を払い、スタッフの方の説明を聞きながらいろいろ飲ませていただいたのでレポートしていきたい。

冒頭に書いておきたいのだが、私は正味59分滞在し、結局18種類のワインを試飲した。1杯あたりの試飲量はどうすかね。小さなプラカップに20〜30ml前後といったところだろうか。仮に30mlだとすると540ml。フルボトルの7割強をいただいた計算になる。普段なかなか飲めないボトルを18種類飲めて、かつ渋谷駅前の場代を考えると非常にリーズナブルなイベントだと思う。みなさんも会期末は迫っているがぜひどうぞ。

 

ル・ミリュウ「ハートビート巨峰」

というわけで1杯ずつ振り返っていこう。

まずは安曇野市のル・ミリュウの「ハートビート巨峰2020」。瓶内一次発酵のスパークリングワインで、巨峰っぽさがあまりなく、つまりあんまり甘々してないドライな泡で夏の日の乾杯用に良さそうな感じ。

変なクセがないので1杯目として良かった。先は長いしどんどんいこう。

 

井筒ワイン「NAC竜眼2021」

続いては井筒ワインの「NAC竜眼2021」。塩尻市の自社&契約農園で収穫した竜眼を使用したというワインで、私は竜眼のワインを意識して飲むのははじめて。シルクロードを通って日本にやってきたブドウだそうですよ。天山山脈を超えてタクラマカン砂漠を抜け、海を渡ってなぜ長野へ……?

それはともかく飲んでみると意外とアロマティックな感じで、香りが華やかでおいしい。味わいはスタッフの方が「シュール・リーを長く行った甲州っぽい」とおっしゃっていて「わかる」ってなった。

 

井筒ワイン「NACピノ・ブラン2020」

井筒ワインが続き、続いては「NACピノ・ブラン2020」。これは前に飲んだ竜眼よりもさらにさわやか、甲州に比べると華やかみたいなワイン。香りは弱めだが、味は好みだった。

このワインの価格は公式サイトによれば1557円。この値段なら十分アリだと思う。

ちなみにNACはどうやらNAGANO APPELATION CONTROLの略のようだ。なるほど。

 

ル・ミリュウポラリス 竜眼オレンジ2021」

続いてはル・ミリュウの「ポラリス 竜眼オレンジ2021」。竜眼でつくったオレンジワインはどうやらかなり希少なようで、果実の香りがしっかりあって、飲むと渋みもしっかりある力強い造り。

色合いもあって、柿っぽさをちょっと感じたりもした。個性ある1本。

 

ベリービーズワイナリー「グリーンハーヴェストブラン2020」

次に来たのが御嶽海関ですよなんですかこれは。なんでも大関・御嶽海は長野県木曽郡上松町出身。郷土の英雄の大関昇進を祝福しての記念ラベルなんだそうだ。

生産者は塩尻市のベリービーズワイナリーでキュヴェ名は「グリーンハーヴェストブラン2020」。ナイアガラを早詰みして仕込んだワインとのことだがハッケヨイのこったと飲んだこれがスマッシュヒット。

ナイアガラは好きな品種のひとつだが、その独特の香りが立ち会いからしっかり香り、酸味という名の右上手をしっかりとつかんだ味わいで見事寄り切り。相撲ファンならずとも手に取りたい1本だった。ナイアガラは優等生だなあホントに。あとちょっと御嶽海応援したくなる。

 

幸西ワイナリー「丘の上シャルドネ2021」

御嶽海が白のベストかな、と思っていたら次に飲んだのも非常に良かった。それが幸西(こうにし)ワイナリーの「丘の上シャルドネ2021」。

他社醸造から自社醸造に切り替えてまだ数年とのことだったが、自社醸造に切り替えてから評判が良くなっているらしく、日本の国際品種に時折感じるような気がしないでもない味わいの芯のなさみたいなものがなく、そのうえでしっかりと個性があった。

フランスのシャルドネともアメリカのシャルドネとも違うニッポンのシャルドネ、という印象でこれはまた改めて飲みたい1本となった。

 

信濃ワイン「シャルドネ葡萄交響曲シャルドネ作品502」

続いて飲んだのは信濃ワインの「シャルドネ葡萄交響曲シャルドネ作品502」というワインで、セラーでクラシックを聴かせながら熟成させたというワイン。

これはなんというか、ちょっとワイン離れした味わいで、後味で私が感じたのは甘酒。飲んだ印象も日本酒っぽい変わったワインだった。

 

ヴァンヴィ「VinVieロゼ カベルネ・フラン2021」

これでまだ半分くらいだろうか。まだまだ試飲は続いていき、次に飲んだのは自社畑で取れたりんご・ぶどうを使ってシードルとワインを生産しているというヴァンヴィ(VinVie)の「VinVieロゼ カベルネ・フラン2021」。

香りはベリー系のはつらつチャーミング系ながら、飲むとわりとズシリとした渋みがあり、液体に粘性の高さも感じる、合わせるならば俄然肉、というワインだった。信州だし馬刺しとか合わせたら合うのかな。どうなんだろ。みたいなことを思った。公式サイトを見ると生産本数はわずか165本とのことで、貴重なワインをいただいた。

 

塩尻ワイナリー「塩尻メルロ ロゼ2019」

次は大手も大手のサントリーによる塩尻ワイナリー「塩尻メルロ ロゼ2019」。

これはまさに大手という味で、果実味も酸味も主張しすぎない、飲みやすさに特化したような味わい。バランスの良さは見事だが、ここまで小規模ワイナリーのものも含めて飲み進めてみると少し個性が欲しいかなあ、という気がしてくる。

そうなのだ。思ったよりはるかに個性的なんですよ長野ワイン。当たり前かも知れないが、生産者による違いがくっきり出る。

スタッフの方いわく、「長野には地産地消文化がある」のだそうで、であるがゆえに東京にもそうたくさん入ってくるわけでなく、それもあってか生産者のエッジが立っている印象を受けた。

 

サンサンエステート「柿沢ロゼ2020」

次に飲んだのはサンサンエステートの柿沢ロゼ2020。自社農園産メルローをマセラシオンしてロゼ色に仕上げたというワイン。

こちらはメルローらしい味わいがあって、すごくおいしいワインだと感じた。公式サイトによれば価格も1980円とこなれてる。良い。

 

ヴァンヴィ「緒[いとぐち]2021」

ここから赤に行く前に白が2杯続く。まずはヴァンヴィの「緒[いとぐち]2021」という洒落た名前のワイン。

シャルドネ50%、ソーヴィニヨン・ブラン46%、ケルナー4%の混醸。樹齢3〜6年の若木から生まれるワインなのだそうで、公式サイトを見ると無濾過で亜硫酸塩の添加もわずかとナチュラル的な造り。

なるほど若木と言われれば納得の青っぽい感じはあるが複雑みもたしかにあって、5年後、10年後のヴィンテージが楽しみになるようなワインだった。

 

楠わいなりー「日滝原2020」

続いては楠わいなりーの看板ワインだという「日滝原2020」。自社栽培のセミヨンとソーヴィニヨン・ブランを発酵後8:2でブレンドしたというワイン。

ボルドー・ブランから樽の印象だけとったようなワインで、私が訪れた前日に試飲したソムリエの方が世界レベルだと絶賛したとかしないとか。おいしいワインなのは間違いないと私も思った。

ところで楠わいなりーは楠わいなりーなのか楠ワイナリーなのか。楠わいなりーが会社の名前で楠ワイナリーがワイナリーの名前なのか、よくわからなかった。どなたか教えてください。

 

大池ワイン「メルロー 2019 樽熟成」

いよいよ赤だ。長野といえばなんつったってメルローでしょうやっぱり。

というわけでトップバッターは大池ワインの「メルロー 2019 樽熟成」。ラベルにかわいい女の子が描かれているが、このワインの通称は“村の人気者の三女”というのだそうだ。シャルドネが“しっかり者の長女”でソーヴィニヨン・ブランが“個性的な次女”とのこと。

ラベルめっちゃかわいい

でもってこのワインが今回試飲したなかで三傑に入る個性派。なにがすごいって樽の香りがほんとにすごい。目隠しして嗅いだらウイスキーと勘違いするまであるというくらいの強さ。それでいてアルコール度数11%(とてもそうは思えない)という印象に残るワインだった。

 

信濃ワイン「スーパーデラックス 白2020」

これは個性的ですねえ、とかなんとか言ってたらスタッフの方がこれもかなり個性的ですよと持ってきてくれたのが信濃ワインの「スーパーデラックス 白2020」というすさまじい名前のワイン。

品種は竜眼。なにが個性的なのか。エビの香りだ。正確にいうと名古屋土産の定番のひとつ、坂角総本舗の「ゆかり」を思わせるエビの殼的な香りが余韻にある。個性派NO.1はこれだったかもしれない。

かといって生臭いとかそういうことではなく、ワインとしてはふつうにおいしい。バーベキューで殼ごと焼いたエビと合わせてみたいですね、みたいな話をしながら、いよいよラストスパートに入る。

 

井筒ワイン「NACメルロー[桔梗ヶ原]2020」

ここからの赤4連発の最初に飲んだのが井筒ワインの「NACメルロー[桔梗ヶ原]2020」。メルローのわりにというかなんというか香りはピーマン的な青野菜系。それでいて味わいはなめらかなメルロー

今飲んでもおいしいが、これはもう少し時間をおくともっと良くなりそうだなあと感じた。井筒ワイン、基本なに飲んでもはずれがなくてすごい。

 

サンサンエステート「柿沢メルロ セクションA 2018」

続いてはサンサンエステートの「柿沢メルロ セクションA 2018」。標高840〜864メートルに位置する塩尻市柿沢地区の自園で採れたブドウを使っているというワインで、樽感、スパイシーさ、ベリー感どれもあっておいしい。

サンサンエステートはロゼもこのメルローもおいしかったので、味の方向性と自分の嗜好が合っているのかもしれない。こういう、自分好みの生産者に出会えるのは試飲会ならではだ。

 

たかやしろファーム&ワイナリー「カベルネ・ソーヴィニヨンメルロー2020」

次はたかやしろファーム&ワイナリーの「カベルネ・ソーヴィニヨンメルロー2020」。ふたつの品種を半分ずつブレンドしているとのことで、特徴的なバラの香りのせっけん的な香りがする。

味わいは小さい果実の印象で、きっちりおいしい。アルコール度数は12度。ここまでこれだけ飲んできてもスイスイ飲めてしまうような軽快さも良い。

 

アルプス「ミュゼドゥヴァン マエストロ 塩尻シラー 2020」

いよいよオーラスで、飲んだのはアルプスの「ミュゼドゥヴァン マエストロ 塩尻シラー 2020」。いちごジャム、それもいちごを摘んできて自宅で似たようなやや野生的な香り。

酸味もしっかりとあって、涼しい地方のシラー感があった。これもアルコール度数12度と軽め。前に飲んだメルローもそうだが、「軽めの国際品種」を探したときに、日本ワインは選択肢になるなみたいなことをぼんやり考えたりした。

というわけで以上18種類。これだけの量を一気に飲める機会はなかなかない。繰り返しになるが、6月9日までにいける方はぜひ3500円持って、東急プラザ渋谷へ。

 

 

うきうきワインの玉手箱「赤白6本1.5万円福袋」を評価する

2022年1月に1.65万円でうきうきワインの玉手箱赤白6本入り福袋を買った

2022年正月にうきうきワインの玉手箱で赤白6本で1.65万円(税込、商品は1.5万円福袋表記)の福袋を買った。それから5カ月、すべてのワインを飲み終えたので、得したのか損したのかを改めて評価したい。

himawine.hatenablog.com

その前に、まずは「得」「損」という概念について考えたい。「福袋を買って得した(損した)」とは一体どういう状態かという問題だ。

1.65万円で6本入りだったので1本あたり単価は2750円。となれば、それぞれのワインが2750円を払うに値したか否かが鍵を握る。

仮に6本のワインすべてが「2750円の価値を感じられない」としたらこれはもう大損だ。もう福袋なんて買わないなんて言わないよ絶対状態だ(結局買う)。

一方で、6本すべてが「2750円以上の価値がある」と感じられれば大勝利。なので、6本のワインそれぞれvs2750円という価格の勝負を行い、その星取りでお得度を見極めたい。

 

2022年1月のうきうきワインの玉手箱赤白6本入り福袋の中身

さて、赤白6本福袋に入っていたワインは以下だ。

こんなワインが入ってました。

上写真左から右に、

1 ザ・クラッシャー シャルドネ 2017(2178円)
2 ラ・メイラーナ ガヴィ・デル・コムーネ・ディ・ガヴィ2019(参考価格3025円)
3 シャトー・ランゴア・バルトン2013(7678円)
4 トラヴァリーニ ガッティナーラ 2017(4708円)
5 カテナ マルベック2019(2332円)
6 ドメーヌ・コルディエ・ペール・エ・フィス プイィ・フュイッセ・ヴィエイユ・ヴィーニュ2019(5698円)

合計金額は2万5619円。1本あたりの平均金額は4269円で、1万6500円は単品合計額の約36%オフに相当する。

 

うきうき福袋の中身1:ザ・クラッシャー シャルドネ2017

これらのワインを1本ずつ振り返っていこう。

まずザ・クラッシャー シャルドネ 2017だがこれは全然悪くなかった。カリフォルニアの樽の効いたシャルドネの見本のようなワインで非常に好印象。

ただ、2750円に値するかと言われれば、元値が2178円ということもあって微妙。ただ、十分に健闘してくれたのでここは引き分けとしたい。

 

うきうき福袋の中身2:ラ・メイラーナ ガヴィ・デル・コムーネ・ディ・ガヴィ2019

続いてはラ・メイラーナ ガヴィ・デル・コムーネ・ディ・ガヴィ2019だが、これは恐るべきことに飲んだ記憶がないにも関わらず自宅にも見当たらないという超常現象が起きたワイン。

残念ながらあまり印象に残らなかったワインということで、対2750円戦は敗北だ。ごめん。

というわけで1分1敗スタートというロシアW杯最終予選における日本代表を思わせる幸先の悪さ。しかし、ここからの巻き返しがすごかった。

 

うきうき福袋の中身3:シャトー・ランゴア・バルトン2013

次に控えるのはシャトー・ランゴア・バルトン2013で、これはさすがのボルドー格付け第3級、気難しい年として名高い2013ヴィンテージながら大変おいしいワインだった。

2750円とかってレベルでは到底なく、この1本で満足度が一気に跳ね上がるという結果になった。アウェーで強豪相手に3-0で勝ち点3を奪った的な勝ち点得失点差直接対決の成績すべてに影響を及ぼす大きな勝利みたいな印象だ。今年自宅で飲んだワインのなかでもベスト3に入るワインだった。

同じく今年飲んだシャトー・ソシアンド・マレ2013がちょっぴり厳しかったこともあり、余計に嬉しい誤算だったなあランゴア・バルトン2013。また飲みたい。うまいボルドーほんとうまい。

 

2022年1月のうきうきワインの玉手箱の中身4:トラヴァリーニ ガッティナーラ 2017

さらに続くトラヴァリーニ ガッティナーラ 2017も非常に良かった。アルト・ピエモンテネッビオーロで、少し暗い印象のなかにかわいらしい果実感、朝露に濡れた薔薇園みたいな香り、ピアノの鍵盤の右端を叩くと出る音みたいな酸味も備わっていてめっちゃ好みだったのだった。

まったく関係ないのだが、ピアノの鍵盤が左が低音、右が高音なのは、右耳のほうが高音を感知しやすい説、右利きが多いため伴奏が多い低音は左、旋律を奏でる高音は右に配したほうがやりやすい説などあるそうです。へー。

というわけでうきうき玉手箱軍vs2750円の勝負は2勝1敗1分けとなった。残るは2試合だ。

 

2022年1月のうきうきワインの玉手箱の中身5:カテナ マルベック2019

続いて登場するのはカテナ マルベック2019。

価格は2332円でこれもなんていうかこう、値段相応に無難においしいよねというワインで、突出した印象は受けなかった。2750円払って自分では買わない。ごめん。これにて対戦成績、まさに5分と5分で千秋楽に突入だ。

 

2022年1月のうきうきワインの玉手箱の中身6:ドメーヌ・コルディエ・ペール・エ・フィス プイィ・フュイッセ・ヴィエイユ・ヴィーニュ2019

勝てば勝ち越し、負ければ大関陥落的緊張感のなかで勝負の行方はドメーヌ・コルディエ・ペール・エ・フィス プイィ・フュイッセ・ヴィエイユ・ヴィーニュ2019に委ねられたのだがこれはさすがに5698円のワイン。楽勝だった。めちゃくちゃおいしかった。

初日はメロン味。翌日は黄金の蜜味で今年自宅で飲んだ白ワインではこれが今のところNO.1。大満足だった。5000円を超えるワインでおいしくないのってあるんですかね?

himawine.hatenablog.com

 

うきうきワインの玉手箱赤白6本入り福袋の総合評価

ともかく最終結果は3勝2敗1分。この福袋は「買って得した」ということになる。仮にザ・クラッシャー シャルドネを負け判定にしたとしても、3勝の中身が非常にいいので「得」と言える。デイリーワイン3本と、ちょっと特別なワイン3本という構成も全部飲んでみればすごくちょうど良かった。

というわけで、うきうきワインの玉手箱1万5000円赤白6本セットは満足度が高かった。なにしろ1本2750円相当だから、出し惜しみせずに「飲める」のが非常にいい。また買お。

今回のスーパーセールでは赤白6本福袋は残念ながら販売なし。赤5本とかがあります↓

3万円赤白10本というのもある↓

リカマン系列のスーパーセール開始28時間限定福袋もアツそう↓

 

 

うきうきワインの玉手箱「シャンパーニュ福袋」を去年と今年で比較! お得度は?

うきうきワインの玉手箱のシャンパーニュの福袋を買った

2022年5月1日、ひさしぶりに毎月1日限定で発売される「うきうきワインの玉手箱」の福袋を注文した。1万1000円送料無料で、毎月1日は楽天の1000円オフクーポンが発行されるため、購入価格は1万円。赤3本、白3本、シャンパーニュ3本のコースが選べるが、私が選択したのはシャンパーニュ3本のコースだ。

「うきうきワインの玉手箱」の福袋名物、3本入りの段ボール箱

前回この福袋を購入したのは約1年前の2021年4月1日。福袋の中身の定点観測的なこともできるな〜と思っての購入なので、まずは昨年の福袋になにが入っていたかを確認してみよう。こんな感じだった。

himawine.hatenablog.com

アンリオ ブリュット スーヴェラン 4818円
ジョセフ・ペリエ キュヴェ ・ロワイヤル 5197円
ビルカール・サルモン ブリュット・レゼルヴ 6578円

総額は1万6593円。うーん、いいラインナップ。アンリオ以外は飲んだことがなかったこともあって、かなり当たり感があるなと感じたのを思い出す。

 

うきうきワインの玉手箱のシャンパーニュの福袋【1本目】

今回はどんなラインナップなのか。いざ、お楽しみのボックスオープンをスタートしよう。まずはこちら!

パイパー・エドシック エッセンシエル エクストラ・ブリュットが1本目でした

1本目は、パイパー・エドシックのエッセンシエル エクストラ・ブリュットが出た。公式サイトによればピノノワール47%、ムニエ31%、シャルドネ22%で、リザーヴワインを18%使って最低4年熟成させ、残糖は5g/Lだというこのワイン、うきうきでの価格は4939円。まずは無難な立ち上がりという感じだ。

vivinoの評価は4.0と高い。楽しみ。

購入価格1万円でいきなりその半額相当のワインが出たので普通はもっと喜びそうなものだが、私は脳がすっかりうきうきナイズドされているため、これくらいでは驚かなくなってしまっている。もっと、もっと刺激をくれ……(ヤバい)。

 

うきうきワインの玉手箱のシャンパーニュの福袋【2本目】

というわけで続けて2本目にいってみよう。出てきたのは……ジョセフ・ペリエ キュヴェ・ロワイヤル(2年連続2回目)! またお前か!

2本目はジョセフ・ペリエ キュヴェロワイヤルでした

いやもう、もちろん素晴らしいシャンパーニュなんだけれどもカブりはカブり。1年の時を経て見事に2回のツモで対子(麻雀用語)が完成するというヒキの強さを見せつけたのだった。

vivinoの評価は3.9。

うきうきでの販売価格は昨年と変わらず5197円で、パイパー・エドシック エッセンシエル エクストラブリュットと合わせて1万円を超えてきた。最後の1本で今回の福袋の満足度が決定される流れになってきたぞ…!

 

うきうきワインの玉手箱のシャンパーニュの福袋【3本目】

最後、運命の3本目はなにが出るのか。いざ、箱の中から引っ張り出してみよう。えいっ!

君の名は…?

なんかすごいの出た。

ボックスのなかにボックスが入っているという入れ子構造。箱にはニコラ・フィアットって書いてあります。でもこの状態では中身がなんだかよくわからないので再度ボックス内ボックスオープンを敢行してみよう。

箱の中身は…

なんじゃろな

というわけで出てきたのはニコラ・フィアット コレクションヴィンテージ フレンチシック・エディションだった。うきうきの商品ページによれば、ヴィンテージは2010のようだ。

「ニコラ・フィアット コレクションヴィンテージ フレンチシック・エディション」というものでした

うきうきの説明よれば、特級・一級畑を含めたクリュからのピノ・ノワール33%、シャルドネ33%、ムニエ33%をブレンドしたという1%の不足が妙に気になるシャンパーニュ

参考までに、コレクションヴィンテージ2010はvivino評価4.3でした。

最低熟成期間7年とのことでいやもう十分すごいワインなんだろうけどなんかこう、箱を若干持て余す感がなきにしもあらずだ。

お値段5665円。贈答用感がすごいが、考えてみるとワインを持っていくのに使えそうだなこの箱。ワイン3本+シャンパーニュが入る箱、と考えるとお得度がアップする感なきにしもあらず……!?

 

2022年5月うきうきワインの玉手箱シャンパーニュ福袋まとめ

というわけで2022年5月のうきうきワインの玉手箱1日限定福袋の開封が終わった。改めて、ラインナップをまとめておこう。

パイパー・エドシック エッセンシエル エクストラ・ブリュット 4939円
ジョセフ・ペリエ キュヴェ・ロワイヤル 5197円
ニコラ・フィアット コレクションヴィンテージ フレンチシック・エディション 5665円

総額は1万5801円。前回が1万6593円だったので、総額ベースだと少しダウンという感じになった。個人的にはすべて飲んだことのある生産者だったので、なにか新たな発見があるとなおよかったばあという印象で、満足度100点満点でいうところの70点台後半くらいの感じだろうか。それでも損した感じはもちろんまったくないのがうきうきクオリティだ。

ただ、とくにニコラ・フィアットの2010は楽しみだ。私がワイン会でこの箱からワインを取り出したらみなさん「あのときの箱だな」と思ってください。

 

himawine.hatenablog.com

himawine.hatenablog.com

 

 

 

ワインのコミュニティってなにやるの? 醸造家とブロガーではじめてみた

ワインコミュニティ企画「Nagiさんと、ワインについてかんがえる。」とは?

ドイツで醸造家として活躍するお友だちのNagiさんと私・ヒマワインとで新企画「Nagiさんと、ワインについてかんがえる。」をスタートした。

同名のツイッターコミュニティを中心に、YouTubeLive、Twitter Spaceなどを駆使してワインについてあれこれ話しましょうという企画だ。

Nagiさんはドイツで働く醸造家。ガイゼンハイム大学を卒業し、800年続く醸造所で醸造長を務めるすごい人だ。対して私はそのへんの大学を卒業、はてなブログで2年続くワインブログの管理人……と若干レベルが違う感じがしないでもないが、Nagiさんの高度な話を一般民衆レベルに引き下げるお気楽ナイズド要員としてがんばりたい。

 

ワインコミュニティ企画「Nagiさんと、ワインについてかんがえる。」ざっくり中身

サブテーマは「醸造家の12カ月」。ひとまず全12回を予定しているYouTubeライブでは、その時々にNagiさんが直面している作業内容ともリンクさせながら、栽培、畑、醸造といったテーマを語ってもらう予定になっている。

第一回は2022年6月5日開催

よく聞くワードだけどテロワールってそもそもなんなんすか? みたいな話から、野生酵母と乾燥酵母の違いって? みたいなちょっとマニアックな話、そもそも発酵ってなに? といった「そこからかよ」みたいな話もしてもらいたいなーと思っている。Nagiさんが呆れずに付き合ってくれればだけど……!

 

ワインコミュニティ企画「Nagiさんと、ワインについてかんがえる。」どんな人向け?

さてこの企画、どんな人に向けた企画なのか。ざっくりのペルソナは以下のようなものだ。

・ワインの勉強をしたいけど、スクールに通うのはハードルが高いと感じる人

・ワインについて深く知りたいけど、周りにワイン仲間がいないという人

・ワインの栽培、醸造といったプロの現場に興味のある人

といったところ。つまり、ほぼワインを飲み始めたころの私といった感じだ。

ワインを飲み始めたころの私には、知識も、友人も、プロの話を聴かせてもらえる環境もなかった。根がド怠惰なので資格取得を目指そう! という意欲もなかった。

仕方がないのでひたすら目の前のワインを飲み、それについて調べたことをブログに書いていたら幸いなことにワイン会などにお声がけいただけるようになり、友達が増え、Nagiさんのようなプロフェッショナルとの知遇も得ることができた。

Nagiさんと知り合った日の記事がこちら↓

himawine.hatenablog.com

こうなるとハイパーワイン楽しすぎモードに突入して人生が楽しくなってしまう。その過程を、この企画を通して再構築できたら最高だなあと思う次第だったりする。

Nagiさんはワインの現場に身を置く方。実際に土に触れ、ブドウを栽培し、ワインを造らなければわからないことを、ワインの本場・欧州基準で教えてもらえるのがうれしい。

 

ワインコミュニティ企画「Nagiさんと、ワインについてかんがえる。」参加方法

楽しみ方・参加方法に関してだが、月に1度開催予定のYouTube、そして同じく月に1度開催予定のTwitter Spaceはどなたでも参加可能。YouTubeチャンネルはまだ1本の動画もアップロードされていない状態だが、ぜひチャンネル登録していただけたらありがたい。

www.youtube.com

Twitterではコミュニティ機能を有効活用したいと考えているので、そこに質問などを送っていただいた場合、YouTube、Spaceいずれかで回答できるような仕組みにしていきたい。通常のタイムラインではハッシュタグ #ワインについて考える を使っていきたいと運営サイドは考えている。

コミュニティ限定配信とか、コミュニティメンバー限定飲み会とかもぜひやりたいなあと思っているので、こちらもぜひご登録いただきたいところ。Nagiさんが帰国するであろう年末にみんなで乾杯したいんですよ。

 

ワインコミュニティ企画「Nagiさんと、ワインについてかんがえる。」とSpace

Spaceに関してだが、基本的にはNagiさんと私のみが語る形式なので、突然スピーカーに指名されるといったことはない。Nagiさんと私をフォローしていない、なんの絡みもないといった方でもまったく問題なくご参加いただけるので、その点ご安心いただきたい。コミュニティには参加したいがコミュニケーションはとりたくないという方でもオッケーだ。その気持ちわかる。

そんなこんなでハードルは極めて低いが、参加することで得られる情報は有意義というコミュニティを目指していきたいと個人的には思っている次第。楽しみだなあ。なによりこの企画をもっとも楽しみにしているのが私だ。私には知的好奇心満たしオタ、みたいなところがあるのでNagiさんにガンガン質問しまくれる環境は最高だ。

ワインは一人で飲んでもおいしいし、みんなで飲んでもおいしいが、とにかく知れば知るほどおいしく感じる不思議なお酒。まずは6月5日21時からの第一回配信をご覧いただけたら幸甚だ。ワインがもっとおいしく感じられるような面白い話を聞き出せるよう、「聞き役」としてがんばりたい次第である。

www.youtube.com

himawine.hatenablog.com

 

「Tasting SOUTH AUSTRALIA2022」行ってみた! なにが飲めた?

Tasting SOUTH AUSTRALIA2022に参加した

Tasting SOUTH AUSTRALIA2022、なるイベントに参加した。オーストラリア大使館商務部などが主催するイベントで、「魅力あふれる南オーストラリア州の魅力を丸ごとご体験いただける」イベントなのだそうだ。

誰でも申し込める感じでした。

ツイッターで情報が流れてきて即登録、行った。という流れなのだが、情報源がどなただったかを失念してしまった。素晴らしい情報を感謝したい。というのもこのイベント、端的に神イベみたいに言っていいやつだったと思う。

会場はアンダーズ東京52階のルーフトップテラス&スタジオとかいう、バルコニーに出れば東京タワーを含む東京の街並みを眼下に見下ろせるこの季節に最高のロケーション。にも関わらず入場料はなんとここだけの話無料だっていうわけなんですよ奥様。しかもグラスワイン1杯250円からだっていうわけなんですよ。アンダーズ東京で1杯250円以下で口にできる飲料、水道水以外ないんじゃない? ってレベル。

しかもこう、なんてういうかどこか商工会議所主催イベントみがあり、ガワはラグジュアリーなのだが、中に入ってしまうとすごく気軽に楽しめるイベントなのだった。最高すぎるんだよね。

会場内では入り口で購入可能な4枚綴1000円のチケットを使って飲食ができるという仕組み。仕事帰りに軽く3、4杯飲んで帰ろう一人だし、ということで2000円分のチケットを購入。いざ虎ノ門に出現した南オーストラリア州に分け入ってみた。

 

Tasting SOUTH AUSTRALIAでオーストラリアのプロセッコを飲む

雨上がりで蒸し暑い5月下旬のこの日、19時のタイミングでまず飲みたいのはやっぱり泡だ。私の少ない経験ではオーストラリアの人はビールが大好きという印象があり、ビールを出展しているブースもあるのだが、私はワインに肝臓を捧げた者。狙うはひとつ、スパークリングワイン。

と、見つけたのが「プロセッコ」と書かれたワイン。オーストラリアなのにプロセッコ!? という意外性に惹かれてまずはこれを頼んでみた。

ヒザー・アンド・ヨンのプロセッコをまずはチョイス

ヒザー・アンド・ヨン(H&Y)という生産者のワインで、調べたところオーストラリアでは品種名としての「プロセッコ」を使用したスパークリングワインのラベルに「プロセッコ」という“品種”を表記して売ることがあるんだそうだ。うーん、したたか。

ただ、飲んでみるとこれがすごくスッキリした酸味があっておいしいワインだった。圧の強い人にこれはレモンが原料のお酒ですと力説されたらうっかり信じちゃいそうなほど酸味が主体のスパークリングワインでおいしい。

 

Tasting SOUTH AUSTRALIAでジム・バリー「ザ・フロリタ リースリング」を飲む

東京タワーを眺めつつ、夜風に吹かれてさっぱりした泡を飲み、早くも非常に気分がいい。次は白なんかいただきたいですね、と向かったのはジェロボームのブース。存じ上げなかったのだが話題のショップ、セラードア青山はジェロボームの直営ショップ&レストランなのだそうで、ブースにはセラードア青山のソムリエの方が立って説明をしてくれた。

オススメしていただいたのはジム・バリーという造り手のリースリング。産地はクレアヴァレーで、南オーストラリアのなかでも冷涼な産地のひとつなのだそうだ。3000円(ロッジ・ヒル/グラス1杯250円)のものと6000円(ザ・フロリタ/グラス1杯500円)のものがあり、頼んだのはシングルヴィンヤードだという6000円のほう。

ジム・バリーのリースリング2種。どちらもおいしい。

「ブラインドだと、ドイツのいいやつ…? みたに思われる方が多いと思います」とのことだったが飲んでみるとピッシー! とした酸味がグラス全体を突き刺していて、たしかにこれをオーストラリアだと思うことはできないと思う。

すっぱさの裏側にしっかりとした果実味があり、隠し味レベルでのトロピカルさもあったりしてこれはかなりおいしい。中華とかエスニックとかと合わせてみたいイメージだ。カニとか。カニ食べたい。

ちなみにチケット1枚で飲めた3000円のほうも飲んでみたのだが、こちらは酸味が突出しておらず、味わいが整った優等生的リースリングだった気がした。セラードア青山、なんだかんだで行ったことないので早く行きたい。

 

Tasting SOUTH AUSTRALIAでフォースウェイブワイン「ワイルドフォーク・シラーズ亜硫酸無添加」を飲む

泡白と飲んできたので次は赤でしょうということでいい具合に酔いが回った状態で会場を徘徊、Vai&company Ltdのブースにたどりついた。そこで頼んだのはフォースウェイブワインの「ワイルドフォーク・シラーズ亜硫酸無添加」。

フォースウェイブワインの「ワイルドフォーク・シラーズ亜硫酸無添加」(写真中)。同ブランドのピノ・ノワールも飲めばよかったなー!

産地は南オーストラリアのっていうかオーストラリアの代表産地のひとつと言ってよさそうなバロッサヴァレー。ここまで飲んできたのとは一転、これは暖かい産地の感じがするアルコール度数14%、果実味たっぷりのワイン。

SO2無添加で野生酵母発酵、無濾過無清澄のいかにも自然派という造りながら、味わいはクリアでキレイな感じ。もう気持ち酸があると私の好みのど真ん中なのだが十分以上においしい。友だちとの飲み会のテーブルの真ん中にドシンと置いておきたい素晴らしいワインだ。これも買いたい。

いやなんかこう、各社エース級を投入してる感じがあってなにを飲んでもおいしいな。いいイベントだ。すでに来年もまた行きたい。来年になんねえかなもう。

 

Tasting SOUTH AUSTRALIAでペンフォールズ「BIN128/28」を飲む

さらに、続いて向かったペンフォールズ(日本リカー)のブースに至っては驚異の無料テイスティングなわけですよ。小さいプラカップにたぶん10ccとかではあるけれど。しかも6000円と6500円のワインを飲み比べさせてくれたはい神。

飲んだのはペンフォールズのBIN128クナワラシラーズとBIN28シラーズ。BINは「Budge Identification Number」の略称なのだそうで、セラーの区画番号を表すとのこと。

こちらは無料でテイスティング。ありがてえ。

品種は両方ともシラーズ。「ペンフォールズの特徴は、複数の地域のブドウをブレンドして造ること」だと教えてもらったが、BIN128は単一産地で、冷涼産地だというクナワラ産のブドウが原料。28はヴァロッサヴァレーを中心に複数リージョンのブドウがブレンドされているそうだ。

ザックリ128が冷涼、28が温暖な地域のブドウで造られたワインで私の好みは強いていえば28。冷涼産地のエレガントなシラーもおいしいが、温暖な産地の果実味ボヨヨンなシラーズもおいしい。おかしいな、だんだん南オーストラリア州が大好きになってきたぞ……(主催者の術中に自らハマりにいくスタイル)。

いよいよ手持ちのチケットも残りわずかになってきた。シメの1杯を飲んでラーメンでも食べて帰ろ。と思いつつ歩いていると、まだ見ていないブースがあった。

 

DAOSA ブラン・ド・ブラン2016の衝撃

コロニアルトレード、というインポーターのブースで、なんでも泡がイチオシなのだそうで、ワインクーラーにマグナムボトルが冷えている。シメが泡も一興、ということでこれをオーダーしたところこれがやべえやつだった。

本日のやべえやつがこちら

とにかくちょっと異常にうまい。この日のワインはすべて小さめのプラカップで供されていたため、正直香りをとるとかそういうのは全然できない感じだったのだがこのワインは小さなプラカップの液面から香りがガツンとやってくる。くだものが詰まった段ボールの箱を開けたときみたいな感じ。

そして異様にうまい。こんな味わいが濃厚なブラン・ド・ブランを飲んだのは初めてなんじゃないかレベルで、うまみの絶対量がとにかく多い。これ年間ベストを争うレベルじゃないの……?

担当者の方(外国の方と思しき方)にこれは一体なんなんすかと興奮気味に尋ねると、このワインは「ボランジェがオーストラリアで造るワイン」なのだそうで、シャンパーニュと同じ規定で造られており、ヴィンテージワインだから5年熟成を経ているとのこと。品種も尋ねてみたところ「ブラン・ド・ブラン。」という回答。シャンパーニュと同じに造っていて、ブランドブランだっつんってんだからシャルドネ一択でしょうが、ってことだと思う己の不明を恥じたい。

 

DAOSAとボランジェ、クリスチャン・ビゾーとグザヴィエ・ビゾーの物語

ここからちょっと長くなるので興味のない方は次の小見出しまで読み飛ばしていただきたいのだが、後日調べたところこのワインは、ボランジェのオーナー一族のひとりで5代目当主であるクリスチャン・ビゾーの息子のグザヴィエ・ビゾーが手がけるブランド。

ザ・ドリンクビジネスドットコムの記事によれば、そのアプローチは単独ヴィンテージ、単独畑、ブラン・ド・ブランにこだわった、「シャンパーニュにおけるサロンに相当するブランド」なんだそうだ。オーストラリアのサロン(的なものを目指しているブランド)だった。

https://www.thedrinksbusiness.com/2012/12/bollingers-bizot-produces-salon-equivalent-in-australia/

畑はアデレードヒルズのピカデリー・ヴァレーにある「ビゾー・ヴィンヤード」。グザヴィエの父、クリスチャンが自分のファミリーネームを冠した畑であることからも、気合の入り具合がわかる。シングルヴィンヤードなので、生産量は年間わずか2500本だそうだ。

「横ラベル」に詳しい情報が書かれているのも嬉しい。瓶詰め2017年、デゴルジュマンは2020年。

この地にはもともとスパークリングワイン用のシャルドネが植わっていて、その土地をクリスチャンが取得。元の持ち主の娘と結婚したグザヴィエが、2002年にクリスチャンが亡くなったあとで引き継いだのだそうだ。なんかこう、血縁の因果が詰まりに詰まったような感じがするなビゾー・ヴィンヤード。

「○○○○(有名ブランド)が××××(新大陸の国名)で手がけるワイン」って無数にある感じがするけど、そのなかでも現地への根ざし方のレベルが違う感じがする。グザヴィエ自身は現地でテッレ ア テッレというワイナリーを営んでスティルワインもリリースする一方、メソッド・トラディショナル製法をメソッド・クラシックとして商標登録し、オーストラリアに普及させる旗振り役もしているようだ。すごい開拓者感あるなグザヴィエさん。いつかお会いしたい。

さて、今回飲んだキュヴェ名のダオサはグザヴィエの父クリスチャンがシャンパーニュ以外への投資用に設立した会社の名前で、インドの都市の名前に由来するそうだ。ファミリーネームを畑につけて、自分の会社の名前をキュヴェ名にすることからもなんか思い入れを感じるわけなんですよ。

ボランジェ同様樽発酵、マロラクティック発酵を経て樽とタンクで熟成。残糖が5g/Lのようだ。味わいは複雑そのもの。多様な香りと多様な味がして、少なくともシャンパーニュ地方以外の瓶内二次発酵のスパークリングワインとしては圧倒的に過去ベストだった。

長々と書いてきたが、みなさん「DAOSA(ダオサ)」って知ってましたか? 「えっ、まさかガチで知らなかったとかじゃないよな?」みたいにみなさんが思う有名ワインだったら恥ずかしいのだが正直に申し上げて私は知らなかった。世界にはすげえワインがあるもんだ。

 

Tasting SOUTH AUSTRALIA2022を終えて

というわけで話はアンダーズ東京52階に戻る。DAOSA ブラン・ド・ブラン2016を飲んでチケットは尽きた。

さて帰るかと52階から51階に降り、さらに1階へと降りて私は思った。「飲み足りん」と。それくらいおいしかったんですよDAOSA ブラン・ド・ブラン2016。というわけで1階から51階、51階から52階へと舞い戻りチケットを再び購入、再度同ワインを味わって帰路に着いたのだった。

音楽フェスに足を運んでとくにお目当てを定めずにダラダラしていると、思いがけずお気に入りのバンドに出会えたりするものだが、これほんとそれだった。来てよかった。(楽天Amazonでは取り扱いがないので気になる方はコロニアルトレードのショップをチェックしてください。ただしVTは2015。私が飲んだのはマグナム2016)

ダオサの衝撃がすごすぎてしまってあれなのだが、オーストラリアのプロセッコも良かったし、その後飲んだジム・バリーのシングルヴィンヤードのリースリングも素晴らしかったし、フォースウェイブワインの自然派シラーズも、ペンフォールズのBIN128/28もいずれもとってもおいしいワインだったのだった。

来年も絶対行きたいなこれ。改めて、素晴らしい情報に感謝オブザ感謝である。

 

 

ルイ・フラマンド スパークリングワイン。成城石井のくじで当たったワインを飲んでみた

成城石井のワインくじを買ったらルイ・フラマンドが当たった

成城石井のお楽しみスパークリングワインBOXを購入したところ、ルイ・フラマンド、というスパークリングワインが当たった。

himawine.hatenablog.com

くじの購入価格は2079円で、ルイ・フラマンドの価格はラインナップ内最安値、いわゆる末等の2189円。110円お得……というか事実上の惨敗だったのだがせっかくなのでこのワインについて調べてみることとした。

 

ルイ・フラマンドとルイーズ・デストレの関係

しかしながら「ルイ・フラマンド」で検索して出てくる情報はほぼ皆無と言っていい。なので、ボトルに記載された情報から正体を探っていくほかないのだが、ラベル裏の小さい文字を見てみると「ルイーズ・デストレ プロデュース」みたいなことが書いてある。

ルイーズ・デストレ プロデュースとは…?

ルイーズ・デストレといえば、ベー・フランソワ・ブリュットなどと並んで成城石井ワインくじの代表的なハズレ銘柄のひとつ。私も当然のごとく過去に手に取ったことがあるのだが、そのワインについて深堀りはしていなかった。今回同様調べても情報が出てこなかったからだ。

改めてルイーズ・デストレについて調べ直してみると、その生産者は「マルセル・マルタン」とある。その名前を検索窓に入力すると、出てくるのはWINE BOWというこれはたぶんワイン商社というかディストリビューターというかっていう複数のブランドを集めて海外に輸出する会社みたいなのがヒットする。

サイト内をあれこれ調べると、どうやらマルセル・マルタンはロワール地方のアンジュー、トゥーレーヌ地域に30ヘクタールの畑を持つ生産者なのだそうだ。一応自社ブランド的なものもあるようだが、基本的にはOEM品の生産とかが中心の生産者っぽい感じがする。OEM中心であれば自社サイトがないのも納得。

 

ルイ・フラマンドと成城石井ワインくじ

とにかくルイ・フラマンドに関しては情報がなく、残念ながら憶測情報が中心となってしまった。ワインボウ社傘下の生産者であるマルセル・マルタン麾下のブランド、ルイーズ・デストレのさらに派生ブランドみたいなイメージで、なんともいえない孫請け感が趣深い。がんばれルイ・フラマンド。

ルイ・フラマンド スパークリングワインを飲みました。

というわけでこのワインに関しては使用品種すらわからない。なにしろ「ルイ・フラマンド 成城石井」で検索するとトップに表示されるのは私のブログという有様。公式情報マジでない。

蛇足ながら、成城石井のワインくじ当選品最安値の一角を占めるワインに「エフ・ラヴェルニュ」というものがあるが、これもルイーズ・デストレプロデュース銘柄だ。成城石井のワインくじでルイーズ・デストレ、ならびにマルセル・マルタンの影響がことのほか大きいことがわかった、というのが今回の調査の収穫と言えるかもしれない何の役に立つのかは知らないけど

マルセル・マルタンが造る瓶内二次発酵のワインは、それぞれなにかしらの違いをもって、ルイーズ・デストレ、ルイ・フラマンド、エフ・ラヴェルニュといったラベルを貼られて海を渡り、成城石井の「ワインお楽しみBOX」の箱に入れられて、手に取られるのを待っているのだろう。そのうちのひとつが今般私の家にやってきたルイ・フラマンドちゃんだと思えば愛着も湧いてくるというもの。

ロワールのワインなのは間違いないので品種はあるいはシュナン・ブランとかなのだろうか。ただ、クレマン・ド・ロワールは名乗れていないので、クレマン・ド・ロワールの規定である手摘み収穫であることと12カ月以上澱に触れた状態での熟成といった条件はおそらく満たしていないのだろう。

引き続き調査は継続するのだが、結局のところなにかを断定するに足るような情報は集まらなかった。成城石井に問い合わせてみたところ、現地に問い合わせる必要があるため時間がかかるとの返答のあと、一週間待って続報がない。というわけでもう飲んじゃいましょう。(返答がもらえたら追記します)

 

ルイ・フラマンド スパークリングワインを飲んでみた

というわけでグラスに注いでみると、グラスからはさわやかなりんごの香りが漂ってくる。香りは良いのだが色は薄く、泡立ちは弱い。そしてその味わいは薄め。かなり薄い。全体的にアクエリアスを飲んでいるような印象だ。

vivinoの評価は3.2。まあそうだよね。

一方、ドライで苦味もないためイージー・トゥ・ドリンク具合では過去最強レベルかもしれない。暑い日ガブガブ系。プールサイドガブ飲み泥酔注意系。

このワインを自分で買うかと問われれば、下手すると同じ値段でシャンパーニュが買えてしまうわけだし正直微妙。ただ、おいしくないこともまったくなく、普通に飲んで楽しめるスパークリングワインであることもまた事実だ。

というわけで、ベー・フランソワ・ブリュットといい、ルイーズ・デストレといい、今回のルイ・フラマンドといい、成城石井のワインくじは外れてもちゃんとおいしい。のだけれどもそろそろシャンパーニュが当たらないかなー!

 

お友だちのNagiさんと新企画やります!

お友だちでドイツで醸造家として活躍しているNagiさんと、「Nagiさんと、ワインについてかんがえる。」という企画を立ち上げました。

とはいえやることはまだほぼ決まってない状態(笑)。5月28日土曜日17時からのキックオフミーティングで詳細を決めていきたいと思っています。ぜひ、ご視聴ください!

「Nagiさんと、ワインについてかんがえる。」コミュニティはこちらから↓

https://twitter.com/i/communities/1529754132097245184