KRAEMER ブラン・ド・ブランはどんなワインか
なんでも酒やカクヤスの500円泡を飲むシリーズも早3回目となった。今回はフランス、ロワールからやってきたヴァン・ムスー、「KRAEMER」を飲んだ。
裏ラベルを見るとこのワイン、グループGCFのプロデュースとあり、GCFってなんじゃろなと調べると、GRANDS CHAIS DE FRANCE、という企業のようで、wikipediaによれば「ワイン製造とワインスピリッツの輸出量においてフランスを代表するグループであり、2番目のフランスの商人です」とのこと。
でもってそのサイトで「KRAEMER」を検索しても情報なし。大企業あるある。輸入元のサイトでも見つからず、カクヤスのサイトですら見つけられない。わたしが飲んでいるのはまさかマボロシ……? といぶかしんでいるとなぜかミルウォーキーのワインショップのサイトが詳細な説明をしていた。ありがとう、ミルウォーキーのワインショップの人。
ヴーヴ・クリコは旨い。ただし、火曜日の夜に飲むワインじゃない
そして、そのミルウォーキーのワインショップの人の文章力がなかなかのものなので、その冒頭部分をご紹介したい。
あなたはシャンパーニュをいつでも飲める?
もちろん、飲める。
じゃあ、なぜそうしない?
価格だよね。そう、ヴーヴ・クリコは旨い。でも40ドル以上する。そう、たぶん火曜日の夜に飲むワインじゃない。
なんというんでしょうか、村上春樹みがあるというか、ハリウッドのB級映画の会話っぽいというか、絶妙な文学性がある。「たぶん火曜日の夜に飲むワインじゃない」を決め台詞にしたくなるレベル。
「このワインは最高さ、ただ、火曜日の夜に飲むワインじゃない」。うーん、カッコいい。いつ使うのかは知らん。
こんな感じの説明文がわりと長々と続いていくのだが、それによってわかることは少なく、
・シャンパン製法じゃない
・使用ブドウはシャルドネ
ということくらい。とにかく値段に対しておいしいよ! ということを全筆力を投入して読者に伝えようとしている。このワインショップいつか行く。
KRAEMERブラン・ド・ブラン飲んでみると
実際に飲んでみると、香りは弱め、色は薄め、味はさわやか。特徴のなさが特徴といえそうな印象。
ただ、さっきのミルウォーキーの人によれば、青リンゴと焼きたてクロワッサンのノート、蜂蜜とバターの香り、スイカズラやジャスミンのタッチ、みたいなことだそうです。すげえな、ミルウォーキーの人の表現力。
それに対して私の感覚器が受信できたワインからのメッセージが「さわやか」だけなのが残念だ。静岡のハンバーグ屋かよ。
しかし、特徴がないのは悪いことじゃない。アルコール度数11%と低め、そしてなんといってもワンコインなこともあり、暑い日の食前酒に1ミリのためらいもなく抜栓するのにピッタリ。ちなみにミルウォーキーのワインショップでは6ドル99セント。カクヤスマジカクヤス。
このワインは最高のワインじゃないかもしれない。ただ、火曜日の夜に飲むワインとしては最高さ。
みたいなことをモゴモゴつぶやいて、今夜、残りを飲み干す予定です。今日は月曜日だけれども。