ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

2020年5月に飲んでおいしかったワインBEST3とワインでしあわせになるための方法についての私見

2020年5月は21本のワインを飲みました。

2020年5月、東京は新型コロナウイルス感染症の拡大にともなう緊急事態宣言下にあった。都民には外出自粛が求められ、わたしも毎日乗っていた通勤電車に別れを告げて自宅で仕事をしていた。

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今月もワインが大変おいしかったです。

そんななか、飲んだワインは21本(多くはブログで取り上げたが、取り上げなかったものもある)であり、そのほとんどが1000〜2000円台のデイリーワインだった。購入総額は3万5000円くらいで、予算は3万円だったのでやや赤字だが、これは予算が悪かった。来月からは3万5000円で行こうと思います。

月初に購入したワインのまとめがこちら↓

himawine.hatenablog.com

と、ここでいきなり脱線するのだが、数年前まで私は1日2杯の酒を飲み、肴はとくにこだわらず、マイクが来たならほほえんで、オハコをひとつ歌うだけ、みたいなつつましい日本酒&ビール飲みだった。その当時飲んでいたのは四合瓶で1000〜2000円台の純米吟醸が中心であり、それを安酒と私は認識していなかったにも関わらず、いま1000円台のワインばかりを飲んでいる自分に対しわたしは、自分安ワインばっかり飲んでやして、へへへ、すいやせんね、みたいな自嘲的・自虐的気分を抱いている。しかし、それは大きな間違いではないかと思うようになってきた。

昔、とある尊敬する作家と偶然酒席をともにした際、その作家はこう言った。
「なんでもかんでも最高を求めるからダメなんですよ。みんなもっと低いほうがいい。最高裁判所があるんだから、最低裁判所もあったほうがいいんですよ」
それを聞いて私はこう思った。「なにを言っているのかわからない」と。しかし、同時に深く感動してもいた。なにを言っているかわからないけどとにかく感動した。前を向き、上を向くことを己に課し続ける人生はときに窮屈だからだ。ワインだってしかりで、上を見ればキリがない。1000円台のワインでも十分にしあわせになれる、その喜びを噛みしめるべきなのだ五大シャトーとか飲んでみたい(本音)。

1000円台のデイリーワインだからといってテキトーに造られているわけではない。エントリーモデルとして飲みやすさに特化していることも多いためむしろユーザフレンドリーなiPhoneSE的な良さがあることも多い気がする。というわけで、デイリーワインも最高だけど、いつかはいいワイン飲みたいな〜と100万人のワイン好きがいたら99万7800人くらいが言いそうなことを言って、今月飲んだおいしいワインを紹介するという本来の趣旨に戻る。

ブリュット・ダンジャン・フェイ

まず挙げたいのがシャンパーニュのブリュット・ダンジャン・フェイだ。ワインショップソムリエの白泡くじの末等、そのなかでも売価がもっとも安い、(そのワインくじのなかでいえば)まさしく最低レンジの景品であったが、そこはさすがシャンパーニュ。週末に近所イタリアンでテイクアウトした料理の数々と合わせると言った緊急事態宣言下の緊急事態シャンパーニュとして見事な役割を果たしてくれた。

ブリュット・ダンジャン・フェイの生産者のいる村のオブジェが最高↓

himawine.hatenablog.comまた飲みたいというか、また同じくじを引いた場合に当たるんじゃないかという気がなぜかしているワインだ。そのときには、私は親しみを込めてこう言いたい。「またお前か」と。

カイケン ウルトラ マルベック

続いては、エノテカの5月の送料無料ワインだったアルゼンチンの赤ワイン「カイケン ウルトラ マルベック」を挙げたい。エノテカの赤ワインくじを買う際に、1本から送料無料商品だという理由だけでテキトーに選んだ1本だったのだが、当該くじで当たった5000円台のワイン「クラレンドル・ルージュ サンテミリオン」よりもむしろ印象に残った。

himawine.hatenablog.comちなみに飲んだ第一印象は「このワイン、ブドウの味がする」という肉を食べて「肉の味がしておいしい」というレベルの自分でもガッカリする知能が残念なものだったのだがそれくらいストレートにおいしかった(ウェルチ感がある、と書こうとしてさすがにやめたということをここに告白しておきますね)。

いちばん印象に残ったのは「76シャルドネ」でした

そしてベストは南アフリカの白ワイン「リントンパーク 76シャルドネ」だ。これは抜群においしかった。

himawine.hatenablog.com

「76」という数字に込められた深い意味に思い馳せながら飲んだこともあったのかもしれないが、悲しい歴史を名に冠しながら味わいは超華やかっていうギャップにもやられた。おいしかったなぁ。購入価格1584円はお得すぎた。ジューシーとかジャミー的な意味で蜜っツィー(ミッツィー)で。また飲みたいワインだ。

さて、本稿は題名に「ワインでしあわせになるための方法」と記したが、その答えはすでに自明だ。ワイン初心者がしわわせになるためには、まずハードルを下げること、そしてその低さを愛することである。yes! 高須クリニック。yes! デイリーワイン。6月は果たしてどんなワインに出会えるのだろうか。楽しみすぎるぜ。