ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

2020年9月に飲んでおいしかったワインBEST3をまとめてみた。

2020年の9月もおいしくワインを飲んだ。飲んだワインにハズレはなく、どれもこれも美味しかったのだが、ていうかなにを飲んでもおいしいのでなにを飲んでも同じなんじゃないか私の味覚レベルでは、と思わなくもないけれどもなかでもとりわけおいしかった3本を選んでみる。

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9月もおいしいワインをたくさん飲みました。

クルーガー・ファミリー・ワインズ パーリーゲーツ ピノ・ノワール

まずは南アフリカピノ・ノワールだ。南アフリカは一時医療リソースをコロナ患者に集中するためという名目で国内の酒販が禁止された。そのために苦境に陥った造り手へのマイクロ支援になればとこの夏は南アフリカのワインを何本か飲み、そのどれもがやたらとおいしかったため、かねて良い評判を目にするこのワインも買ってみたらこれがやべえやつだった。

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あまりにもおいしかったことからコノスルの「20バレル リミテッド ・エディション ピノ・ノワール」を慌てて買って比較するという、今振り返ってみるとなぜそんなこをしたのかさっぱり理解できない奇行に走ってみたのだが、果実味の強いコノスルに比べてパーリーゲーツはなめらかでエレガントなぼくのかんがえるおいしいブルゴーニュ的な味わい。2000円台のピノ・ノワールっていうテーマを掘り下げようと決意するに至るほどのインパクトをもたらしたのだった。ありがとう、南アフリカの大地。

メゾン・ド・グラン・エスプリ ラ・ミステリアル サントネイ・プルミエ・クリュ

続いては「メゾン・ド・グラン・エスプリ ラ・ミステリアル サントネイ・プルミエ・クリュ」。今度はブルゴーニュピノ・ノワール。トレジャリー・ワイン・エステーツがtwitterで実施していたプレゼントキャンペーンに運よく当選して頂戴したというワインで、これがまあおいしかったのだった。このワイン、現在は日本で買えない希少なワインなのだそうで、買えばなかなかのお値段がするみたい。高いワインはうまい。高いクルマが速いように。

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「ヴィンテージごとに選ばれた複数の畑、複数の生産者のワインをブレンドすることで各AOCのベストワインを造り上げる」という大企業ならではのスケールメリットを活かしたコンセプト。ブルゴーニュのワインはロクに飲んだことがなく語れることはないが、上には上がいて果てがないのがワインの世界。これよりおいしいワインも世にはあるのかと思うとハハハハハ、楽しくなってきちゃう。

テタンジェ ブリュット レゼルヴNV

そして2020年9月のベストはやっぱりシャンパーニュ。グラスに注いだ瞬間にグラスがアロマキャンドル化したように芳香を放ちはじめてビビる、という驚きから始まり、口に入れた瞬間にシャクッとすっぱ甘い系のリンゴをかじったような効果音が脳内で鳴り響き、注いだグラスの9割を飲んでなおグラスの底から立ち上る泡をうっとり眺め、と、嗅覚・聴覚・視覚すべてをぶん殴ってくるクオリティにはホントたまげた。ホンたまげした。

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余談だが「たまげる」という言葉は比較的新しい言葉で江戸時代から使われるようになった言葉なのだそうだ。漢字で書くと「魂消る」。おいしいワインは魂に作用する。買い値は5038円と日常飲みするワインとしては高すぎるが、テタンジェに限らずおいしいシャンパーニュを飲むとストレスレベルが下がることによって生活習慣病罹患リスクが減る可能性があるため、将来の医療費等が減らせる可能性があり、その医療費負担を鑑みればテタンジェも実質無料という理論が成立する(しない)。シャンパーニュは可能性でできている。

というわけで9月もワインが実においしかったのだった。10月は食欲の秋、ワインの秋。今月もおいしいワインに出会えることを楽しみにしたい。