ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

30マイル シラーズを調べて飲んで味と価格と感想をまとめてみる。【30 Mile Shiraz】

30マイル シラーズ。近所の成城石井でお値段1390円税別

天気が良かったので近所の成城石井に娘と出かけたときに誤算だったのは、「ワインは私が選ぶ」と娘が宣言したことであった。

娘・4歳。私もワインの知識はないが、娘にはそれに加えて金銭感覚と呼べるものもない。そして私は娘に無茶苦茶甘いので、娘がこれだと指し示したものは、それがどれだけ高級なものでもニッコリ笑って買うに違いない。「よく選んだね、えらい!」かなんか言って。武士は食わねど高楊枝。

夜までに冷やしてガブガブ飲めるワインを探しに来ただけなのに……と震えている私の買い物かごに娘が「これが良い」とぶっこんで来たのが、30マイルシラーズ。30Miles Shirazだった。価格は1390円税別。「よく(安いのを)選んだね、えらい!」である。

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30マイル シラーズ。開けて散々飲んでから慌てて撮影した1枚

ワインメーカー、ジョン・クアリサの夫婦仲と美人の娘について

さて、安いだけでなくできればウマいほうがいい。調べてみると、輸入元は成城石井の関連会社の東京ヨーロッパ貿易。そこのサイトにはとくに情報がないので、製造元のQuarisa Wineの公式サイトを訪ねると、このご時世にまさかのトップページに「COMING SOON」の文字。ハリウッドの実現しなさそうな大作映画の続編のティザーサイトかなにかか。

ただ、FBページへのリンクは貼られており、オーナーのジョン・クアリサと奥さんが、世界中のワインの見本市みたいなところに出展している様子が多く投稿されている。これまた成城石井で売っていて、30mileよりもやや高価格帯の「Johny Q」ブランドは、要するにこのジョン・クアリサさん本人の名前を冠したワインってことなんですね。あと、ジョニーの娘が美人。

書籍「イギリス王立化学会の化学者が教えるワイン入門」の“テロワール”の項を引用すれば、テロワールという言葉には「各ブドウ畑に固有の気候や地理的要素のみならず、それぞれの土地の風土や文化、ときにはそこに関係する人間までも含まれる」そうなので、ジョニー夫婦の仲の良さ、そしてその娘の美しさまでもが、クアリサのワインには溶け込んでいるということになる。果たしてどんなお味でしょうか。

 

www.youtube.comこれはジョン・クアリサがなぜかスウェーデンのメディアに「30mile」ブランドについて語っている動画。

30マイルシラーズの味について。99%の果実味と、1%のシメ的成分。

というわけで飲んでみたところこれが非常にウマい。焼き鳥かなんかをガツガツ食べながらガブガブ飲む、コップで、みたいなシーンに異様なまでの適応を見せそうな仕上がり。

さて、シラーズといえばスパイシー、みたいに言われることが多いけど、そもそも自分にはこのスパイシーという感覚がわからない。

おそらくこれは、スパイシー=インド、あるいは中東、みたいなイメージが自分のなかで強固な概念として固定化されているせいだと思う。スパイシーというワードとワインとを脳内で関連づけられないのだ。チャイかなんかの話じゃなくて? みたいになる。

ただ、このワインの味わいが、ブドウジュース、あるいは巨峰サワー的な、果実味以外にはなにもないといったものとは決定的に異なることはわかる。

で、悩みに悩んだ結果、これは「しじみの赤だし」ではないかという結論に至った。30マイルシラーズは、あくまで私という70億人いる人類のうちの砂つぶのような一人の味覚においては、99%の果実と、1%のしじみの赤だしで構成されているように感じられるのだ。ほんとに。

 

しじみといえば肝臓に良く、二日酔い対策における代打の切り札的立ち位置の存在。しじみの赤だしは、飲んだ後のシメにもしみじみウマくて非常に良い。つまり、30マイルシラーズは、飲みながらにしてシメれる稀有な酒、ということも言えるかもしれない(言えない)。