カクヤスの500円泡をまた買った
先日「なんでも酒やカクヤス」の前を通りがかり、「カクヤスがあることだなあ」と思った次の瞬間、私のバッグにはスパークリングワインが2本入っていたという不思議な体験をした。
思うに、私くらいのレベルに達すると、カクヤスを見た瞬間にスパークリングワインを2本購入するという行動が反復により自動化され、無意識にできるため、まるで時間が跳躍したような感覚を得たのだと推察される。敵に襲われた瞬間に体が反応して瞬殺するなんかの達人、みたいなイメージですね。だって、1本500円なんだもの。ついでに必要以上に本格的な味で知られるイナバのタイカレーの缶詰も買いました。100円で。
カスティーリョ・カンポ・アルシスはどんなワイン?
今回購入したのは2本のうち1本が、昨日飲んだカバ、「カスティーリョ・カンポ・アルシス」だ。生産者はバレンシアのトーレ・オリア。さっそくトーレ・オリアのサイトをチェックすると、一番困るタイプのデザインとか仕様に凝りすぎて調べにくい・読みにくいサイトな上に、「カスティーリョ・カンポ・アルシス」が探しても見つからない。
輸入元のアシストバルールのサイトから商品ページをチェックすると「120年の伝統を誇るバレンシアTORRE ORIA社のセラーで丁寧に醸造熟成。品種:マカベオ+シャルドネ」とあるから、トーレ・オリアのオリジナルプロダクトってわけではなくて、OEM的なプロダクトってことなのでしょうか。「TORRE ORIAのセラーで」ってわざわざ書くくらいだし。教えて、ワインビジネスに詳しい方!
前に飲んだ同じくカクヤス500円カバのマス・フィ ブリュットはカバの産地で知られるバルセロナに近いペネデスのワインで、チャレッロ、マカベオ、パレリャーダといったカバならではの品種が使われていたのに対して、このカスティーリョ・カンポ・アルシスはマカベオとシャルドネを使用。シャルドネが入ってるっていうと急に親近感湧きます。旅先のカフェに大学時代あんまり喋ったことなかった同期の女の子いた、みたいな。え……ひょっとして、シャルドネ? みたいな。なにかが起きそうな予感がするぜ!
himawine.hatenablog.comとはいえマカベオとシャルドネの比率は不明。醸造のやり方も不明。なのであとは飲むしかありますまい、ということでよく晴れた日のランチのおともにスーンと抜栓、グラスに注いで飲んでみた。
カスティーリョ・カンポ・アルシスの味と感想
そうしたらまあ、これがフツーにうまい。シャンパーニュのようなクリーミーな泡、とか、ふすまを開けたらまたふすまがあって、それがどこまで続くかわからないような複雑さ、とかはないかもしれないけれども、暑い日にレモンスカッシュ(無糖)を飲むみたいな清涼感を存分に味わえる。いや違うな。暑い日にカバを飲むみたいな清涼感を味わえる。カバのど真ん中の味だ(わたしは高級カバを飲んだことがありません)。
とがった特徴や、圧倒的長所はないかもしれないが、それらと引き換えに安心して飲めるバランスの良さがあり、500円っていう空前絶後の安さがすべてを包み込み、なにもかも許せるといった心境へと導いていく。これが……悟り(酩酊)!?
カクヤスの500円泡はまだまだ種類が豊富にある。甘口のものは飲むタイミングが難しいが、辛口のものは引き続き色々試してみたい。500円だし。イナバのタイカレー缶100円だし。
とはいえ、価格は500円かもだけど、その製法は9カ月以上熟成させる瓶内二次発酵。水とブドウコンク、炭酸水で作りましたみたいなものではまったくないわけで、造り手に敬意を持ちつつ心して飲まにゃならんと思う次第であります。ごちそうさまでした。