ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

2022年に飲んだ忘れられないワイン6選【高ワイン/安ワイン】

2022年もたくさんのおいしいワインと出会うことができたが、なかでも印象に残るものを発表していきたい。高ワインの部、安ワインの部に大別し、それぞれ赤・白・泡・シャンパーニュを1本ずつ挙げていきたい。早速いってみよう。

【高ワイン/泡】ダオサ ブラン・ド・ブラン 2015

まず泡部門はダオサ ブラン・ド・ブランだ。これは本当においしくて、間違いなく今年の非・シャンパーニュベスト。なんだよダオサって、知らねえよ、と思う方も多いと思うがこれはオーストラリアでボランジェの経営者ファミリーがつくる泡だ。これめっちゃくちゃおいしかった。

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飲んだ瞬間にどこでもドアで密林系の楽園にワープさせられたような感覚に陥る熱帯目爛熟類果実科の香り。「ボランジェがオーストラリアで造る泡」みたいな通りいっぺんの味わいではなく、もしドン・ペリニヨンがオーストラリアで生まれていたら……? みたいな壮大な歴史ifを感じるような味わいだったのだった自分でもなにを言っているかよくわかってないけど。

ともかくびっくりした。また飲みたい。

 

 

【高ワイン/赤】リシャール・マニエール エシェゾー2018

続いて赤だがこれはリシャール・マニエールのエシェゾー2018が素晴らしかった。本当に素晴らしかった。亀戸の名店・デゴルジュマンで開催された「シャンパーニュってなんだ? 会」でご馳走になった一杯だ。

VR薔薇園としか言いようがないすさまじい香り。呼びかけに応えると中に吸い込まれる『西遊記』に出てくる妖怪が持つひょうたんのように、グラスを覗き込むと仮想の薔薇園に吸い込まれていくような感覚に持っていかれる。2022年、ワイン自体の固有結界・領域展開感がもっとも強かったのがこのピノ・ノワールだった。

この日の感動はほかにもちょこちょこブルゴーニュピノ・ノワールを飲んだ2022年、ついに更新されなかった。また飲みたい。TKさんありがとうございます。

2020VT売ってた。↓

 

【高ワイン/白】オーベール シャルドネ ソノマコーストUV-SLヴィンヤード2011

白はカリフォルニア。「オーベール シャルドネ ソノマコーストUV-SLヴィンヤード2011」が素晴らしかった。

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今年はたくさんカリフォルニアのおいしいシャルドネを飲ませていただいた。コングスガード、キスラー、ピーター・マイケル、ポール・ラトー、ウィリアムズ・セリエムと枚挙にいとまがなくて我ながらマジかとなるが、私はオーベールが一貫して好きだった。また飲みたい。

これまた2020VTが売ってた↓

そして私の友人であるNagiさんが「研修生時代に造ったワイン」も素晴らしかった。こちらは市販品ではないのでアレだが、思い出に残る一杯となった。

 

【高ワイン/シャンパーニュ】ジャック・セロス「イニシャル」

続いてシャンパーニュだが、これは亀戸の名店・デゴルジュマンで飲んだジャック・セロスの「イニシャル」が素晴らしいにもほどがあった。安ワイン道場師範が居合わせた方からご馳走になったのをさらにお裾分けしてもらうという幸せカンパニーの孫請け企業みたいな飲み方をした1杯だったがこれは本当にすごかった。溶かした黄金が発泡しているような液体だった。

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さぞかしおいしいんだろうなあという期待のハードルを鳥人ブブカの跳躍を思わせる余裕さで超えて行った印象だった。いつかまた飲みたい。

考えてみると赤もシャンパーニュも今年のベストは自分でお金を払っていない。2022年もひとさまのふんどしで相撲を取りまくった一年であった。みなさんありがとうございます。

 

【安ワイン/赤】ヴィーニャ・ファレルニア「ピノ・ノワール グランレセルバ」

さて続いては安ワイン部門に移っていきたい。

まず赤ワインだが、ヴィーニャ・ファレルニア「ピノ・ノワール グランレセルバ」だ。標高2000メートルを超える高地、年間降雨量50mm、20hl/haという超低収量という三拍子揃ってお値段2000円台という脅威のワインで、このワインについて買いた私の記事には大胆にもドメーヌ・タカヒコのナナツモリを想起するみたいなことが書いてある。私の場合ピノ・ノワールから梅とかかつお節みたいなニュアンスを感じるとすぐにナナツモリを想起してしまうガバガバ具合なので話半分に聞いていただきたいのだが、冷涼薄うまピノなのは間違いがない。

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ワイン好きのみなさんからは見向きもされてない節があるが、私はワインにハマりたての頃から今に至るまでチリワインが大好物。なかでもこれは素晴らしい1本だと感じた。今年はもう少し意識的にチリワインを飲んでいきたい。まだまだ隠れた宝石が眠っているはずだ。

 

【安ワイン/泡】コノスル「ブラン・ド・ブラン」

さてそんなわけで続く泡部門もチリワインだ。2022年にもっとも感銘を受けた3000円以下のスパークリングワインはコノスル「ブラン・ド・ブラン」でした。1500円とか。隠れてもなんでもないやつですねこれ。

himawine.hatenablog.comコノスルのスパークリングワインは黄緑っぽいやつとピンクのロゼがスーパーなどに出回っているが、これは明確にイマイチ。コノスルは安くておいしいが泡はちょっとなあと思っていたのだがこのブラン・ド・ブランは素晴らしい。

スパークリングワインの味の方向性は大きくふたつに分かれると私は考えていて、ひとつはシャンパーニュ意識系(代表:カヴァ、フランチャコルタ等)で、もうひとつはシャンパーニュ知らん系(代表:プロセッコ、プロセッコ&プロセッコ)だが、このワインの味の方向性は完全にシャンパーニュ意識系。

1500円ながらしっかりと複雑みがあり、パン的な酵母を思わせる香りもする酵母の香り嗅いだことないけど。難点はあんまり売っていないことというだけの素晴らしいスパークリングワインだったので、見かけたらぜひ入手してください……!

 

【安ワイン/白】ドメーヌ・イノソンティ 「サン・ヴェラン レゼルヴ・ジョベール」

最後に白部門で、3000円以下の安ワインで2022年に驚かされたものの筆頭と言っていいのが、「下北沢ワインショップ」の試飲会で飲んだドメーヌ・イノソンティ のサン・ヴェラン レゼルヴ・ジョベールをご紹介したい。ボジョレーの造り手がブルゴーニュの南の端のマコネ地区のそのまた南の端のサン・ヴェランで造る白ワインなのだが、これが本当においしかったのだった。

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ブルゴーニュの白ワインに求めるのは酸味、果実味、樽のたっぷり感に加えて若干不本意ながらミネラル感としか呼びようのないなにか、だと思われるのだが各要素が80点くらいの感じでしっかり備わっている。ブルゴーニュのお高い白ワインのジェネリックというか、クローンというか、いい絵だなあと思って眺めていたら「これAIが0.02秒で描いたやつですよ」と言われたときみたいな衝撃を受けた。

今年NO.1安白ワインは間違いなくこれ。安ワイン全体1位だったかもしれない。ヒマワイン的安うま大賞と言える。

2本買った↓

というわけで2022年も素晴らしいワインとたくさん出会えたのだった。2023年もたくさんのいいワインと出会いたいものである。