ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

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「キンタ・デ・ボンス・ベントス」織田信長も飲んだ陳陀とはなんだ。価格と感想まとめ。【QUINTA DE BONS-VENTOS】


ポルトガルワインと信長と「陳陀」

昨夜はポルトガルの白ワイン「キンタ・デ・ボンス・ベントス」を飲んだ。ポルトガルのワインのことを私はなにひとつ知らないので、まずはポルトガルワインについて調べてみたらいきなり面白い話が出てきた。

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ポルトガルの赤ワイン「キンタ・デ・ボンス・ベントス」を飲みました。

日本へのワインの伝来は1549年、キリスト教とともにフランシスコ・ザビエルによってもたらされたのだそうだが、そのワインこそがポルトガルワインなんだそうだ。その名は「珍陀(チンタ)」。中国の後漢時代の高僧、みたいな名前だけどこの珍陀、ポルトガルで赤ワインを表す「ティント」の当て字なんだとか。

カルタは歌留多、クリスタンが切支丹、コンフェイトが金平糖、ティントは珍陀。チンタだけ、なんですかね、チン名感がありますがこれはもう歴史なんだから仕方がない。このチンタを初めて飲んだのは織田信長だっていう説もあるんだとか。「熟した黒系果実の豊かな香りである」とか言ったんすかね。

キンタ・デ・ボンス・ベントスの品種と製法

ポルトガルワインは土着品種が多いのも特徴だそうで、「キンタ・デ・ボンス・ベントス」もカステラン、カマラテ、ティンタミウダ、トウリガ・ナシオナルといった品種がブレンドされているのだとか。見事に知らない。なにかのスポーツのポルトガル代表チームが地元リーグの選手中心で名前に聞き覚えがないがないけど妙に強い、みたいな雰囲気出してきてる。カステラン選手は38歳のチームの精神的支柱的存在だが今大会を最後に代表の座を退き指導者の道に進みそう。

醸造は26500リットルの大樽で行い、28〜30℃でスキンコンタクト発酵を行うとあります。果皮と果汁を触れ合わせるやつ。その後、3〜4カ月オーク樽で熟成させるとのこと。

ちなみに商品名「キンタ・デ・ボンス・ベントス・ティント」の意味は、キンタは農園でフランス語でいうところのシャトー的な意味合いで、ボンス=良い、ベントス=風。なんだとか。ティントは陳陀。

キンタ・デ・ボンス・ベントスを飲んでみた

さて、その味わいはいかがかとスンと開けると、なんだかコルクがすごい短い。高級ワインはコルクが長いって言いますがその逆。で、注いでみるとおー、黒い。そしてなんですかねこの香り。テースティングノートには熟した赤黒果実の香りとあるけど、馬小屋の裏手に群生した熟した赤黒果実の香り、といった印象で若干のアニマル感なきにしもあらず。

飲んでみると、しっかり渋みがある。「フレッシュでありながら上質なタンニン」とあるけどなるほどブドウの果実を種ごと噛んだ、みたいな感じする。うーん力強い。肉ですねこりゃ。太いソーセージが食べたい。ソーセージは太ければ太いほうが偉い。あとアスパラも。

このワイン、購入価格は1408円なのだが購入元のセラー&セラー専科で1本から送料無料というわけがわからない設定がされており、私は別のワインを購入した際、送料が680円とかかかるんだったら実質このワインは728円で買えるということだということで買ったけど、それは相当お得だった気がする。

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vivinoの点数は3.6点。赤ワインらしい赤ワインの味わいで悪くない。

グラスの中の赤い液体を眺めながら、五百年前に信長が飲んだのは、いったいどんな陳陀だったんだろうかと歴史に思いを馳せるのに、実質728円は破格だ。

ポルトガルの陳陀、ならぬティント、引き続きいろいろ飲んで行こうと思う次第です。