ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

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ボルドーは赤もいいけど白もいい! 「ボルドーブラン5本セット」を飲んであらためてボルドーの底力に気づいた話。[PR]

有名シャトー&熟成飲み頃入り ボルドーブラン5本セットを飲んでみた

みなさんはボルドー・ブランがお好きだろうか。私は大好きだ。ソーヴィニヨンとセミヨンのブレンドという個性が唯一無二だし、たいていがふくよかで果実感があっておいしい。わかりやすいワイン大好きな私にとって、ボルドー・ブランはハズレが極めて少ないという認識だ。

なので、「『有名シャトー&熟成飲み頃入り ボルドーブラン5本セット』を飲んでみませんか?」というお声がけを秒で承諾。すべてのワインを自宅で1本ずつテイスティングしてみた。最初に言っておこう、このセットはいいぞ。

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有名シャトー&熟成飲み頃入り ボルドーブラン5本セットのスペック

まずは商品のスペックから紹介しよう。5本すべてフランス・ボルドー地方の白ワインで、価格は税込18,000円送料無料。1本あたりの単価は3,600円だ。

3,000円以下を安ワインだと定義するならば、その範疇をわずかに超えた“中流ワイン”とでも呼ぶべき価格帯。給料日とか3連休の初日とかにちょっと贅沢して開けちゃいたいワインたち、て感じでしょうか。

 

そのラインナップは以下。

【300年の歴史】シャトー・ラヴェイユ・ド・フューザル・ブラン2022

【偉大なる2015】ル・ドゥ・ラ・ルービエール・ブラン 2015

【甘口生産者の辛口】ジェ・ド・シャトー・ギロー 2023

【イケムのお隣さんが造る】リオン・ド・スデュイロー・ブラン セック2023

【11年熟成白】シャトー・マルジョス・ブラン2013

うーむ、それぞれ個性的。それぞれどんな味わいなのか、早速飲んでいこう。

 

1本目:【300年の歴史】シャトー・ラヴェイユ・ド・フューザル・ブラン2022

まずは300年の歴史を持つシャトー・ド・フューザルのセカンドワインにあたる、シャトー・ラヴェイユ・ド・フューザル・ブラン2022。2022はとても温かいヴィンテージだったはずで、それだけに溢れる果実味! みたいなのを期待していたのだがまさにその通りの味わい。

シャトー・ラヴェイユ・ド・フューザル・ブラン

公式サイトによれば、品種はセミヨンが60%でソーヴィニヨン・ブランが40%とセミヨン多めなのだが、印象としてはソーヴィニヨン・ブランを強めに感じる。そして、レモン、グレフル、ライムみたいなソーヴィニヨン・ブランっぽい味に、どこかビスケットみたいなほっこりした甘みと香ばしさがあるのがボルドーの妙味。

うまいうまいとごくごく飲み干して、ところでこれ定価いくらなんだろと調べてみると、単品では6600円するワインであることが判明。そりゃうまいはずだよ! 1本平均3600円のセットに6600円のワインが入っているとは…(誤算)!

 

2本目:【偉大なる2015】ル・ドゥ・ラ・ルービエール・ブラン 2015

1本目は300年の伝統だったが、2本目は700年の歴史を持つ(!)というシャトー・ラ・ルーヴィエールのセカンドワイン。ヴィンテージはグレートヴィンテージ・2015年で、これが個人的にはホームラン。

ル・ドゥ・ラ・ルービエール・ブラン

2015年と年齢を重ねていることもあってか非常にクリーミー。柑橘系の雰囲気は残しつつ、焼き栗のようなほっこり感が加わっており、飲むクレームブリュレ的ふくよかさがある。ちょっと熟成したシャンパンのブラン・ド・ブランみたいな感じがする。

ブラインドで飲んでソーヴィニヨン・ブランセミヨンが半々くらいかな? と予想したのだが正解はソーヴィニヨン・ブラン100%。ソーヴィニヨン・ブラン100%なのこれ!

いかにもおいしそうな濃いイエロー

温度が上がっていくとクリーミー度合いが増していき、個人的には常温近い温度になってもバチバチにおいしいと感じた。定価は5500円で、まさに価格に相応しい味がする。寒い日にクリームシチューをハフハフしながら飲んだらとろけますよこれは。

 

3本目:【イケムのお隣さんが造る】リオン・ド・スデュイロー・ブラン セック2023

続いてのワインは世界最高峰の貴腐ワイン生産者、イケムの“お隣さん”であるシャトー・スデュイローが造る辛口ワイン。品種はセミヨン57%、ソーヴィニヨン・ブラン30%、ソーヴィニヨン・グリ13%で30%樽熟成しているそう。

リオン・ド・スデュイロー ブラン・セック

で、これがまたうまい。果実の厚みがしっかりあって、同時にぶどうの果実を磨きあげたかのようなクリアでピュアな、いわばボルドー・ブランの大吟醸みたいな雰囲気がある。

セミヨンとソーヴィニヨン・ブランを混ぜないと出ない味だと思われる王道のボルドー・ブランで、タルト生地みたいな香ばしさも一定あるので試しにアップルパイと合わせてみたが、それもすごく合った。

あとこれはぜひ指摘しておきたいのだが、このワイン「LIONS」とかいて「リオン」と読むのだが、野球好きとして言わせてもらえば何度読んでも「ライオンズ」としか読めないんですよLIONSっつったら。でもってラベルの色も球団カラーっぽいんですよたまたまだろうけど。

というわけで、埼玉西武ライオンズファンの方へのプレゼント、という超ニッチな使い方ができるワインでもあると思います。ホントに。

 

 

4本目:【甘口生産者の辛口】ジェ・ド・シャトー・ギロー 2023

さらにこの4本目もバッチリ好みだった。こちらはヴィンテージが2023と新しいことがダイレクトに影響している印象の、元気はつらつトロピカル風味。

ジェ・ド・シャトー・ギロー

パイナップルのようなトロピカルフルーツの感じ、ライムのような爽やかさ、そこはかとない塩味も感じられてビーチサイドドリンクっぽさが全開。寒い時期に暖かい部屋で飲むのがまたいいんですよこの手の白は……!

ボルドーのワインはどこか陰のあるワインが多い印象だけど、これはYeah、めっちゃ陽なホリディテイスト。このワインと1本前のスデュイローの通常価格はどちらも3850円とこのセットの中では安めなのだがまったく侮れないし、おそらく「わかりやすさ」で言えば双璧だ。「甘口生産者が造る白はうまい」と言ってしまっていいかもしれない。

 

5本目:【11年熟成白】シャトー・マルジョス・ブラン2013

そして最後に鎮座するのが収穫から11年の時を経たシャトー・マルジョス・ブランで、これがセットの中で異彩を放つ熟成ボルドー・ブランだったのだった。

シャトー・マルジョス・ブラン

2013年という難しかったとされるヴィンテージ。定価は2750円とセット最安値。収穫から11年の時が経過。色んな意味で難しいワインか!? と警戒していたのだがさにあらず。

レモン、ライムみたいな緑〜黄色っぽい雰囲気はなく、あんずやカリンのような黄色〜オレンジっぽい雰囲気。味わいは果実に加えて旨み・出汁系で、そこはかとなく薬草感もある。当然多少の酸化も進んでいることから、どことなくオレンジワインぽさもある。

他のワインと比して明らかに色が濃い

それもあって、スパイスを効かせた料理や、キノコの出汁を生かしたスープなどと飲みたい玄妙な味。エスニック系の揚げ春巻きとかも合わせたい、とてもフードフレンドリーな味わい。セットの中の変化球として、いいアクセントになっていた。

 

有名シャトー&熟成飲み頃入り ボルドーブラン5本セットを飲んだまとめ

5本のボルドー・ブランを飲み終えて、個人的には2本目の「ル・ドゥ・ラ・ルービエール・ブラン 2015」が素晴らしいと感じた。

同時に、まるでロワールのソーヴィニヨン・ブランのような伸びやかな酸がある「シャトー・ラヴェイユ・ド・フューザル・ブラン2022」も素晴らしかったし、甘口シャトーが作る辛口2本も明らかに1000円2000円のワインとは異なる厚みがあった。5本目のシャトー・マルジョスの熟成がもたらす個性も私は好きだ。どんな料理と合わせるのかを想像するのが実に楽しい。

よくセットでありがちなのが、「5本中3本はおいしいけど、2本微妙だったなー」とか、「1本素晴らしいのがあったけど、残りは普通だったな」みたいな事態。こうなると、(なら単品で買ったほうが良かったかな…)みたいになり、QOLが低下する。

このセットがいいのは、5本すべてが高水準かつキャラクターが異なる点だ。戦隊ものでいえばレッド・イエロー・ピンクみたいに個性がはっきりとあるので飲み飽きないし、1本1本の戦闘力がきっちり高いので、セットとしての満足度が非常に高い。

ボルドーはおそらく世界で一番有名なワイン産地といっていいはずだ。その地に根付く白ワインの伝統はやっぱりすごい。だからこそ、ワイン人生のどこかでボルドー・ブランを集中的に飲むタイミングはあったほうがいい。そして、そのきっかけとして、『有名シャトー&熟成飲み頃入り ボルドーブラン5本セット』は最適解になるかもな、と思った次第。

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