ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

カクヤスの500円泡飲んでみた。【BORGHESIA PROSECCO BRUT編】

ボルゲシア プロセッコ ブリュットとは?

「なんでも酒やカクヤス」の500円で買えるスパークリングワイン、略称カクヤス500円泡を飲むシリーズも4回目となった。今回はボルゲシア プロセッコ ブリュット(以下、ボルゲシア)をチョイス。カクヤスの店頭には、「500円ながらDOCプロセッコ!」みたいなPOPが貼られていた。が、500円泡のつねでネット上には情報がほとんどない。

himawine.hatenablog.com なのでそもそもボルゲシアってどんな意味かと調べてみれば、驚くなかれイタリア語で「ブルジョワジー」の意だっていうから人生は恐ろしい冗談の連続だ。500円なのにブルジョワジー。どっこい生きてる瓶のなか。ど根性ワインここにありである。

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カクヤスで500円で売られているスパークリングワイン(プロセッコ)、ボルゲシア プロセッコ ブリュットを飲みました。

さて、裏ラベルをみると、このワインはvinicola decordiという会社のプロダクトであると書かれている。1921年に居酒屋としてスタートし、ワイン造りが好評だったのでのちにワイナリーとなっていったというレストランで出してたフライドチキンが好評すぎてチキン企業になったケンタッキーフライドチキンみたいな歴史を持つワイナリーのようだが、その公式サイトにもボルゲシアの名前の記載はない。安ワインの悲哀である。

プロセッコ村でとれたプロセッコから作ったプロセッコっていう名前のワイン(元)

ボルゲシアの表ラベルにはDOCプロセッコという記載があるが、デコルディ社の所在地はロンバルディア州。プロセッコはロンバルディア州と隣接しているヴェネト州の一定地域の一定品種で生産されたワインにのみ使用できる名称とのことなので、これどういうことなんですかね。お隣の州から買ってきたブドウでワインを作っているのか、お隣の州で作ったワインを売っているってことなのか。詳しい方おられたらご教示ください。

DOCプロセッコの規定では、品種はグレーロを85%以上使うのが条件。グレーロはもともとプロセッコっていう村でとれたプロセッコっていう名前のブドウだったのが、プロセッコっていうワインが有名になるにつれてブドウの名前がプロセッコ、ワインの名前もプロセッコ、村の名前もプロセッコだとこれもうわかんねえなってなって「グレーロ」になったというブドウ。隣の客はよく柿食う客だ感。早口言葉かよ。

ボルゲシア プロセッコ ブリュットを飲んでみた

というわけでブルジョワジーという名前の500円泡についての調査は以上だ。あとは飲むのみ。ある晴れた日曜日、窓を開けてベランダに小さい椅子と机を出して、スポンと抜栓。ランチのピザと一緒に流し込んだ。

たとえばビールの場合、「ビール」と「第3のビール」とか「新ジャンル」とか呼ばれる飲み物の価格差は100円ほどだと思うが、その味わいは圧倒的に異なると私は思う。ところがカクヤスの500円泡の場合は、1500円と言われてもまあそうかなっていう味が、どれを選んでもわりとする(注意:私の味覚レベルはゲームでたとえればスライムにボコられて死ぬ程度です)。

ボルゲシア スプマンテ ブリュットもそうで、そもそも泡が弱い感なきにしもあらずだが、味わいはフレッシュで、ほんのりさわやかな甘さもあって全然おいしくないことない。肌に直射日光が当たっている環境下で飲むとおいしさ2割増。気温は30度を超えているのが望ましい。よく冷えていて、泡が出る。ほんのり甘くて、柑橘系の味わいがある。野球部の練習が終わったあとに飲む冷えた三ツ矢サイダー効果と私が呼ぶ効果が発動し、気がつけば1本空いてた。ピザの油で汚染された体内を洗浄する液、と考えた場合の最適解のひとつと言えるのではないだろうか。

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vivinoの点数は3.4点。どうでもいいけどこの手はわたしの手ではありません。

生産者のサイトにも、輸入元のサイトにも、販売店のサイトにも記載がないが、誰かの家の冷蔵庫のなかにはたしかにあって、天気の良い日に開けられるのを待っている。そして、お酒が苦手でワインとかほんと無理、といった大学2年生女子がBBQかなんかで飲んだ場合に「ワインって、意外とおいしいかもしれない」と思わしめる。そんな、たしかな役割のあるワインだと思います。

 

最後に、これはもう本当に余談中の余談なのですがBorghesiaで検索するとスロヴェニアのエレクトロミュージックバンドのwikiが出てきます。このバンド、1982年から1995年まで活動したあとしばし活動を休止、2009年から再度活動をはじめているらしく、最近もリリースがあるみたい。

スロヴェニアはイタリアと国境を接しており、縁も浅くない。というわけで、ボルゲシア(ワイン)を飲みながらボルゲシア(バンド)の曲を聴くのもまた一興と感じられる可能性がゼロではないかもしれないので念のためリンクを貼っておきます。全っ然爽やかな感じじゃなく、お酒のイメージと曲のイメージはまったく合わないけど。

この情報はもはや誰のためかさっぱりわかりませんが、曲のタイトル「Ljubjana spi」は、スロベニア語で「リュプリャナは眠っている」という意味で、リュプリャナはスロベニアの首都だそうです。私からは以上です。

オススメのスパークリングワイン↓

安うまシャンパーニュ

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