ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

発表! 「ブルゴーニュカスタマイズセット リーズナブル」のBEST3本を選んでみた【PR】

ブルゴーニュカスタマイズセット リーズナブル」とは?

ワインを飲んでいて一定の時間が経過すると「ブルゴーニュワインに詳しくなりたいなあ」と誰もがぼんやり思うもの。ブルゴーニュワインに詳しくなる方法はいくつかある。一つは本を読んだりして知識を溜め込む方法。もうひとつはブルゴーニュワインを飲んで脳に味わいの記憶を叩き込む方法で、私は断然後者派。

というわけで今回ブルゴーニュカスタマイズセット リーズナブル」を飲めという指令が降ったので、そんなありがたい指令がこの世にあるのかとビックリしながら飲んだ。

ブルゴーニュカスタマイズセット リーズナブル

ブルゴーニュカスタマイズセット リーズナブル」は12本のブルゴーニュワインから好みの3本を選ぶことができるセット。価格は送料無料で14,300円。1本あたりの価格は4,767円で、割引率は最大で43%になるという商品だ。

以下のリンクからどんなワインが選べるかはぜひ確認していただきたいが、12本中10本が村名格付け。3本選べるシャブリはすべてプルミエ・クリュというなかなかすごい内容になっている。今どきブルゴーニュの村名が5000円を切ることはなかなかないですからね。

自宅に届けられたワインは6本。すなわちセット2つ分だ。これすなわち12本中とくにオススメの6本を送付したのでそこから3本を選び、本セットのベスト・オブ・ベストを提案せよという指令に違いないという電波を受信した(未確認)ので、その線に沿って話を進めさせていただく。

さて、送られてきたのは以下の6本だ。

<赤>

ドメーヌ ガバン エ フェリックス リシュー/イランシー レ カイユ 2018

ドメーヌ ターナック/イランシー レ マズロ2019

ドメーヌ ローラン ブセイ/モンテリー レ オー ブラン2018

<白>

ジョルジュ デシャン/シャブリ プルミエクリュ フルショーム

ドメーヌ ローラン ブセイ/サヴィニ レ ボーヌ ブラン レ ソクール2019

ドメーヌ デボワ マリー/オート コート ド ボーヌ ブラン2020

この中のベスト3本はどれなのか? さっそく飲んでたしかめていこう。

 

ドメーヌ ローラン ブセイ「サヴィニ レ ボーヌ レ ソクール2019」

というわけで早速飲んでいこう。まず開けたのは、ドメーヌ ローラン ブセイの「サヴィニ レ ボーヌ レ ソクール2019」。単品価格は6600円というワインだ。

ドメーヌ ローラン ブセイ「サヴィニ レ ボーヌ レ ソクール2019」

グラスに注ぐと、おお、いい感じの黄金色。この注いだ時の色の時点で満足度が高いんですよブルゴーニュのワインは。

で、飲んでみるとシチリア産のレモンのようなパンチのある酸味がまずやってきて、次にアーモンドのようなナッツの風味、そして絶妙な樽感とともにパイナップルのようなトロピカル感のある果実味が押し寄せてくる。

新樽率20%のオーク樽で1年熟成させているのだそうで、2日目はその樽感がさらにリッチでパワフルに感じられる。いやこれいきなりおいしいですよ。

これはさすがにベスト・オブ・ベストの3本に入るでしょと思ったのだが、結論を先に言えばこのワインは3本に入らなかった。つまりこのあと飲むワインたちが化け物級だったのだがそれは少し先の話。順番に見ていこう。

 

ドメーヌ デボワ マリー「オート コート ド ボーヌ ブラン2020」

白ワインの2本目はドメーヌ デボワ マリーの「オート コート ド ボーヌ ブラン2020」(単品価格6050円)。今回飲んだ6本のうち唯一地域名格付け、言ってしまえば格付け下位のワインだったのだがどっこいこれがめちゃうま

ドメーヌ デボワ マリー「オート コート ド ボーヌ ブラン2020」

このワインの魅力は透き通るような酸味。酸が主役のワインは果実がないと話にならないと思われるが、ハチミツを垂らしたレモンのような爽やかな果実感がしっかりと寄り添うことで、非常に整った味わいになっている。

貴族しか参加できないマラソン大会の給水所で配られるのはこれなんじゃないかという大人の、っていうか貴族のスポドリ、という味わい。

ブルゴーニュは冷涼産地であり、その魅力は酸にあるのだよ、君、という生産者の声が聞こえてきそうな1本となっていた。

 

ジョルジュ デシャン「シャブリ プルミエクリュ フルショーム2021」

続いて白ワイン最後はシャブリ。ジョルジュ デシャンの「シャブリ プルミエクリュ フルショーム2021」(単品価格7480円)だ。

ジョルジュ デシャン「シャブリ プルミエクリュ フルショーム2021」

フルショームはシャブリに40あるプルミエ・クリュの中でも筆頭といっていいくらい有名な(気がする)畑、で、ビオロジック栽培のブドウを野生酵母で発酵させつつSO2はそれなりにしっかり入れるという実にちょうどいい自然派感のある造り。

で、これが素晴らしかったんですよ。シャブリらしい青い柑橘のような鮮烈な酸味とともに、白桃そのものの印象を感じる豊かで柔らかな果実味が激突し、かつ調和している。シャブリが誇るプルミエ・クリュ、フルショームの眼下を流れるスラン川からどんぶらこと流れてきた桃をおばあさんが持ち帰り、包丁でふたつに割ったら中からこのワインが出てくるんじゃないかという味だ。

これはシンプルにうまい。まずもっておいしいし、その上で嫌いな人がいなさそうな味筋(あじすじ)だ。シャブリの一級が4,767円ならお得感も強いし。

 

ドメーヌ ローラン ブセイ「モンテリー レ オー ブラン2018」

続いては赤ワイン。まず飲んだのはドメーヌ ローラン ブセイの「モンテリー レ オー ブラン2018」で、単品価格は7700円。モンテリーはムルソーの北に位置する村だ。

ドメーヌ ローラン ブセイ「モンテリー レ オー ブラン2018」

これは今回もっとも熟成ポテンシャルを感じたワインで、今飲むとやや渋みが強目に感じられる。同時に豊かな酸があり、ふくよかな果実が奥深くに秘められていることもわかる。漢字1文字で表せば「胎動」(注:2文字)と言ったところ。

もう少し熟成させたらおいしいだろうな〜とヨダレが出そうな味わいで、せっかく3本選ぶのならば1本はこれを選んで1年くらい寝かせてみるか……と誘惑してくる。

 

ドメーヌ ターナック「イランシー レ マズロ2019」

続いて飲んだドメーヌ ターナックの「イランシー レ マズロ2019」(単品価格7700円)は、対照的に今飲んでおいしいというワイン。酸味・果実・タンニンのバランスが良く、まるでドラム・ギター・ベースの3ピースバンドのように、非常にシンプルかつ味わい深いハーモニーを奏でている。

ドメーヌ ターナック「イランシー レ マズロ2019」

イランシーはコート・ド・ニュイのさらに北、シャブリに近い産地だから赤系果実な感じかなと思いきやさにあらずで、色合いも味わいにおいても深い井戸についうっかりブルーベリーを落としちゃった、タンクごと、みたいな印象。

それでいて香りにはブルゴーニュらしいスミレを思わせる春の野の印象がある。温暖化が進むブルゴーニュの、良年2019年の、北の地イランシーの、これが味わいなのかとブルゴーニュ解像度が飲んだ瞬間に高まる1本と言えそう。

ちなみに2日目は上質な紅茶のような香りが出てきて、さらにおいしくなっていった。

 

ドメーヌ ガバン エ フェリックス リシュー「イランシー レ カイユ 2018」

そして、圧倒的に素晴らしく、今回飲んだ6本の中で抜けて一番おいしいと感じたのがドメーヌ ガバン エ フェリックス リシューの「イランシー レ カイユ 2018」。

ドメーヌ ガバン エ フェリックス リシュー「イランシー レ カイユ 2018」

単品価格9900円という高級ワインなので当たり前といえば当たり前かもしれないが、とにかくひとしずくあたりに含まれるワインとしての要素の量が段違い。1mlの宇宙の中に酸、タンニン、果実味といった要素が出勤ピーク時間の山手線を思わせるギュウギュウ詰め状態。

結果、飲んだ印象は非常にパワフル。2018は「太陽の年」と呼ばれるヴィンテージだが、もちろんただパワフルなだけでなく、要素の多さは香りの複雑さに転化しており、お香を焚きしめた異国の王族の執務室、みたいなスパイシーでエキゾチックな香りも漂ってくる。

これはみなさん絶対1本選ぶべき。これ1本でほぼ1万円と思えば、セット価格の残り4400円でブルゴーニュの村名ワイン2本買えちゃうみたいになるし心理的には。

 

発表! ブルゴーニュカスタマイズセット BEST of BEST

というわけで6本のブルゴーニュワインを駆け足で飲んでみた。いやあおいしかったなあ。おわり。としたいところだがそうもいかぬ。なんとなれば、この中からベスト・オブ・ベストの3本を選ばなければならぬのだ。悩ましすぎる。

ただ、すでに述べたように1本はドメーヌ ガバン エ フェリックス リシューの「イランシー レ カイユ 2018」で決まり。残りは2本だ。

まず赤を1本選んだから、次は白を選ぼう。白3本はこんなラインナップだった。

樽の風味とトロピカル感がおいしかったドメーヌ ローラン ブセイのサヴィニ レ ボーヌ レ ソクール2019。

貴族のスポドリ感があったドメーヌ デボワ マリーのオート コート ド ボーヌ ブラン2020。

桃の風味の極上シャブリ、ジョルジュ デシャンのシャブリ プルミエクリュ フルショーム2021。

この3つはどれもおいしくて極めて悩ましいのだが、私はシャブリを選んだ。2021年のシャブリは霜の被害を受けた年。そんな厳しい年にあってこれほどの味わいを造り出すのにはどんな苦労があったのか想像も及ばないが、できたワインはピーチ感満載でただただシンプルにうまいの一言だったのだった。

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そして最後の1本はドメーヌ ターナックのイランシー レ マズロ2019を選びたい。2019というヴィンテージは個人的にものすごく親しみやすいヴィンテージの印象があり、このワインも色こそやや濃いめだけれどもブルゴーニュを飲んでいるなあ、私は今。みたいにしみじみ思える良さがあった。素晴らしいワインだ。

ドメーヌ ガバン エ フェリックス リシュー/イランシー レ カイユ 2018

ドメーヌ ターナック/イランシー レ マズロ2019

ジョルジュ デシャン/シャブリ プルミエクリュ フルショーム

12本から3本を選んで14,300円送料無料の「ブルゴーニュカスタマイズセット リーズナブル」において私が選んだベスト・オブ・ベスト3本は、かくして以上となった。単品価格の合計は25,080円。1万円以上お得に買えるということになる。

もちろん人それぞれ好みもあるし、選ぶワインも違うはず。だが、この3本は少なくとも絶対においしいと太鼓判を押させていただく。「ブルゴーニュカスタマイズセット リーズナブル」を選ぶ際の参考になったら幸甚だ。

14,300円は金額としては決して安くはないけれど、クリスマスに正月に、イベントごとが目白押しの年末用ワインとして、今確保しておくのはいい選択肢。どれを選ぼうかなーと眺める時間もまた楽しいですよ!

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