カリフォルニアの安旨ピノ・ノワール、日本で買えるのは?
ワインエンスージアストに「12 of Our Favorite California Pinot Noirs for Less Than $30」という記事が掲載されていた。「30ドル以下で買えるカリフォルニアのピノ・ノワール12選」ってわけですね。気になる。10月はカリフォルニアワインマンスだっていうし。というわけで土日を利用してちょこちょこ調べたことを書きます。ちなみになにが選ばれたかは書いていないので、元記事をご参照あれ。
さて、記事には「この気難しい品種は高品質なものだとしばしば50ドルを超える。しかし、おいしい例外はある」と書いてある。いいじゃないおいしい例外。おいしい例外大歓迎、なんだけどここで疑問が浮かぶ。これ日本で売ってんのかな? ということだ。ワイン情報を得るべく海外メディアの記事を(Google翻訳で日本語で)読んでて、うーんこれは素晴らしい、欲しい、と思ったら国内で売ってなかったという辛酸を私は幾度もなめている。なので、売っているかどうかを調べてみたというのがことの次第だ。
アメリカ(カリフォルニア)にはいくつワイナリーがある?
メインの調査の前に、まずアメリカにはワイナリーがいくつあるのかから調べてみた。個人的には割と衝撃だったのだがwww.statista.comによれば、アメリカにおけるワイナリーの数は2009年には6357だったのが2020年には10742まで増えているのだとか。え、すごくないすか。現在6球団ずつのプロ野球セ・パ両リーグのチーム数が10球団ずつになるくらいのことがこの約10年で起きてる。
そして、カリフォルニアにはその約半数、4500を超えるワイナリーがあって、推定5億7000万ガロン≒21億5700万リットルのワインを毎年製造しているそう。ボトル換算28億本くらい。4500もワイナリーがあってそれが急増しているのであれば、そりゃ日本に入ってくるものより入ってこないもののほうが多いはず。
日本で買えるカリフォルニアの安旨ピノ・ノワールはこれ!
というわけで話は冒頭に戻って、米ワインメディアの選ぶ「30ドル以下で買えるカリフォルニアのピノ・ノワール12選」のうちいくつが日本でも買えるのか、という問題に戻る。調査のやり方はシンプルで、欧文表記のままGoogleのショッピング検索を日本語環境で行い、売られているものはどれかを調べるのをメインに、日本語でも検索してクロスチェックした(漏れがあれば教えてください)。この調査により、「12 of Our Favorite California Pinot Noirs for Less Than $30 we can buy in JAPAN」がわかるという寸法である。私、気になります!(米澤穂信『古典部シリーズ』より)
さて、結果を発表すると、12選のうち、日本で売られているのはわずか2種だった。意外と少ないような、そんなもんかという感じのような感じである。
まずひとつめはボーグル ピノ・ノワール(2017)。有名ブランドですね。やっぱり日本でも買えるというと有名どころになるすかね。現地価格は12ドルでありながら、91ポイントを獲得したとのこと。日本では2016ヴィンテージが売ってるみたいで、価格は安いもので2000円台前半といったところ。

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さて、もうひとつを発表する前にニアミスだったのがエデンリフト ヴァリアント ピノ・ノワール。日本では上位モデルにあたる「エステート」や「リザーブ」は売られていたが、当該ワインは売られていなかった。残念。
そして、もうひとつの「2/12」が「ラフォン SRH ピノ・ノワール(2017)」。SRHはサンタ・リタ・ヒルズの略称で、サンタ・リタ・ヒルズのテロワールにこだわるワイナリーなんだそうだ。現地価格は27ドルで、92ポイント。日本では3000円台から4000円台といったところ。日本での小売価格も現地価格に近いし、ちょっと気になる。
というわけで、今回の調査では、日本で買えるワインは元記事で選ばれた12のワインのうちの2つだけということがわかった。カリフォルニアのワイナリーの数は約4500であり、その16.6%は747。この調査では統計にもなんにもならないけれども「日本で買えるカリフォルニアのワイナリーの数は現在747です」って言われたら「なるほど」と言ってしまいそうな感じがする。実際のところどれくらいの数なんだろうなあ。ご存知の方、教えてください。
いずれにせよカリフォルニアにはまだ見ぬワイン、まだ見ぬピノ・ノワールが大量にあるのは間違いがない。いずれ足を運んで、日本では飲むことのできないワインを飲んでみたいものである。