ヒマだしワインのむ。

ヒマなのでワインを飲みます。ワインの知識はありません。

カロン・セギュール2002と2012を飲んでワインの熟成について考えた。【CHATEAU CALON SEGUR】

カロン・セギュールを飲みに恵比寿へ向かった

私がリスペクトするワイン賢人のうちのある方が、JR恵比寿駅のアトレにある成城石井系列のバル的な店でオーパス・ワンとそのセカンド、オーバーチュアの試飲ができるという情報をtwitterに載せていた。そしてどうやら、そのお店ではカロン・セギュールのヴィンテージ違いの飲み比べもできるようだ。カロン・セギュールは是非一度飲んでみたいと思っていたワイン。オーパス・ワンは先日試飲する機会に恵まれたこともあり、カロン・セギュール目当てで恵比寿に向かった。

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ワインを飲むためだけにどこかの街に向かうの超ワクワクする。高校生とかの頃にどこかの駅で女の子と待ち合わせするレベル。今の俺を待っているのは女子ではなくて赤ワインだけどな!

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オーパス・ワインとオーバーチュアの飲み比べ、カロン・セギュールのヴィンテージ違いの飲み比べなどできます。

東京メトロ日比谷線の駅を出て恵比寿駅の長いエスカレーターを上り、改札方面に向かった右手に、アトレ西館への連絡口がある。そこを通って入店すると左手にスーパーの成城石井があり、その向かいに今回行った店がある。店名は「ル バー ラヴァン サンカンドゥ アザブ トウキョウ アトレ恵比寿西館店」。名前長っ!

カロン・セギュール2002と2012でどう違う?

入店する前に目当てのカロン・セギュール飲み比べセット(2012と2002)があることを指差し確認し、レジで料金を支払うと、ほどなくしてカロン・セギュール2体が搬入されてくる。オーライオーライとばかりに待ち構える私の前に設置が無事完了し、いざ試飲スタートである。ちなみに私は店外の立ち飲みカウンターで飲みました。欠く30mlずつで、お値段は1680円。

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カロン・セギュール2012(左)と2002(右)のご様子。若干色味も違う感じしますねこれ。

さて、私の目の前には下手(向かって左)にカロン・セギュール2012があり、上手(向かって右)にカロン・セギュール2002がある。比べると気持ち2002のほうが色あせてる感じですかね。とはいえどちらもきれいなルビー色で大変良い。参考までに、2002はパーカーポイント89点、2012は90点。ついでにパーカーのヴィンテージチャートを見てみると、サンテステフは2002が88点、2012は92点だそうです。「点」でいいのかな単位。まあいいか。メドック格付け第三級、「サン・テステフのシャトー・マルゴー」ですよカロン・セギュール。タイのメッシ、みたいな感じのこの手の異名が私は大好きであります。下町のダルビッシュ、とか。

カロン・セギュール2002と2012を飲んでみた

まずは香りを楽しんでみると、意外と2002のほうがかわいらしい香りするなこれ。2012のほうは貴族が入る花を浮かべた風呂の洗い場に置いてある石鹸、みたいなわりとシャープな香りなのに対して、2002のほうは家の中で動物を飼っている友達の家に遊びに行ったらおやつにブドウが出てきた、みたいな親しみやすい香りがする。同じワインなのに割と全然違う香りだなこれ。面白い。

飲んでみても印象はまったく違う気がした。2012のほうはなんですかねこれ。ソルダムとか、すっぱ系のくだものみたいな、酸味が強くて甘みは主張しないんだけどうまいみたいな感じ。それに対して2002はその酸がおだやかになって、なんすかね。ブドウ茶っていうか、縁側に座って飲んだらしみじみうまかろうみたいなまろやかで丸みを帯びた味がする気がする。どちらも大変おいしくて、印象はまるで違うんだけれどどこかにたしかな共通点も感じられるのがすごい。

公式情報ではないので参考までにだが、2002の使用品種はカベルネ・ソーヴィニヨン65%、メルロー35%。2012はカベルネ・ソーヴィニヨン 60%、メルロー 30%、カベルネ・フラン 10%とのこと。この違いが味わいの違いを生んでいるのかもしれないし、熟成による変化なのかもしれない。このあたり私の経験・知識だと判断ができないのが残念。だけど楽しいなこれ。すごく面白い。

熟成と加齢とカロン・セギュール。そして人生が続く件

以下、適切なたとえでないことを承知で思ったままのことを記すならば、2012のツンとした酸は仕事イズマイライフのキャリアウーマン(32歳)。仕事は鬼のようにできるけど一切の馴れ合いを己に許さずプライベートは謎に包まれてるけど実はぬいぐるみ抱いて寝てますみたいなギャップ、それを思わせる果実味が最後の最後に出てきたのほんと最高と感じた。それに対して2002のほうはまさにそんな彼女の10年後だ。美しく年齢を重ねてすっかりツンがとれ、20代部下にロールモデル視される憧れの上司みたいになってる感。チャーミングな果実の味わいに頼る必要はもはやないのよねの体である。若いお姉ちゃんのピチピチ感もいいけれど、ちょっとこう、なんつーか、輪郭が曖昧になった美というのもまたあるじゃないですか。それです。

この2杯のワインを飲みながら私は思った。年をとるのも悪くないぞと。肉体は衰えるとしても好奇心が衰えない限り、むしろ楽しめることはどんどん増える。ビバ、加齢。バーのカウンターは勉強机であるとはよく言われることだが、駅ビルの立ち飲みカウンターのわずか10分から15分の滞在時間に、私はまさにワインに教わった。You、年を取るのも悪くないんだぜ、と。カロンセギュールが2002年から積み重ねた18年の時間の間に魅力的に変化したように。カレーは飲み物。加齢は熟成。

というわけで、大変楽しい試飲だったのであった。ワインは本当に面白い。16歳の頃、駅で女の子と待ち合わせするのも楽しかったが、今のほうが楽しい気がする。ワイン飲めるし。