甘口ワインとカルム・ド・リューセックと私
甘口ワインがすっかり生活のなかに定着してクオリティ・オブ・ライフが上がっている。1日の終わりに飲むと気持ちがスーッとして疲れがとれて幸福感が満ちてきて……とまるで摂取しちゃいけないタイプの薬物の説明かな? みたいな気分になる。甘口ワインが合法で良かった。
調べたところアルコールは眠りを浅くすると言われているため寝る直前に飲むことは本当は推奨しちゃいけないっぽいのだが、夜就寝前に少しだけ飲むと気分が落ち着いて本当にいい。まさに飲む風呂。リラックス効果としては風呂大なりイコール甘口ワインくらいの威力を持っていると私は思っており、風呂上がりに甘口ワインをちびちび飲みつつ本かなんか読んで眠くなったら寝る、みたいなルーティンを生活に取り入れることで毎日笑顔で暮らしている次第だ。ワインと空気がうまいなあ。
しかも甘口ワインは劣化しない。今回飲んだ甘口ワインはかれこれ2週間くらい飲んだらコルクを適当に差して冷蔵庫の牛乳の隣っていう甘口ワイン様には申し訳なさすぎる場所に戻すのを繰り返しているが、私の味覚レベルでは味の変化はほぼ感じられない。もちろん厳密にはもっとキチンと管理しなければならないんだろうけど、私のようなズボラな人間には運用がラクなのは大きなメリットだ。見た目はあざと系ギャルみたいな新人の女の子がトラブル発生時に長い髪を後ろで束ねるとモンスターエナジー片手に徹夜も辞さない覚悟を見せてこっちが逆にビビるみたいなところがある。い、意外とタフだねキミみたいな。
自己ベスト甘口はこれ↓
というわけでこのブログにもしばらく定期的に甘口ワインが登場すると思う。そして今回飲んだのがカルム・ド・リューセック。シャトー・ラフィット・ロスチャイルドが所有するソーテルヌの格付け第一級、シャトー・リューセックのセカンドワインで、そんなもう完全に貴族の飲み物みたいな出自のわりに750ml入りが3000円台で余裕で買える。私はセール時期に買ったこともあり、正直ハーフを買ったつもりでフルボトルが届いてビビッたというお手頃具合だった。ハーフだったら1000円台で変えちゃうんですよ奥様!
ラフィットとソーテルヌとカルム・ド・リューセック
「ソーテルヌのワインはすばらしいから自分たちでも所有したいと思った。そしてリューセックのワイン畑は並外れている」
(バロン・エリック・ド・ロスチャイルド)
これはラフィットドットコムのリューセックカテゴリをクリックすると出てくる文言だ。「欲しいと思ったから買った」感があってすごい。
18世紀の修道士にちなんで名付けられたというカルム・ド・リューセックは80-90%がセミヨン、10-20%がソーヴィニヨンとミュスカデルのブレンドで造られ、私が飲んだ2011ヴィンテージは84%セミヨン、12%ソーヴィニヨン、4%ミュスカデルという比率で。樽熟成は18カ月行うとある。ちなみにファーストワインはセミヨンの比率がやや高く、樽熟成期間が18-26カ月と長く、50から55%の新樽を使用するのだそうだ。
さて、ソーテルヌといえばシャトー・ディケムが有名。で、調べたところによればリューセックはそのディケムのすぐ近くにあるんだそうだ。ほほう。どれくらい近いのか、グーグルマップで調べてみた。
ちっか。まさにお隣。普通に徒歩圏内。小田急線の下北沢駅と世田谷代田駅間を思わせる近さ。もちろんこれだけ近くても土壌やらなにやらに違いはあるんだろうし、近いからどうだこうだみたいなことは軽々に言えないけれどもとにかく近いことはわかり、この地で育ったブドウで造られるワインが3000円とかで飲めるのはなんかラッキー感が出てきた。ソーテルヌのワインを購入したのは初めてで、本場の甘口ワインがどんな味わいなのかとても楽しみ。いざ、飲んでみよう。
カルム・ド・リューセックを飲んでみた
グラスに注いでみると、うーん実に美しいハチミツみたいな色。太陽みたいな陽性のオーラがグラスから漂ってくる。そして、甘口ワインは柑橘系とか梅とかのスッパ系のニュアンスが魅力だと私は思っているのだけど、このワインに関してはわりと真っすぐ蜜路線。甘ずっぱ系ではなくて、甘い飲み物、という印象を強く受ける。お酒を飲んだ経験の少ない人に「これはハチミツでできたお酒だよ」と言って飲ませたら絶対信じるでしょこれっていう味だ。うーん、おいしい。疲れがとれる。
これがハーフなら1000円台っていうのはちょっとおかしいんじゃないかっていうくらいお得感がある。普段飲まない人へのちょっとしたプレゼントとか、甘口ワイン試してみたいなーっていうときに非常にいいんじゃないかなこれは。ちゃんとしたやつだし。
そんなこんなで私が購入した2011ヴィンテージは、毎晩チビチビ飲み続けた結果750ミリリットルがようやくなくなろうとしている。次はどんな甘口ワインを買おうかとネットを巡回する時間がまた楽しかったりするのであった。たまりませんな!
- 価格: 3828 円
- 楽天で詳細を見る
ファーストワインもそこまで高くないのでいつか飲みたい。