ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

コノスル ブラン・ド・ブラン ブリュットを飲んでみた。

コノスル ブラン・ド・ブラン ブリュットを買ってみた

池袋の街を歩いていたら見慣れないコノスルのボトルがあったので買った。「コノスル ブラン・ド・ブラン ブリュット」がそれだ。コノスルはチリ大手のコンチャ・イ・トロが手がける輸出用ブランドで、自転車のマークと異様なまでの高品質で有名。私がワインにハマったきっかけのひとつで「安ワインはコノスル飲んどきゃOK」とまで言われることもしばしば。ほんとこれ。

コノスル ブラン・ド・ブラン ブリュットを飲みました。

私も好きなので過去に色々飲んでおり、その過程で色々調べてもいるのだが、「あれ、ブラン・ド・ブラン」なんてあったっけ? となった。コノスルのスパークリングワイン(以下、泡)は「ブリュット」があり「ロゼ」があり、その上位レンジとして「センティネラ」がある。

「センティネラ」は恥ずかしながら未飲なのだが、ブリュットとロゼは飲んだことがあり、スティルワインの素晴らしさに対して特筆すべき点はないなと思っていたごめん。

 

コノスル ブラン・ド・ブラン ブリュットはどんなワインか

さて、ブラン・ド・ブランだ。「コノスルのBdBはセンティネラのラベル違い」というウワサもあるようだが、実際のところはどうなのだろうか。

まずどんなワインか、輸入元の株式会社スマイルの商品ページで調べてみると、96%ステンレスタンク、4%樽で一次発酵を行い、リキュール・ド・ティラージュ(ワインと酵母と糖を混ぜたもののことだとか)を加えて瓶内二次発酵後、26カ月熟成させたというワイン。希望小売価格は1800円とある。品種はもちろんシャルドネ100%だ。

ではセンティネラはといえば、ブラン・ド・ブラン同様96%ステンレス、4%樽で発酵、瓶内二次発酵後24カ月熟成とある。造りはほぼ同じみたいだが、希望小売価格は3000円と高い。

価格がこれだけ違えばラベル違いということはなさそう。じゃあ両者はなにが違うのか? わからないので株式会社スマイルにメールで問い合わせてみたところ、以下のような神回答としかいえない回答が返ってきた。ブログで公開する旨はお伝えしてあるので、そのまま公開してみよう。えいっ。

 

コノスル ブラン・ド・ブラン ブリュットについて聞いてみた

【葡萄の生産地について】
両商品ともに最高品質のシャルドネ種が栽培されるカサブランカ・ヴァレー産の葡萄を使用しております。
同じカサブランカ・ヴァレー内でも、海に近いエリアは寒流の影響で内陸側に比べてより冷涼な為、果実味と酸のバランスが優れた、スパークリングワインに適した葡萄が出来るとされております。

「コノスル センティネラ ブリュット ブラン・ド・ブラン」はカサブランカ・ヴァレー内でも海に近い、「エル・センティネラ農園」という限られた栽培地の葡萄のみを使用した単一畑産のスパークリングワインで、そこから商品名が名付けられております。

「コノスル ブラン・ド・ブラン ブリュット」につきましては、エル・センティネラ農園産に限定せず、「カサブランカ・ヴァレー」全体の、その土地らしさを表現したワインでございます。

なるほど! エル・センティネラ農園はコノスルの「シングルヴィンヤード シャルドネ」のブドウなどが生産されるヴィンヤード。シャルドネの名産地のブドウが使われているわけですね。つまり「センティネラ」は“シングルヴィンヤード”だったのだ若干ややこしいけど。

himawine.hatenablog.com

 

コノスル ブラン・ド・ブラン ブリュットは「日本企画」のワインだった

株式会社スマイルからの回答は続く。

【スタイルについて】
「コノスル センティネラ ブリュット ブラン・ド・ブラン」は、コノスルが初めて手掛けた伝統製法のワインで、豊かな果実味と熟成感、綺麗な酸や海のミネラルのニュアンスがある、豪華さと繊細さが両立されたスタイルでございます。1つの畑のみの葡萄を使用しております為、生産量に限りがある、プレミアムレンジの商品でございます。

「コノスル ブラン・ド・ブラン ブリュット」は、より多くの方にコノスルの新しい試みを味わって頂きたく、「コノスル センティネラ ブリュット ブラン・ド・ブラン」で得た知見を元に日本側の要望から生まれました。
よりお買い求めやすい価格でも品質には妥協せず、伝統製法で長期熟成を経てリリースされた商品でございます。伝統国のスパークリングワインのような繊細な泡立ちで、フレッシュ感と熟成感のバランスに優れた味わいです。

というわけでブラン・ド・ブランは日本企画の商品だったこともわかった。日本はシャンパーニュの3番目に大きい輸出国。「瓶内二次発酵」というワードも「だからどうなる」という部分はイマイチわからないまま(私の話ですが)珍重される傾向が強いんだと思う。ラベルに大吟醸って書いてあったら無条件でうまそうに感じるみたいな。

また、上の回答のなかに「伝統国のスパークリングワインのような繊細な泡立ち」という記述があるが、この場合の“伝統国のスパークリングワイン”とはもちろんシャンパーニュのことだろう。

コノスルはブルゴーニュから醸造家を招聘するなどしてピノ・ノワール造りに力を入れており、他の品種も造りはフランスを意識している(気がする)。ならば瓶内二次発酵で泡を造るならば当然狙うはシャンパーニュになるはずだ。

私個人の勝手な印象に過ぎないが、チリは冷涼品種がおいしい。冷涼な土地で造られる“伝統国のスパークリングワイン”へのチャレンジは大賛成だ。

 

コノスル ブラン・ド・ブラン ブリュットを飲んでみた

さて、じゃあそんなコノスル ブラン・ド・ブラン2015を飲んでみるとどうなんだという話なのだがこれがちょっとまあ値段に対して仰天するほどおいしかったのだった。

泡立ちは非常に弱め。弱めなのだがそれは非常に細かいということでもあり、飲んでみるとしっかりシュワシュワ。香りはシャンパーニュに期待される香りからパン屋成分を減少させた印象。2015ヴィンテージなので軽く熟成感もある。

なんというか、シャンパーニュが料理だとしたらそこから調味料を一種類だけ抜いた感じ。寿司にたとえるなら同じ材料を大将ではなく見習いが握った感じで、若干の物足りなさはあるけれどもジェネリックシャンパーニュとしてこれは非常にアリだ。

なにしろ買い値は1500円くらい。シャンパーニュが完全栄養食でほかになにも食べる必要がないとかでない以上、毎晩シャンパーニュを飲んでいたら破綻必至の我が家の財政状況を勘案すると、この価格は大変ありがたい。コノスルさんさすがっす。

というわけでコノスル ブラン・ド・ブラン、見かけたら是非。私は次は「センティネラ」を飲んでみます。