ルイ・ロデレール コレクション242を飲みにエノテカ ミレへ
ルイ・ロデレールがスタンダードキュヴェをブリュット・プルミエから「コレクション」に変更したのが2021年10月。先日銀座でちょっと時間が空いたのでエノテカ銀座店併設のカフェ&バー エノテカ ミレでその最新キュヴェ「コレクション242」を飲んでみた。
さて、グラスを待つ間私は思った。ところで「242」ってなんだろう、と。調べてみると公式サイトに「『コレクション242』は、メゾンの創業以来行ってきた242回目のアッサンブラージュを表します」という文言があった。なるほど。1776年創業のルイ・ロデレールが242回目につくったキュヴェってことか。クリュッグのエディションナンバーみたいな。
さらに公式サイトを読み込むと、コレクション242の骨子は「アッサンブラージュの見直し」にあるようで、その核となるのが「パーペチュアル・リザーヴ」というワインであることがわかる。
通常のリザーヴワインは「その年に造られたワイン」だが、エノテカのニュースリリースによれば、それに対してパーペチュアル・リザーヴとは、2012年以降毎年ワインを継ぎ足して熟成させた、焼き鳥屋の秘伝のタレとか寿司屋必殺のアナゴのツメ、みたいなワインのことなんだそうだ。
その年に収穫されたベースワインに、大樽で熟成させたリザーヴワイン、そしてパーペチュアル・リザーヴワインを加えることで、繊細かつ複雑な味わいを実現しているとある。おもしろー!
ルイ・ロデレール コレクション242はどんなワインか
ちなみにアッサンブラージュの比率もバッチリ書いてある。パーペチュアル・リザーヴが34%。2009、2011、2013、2014、2015、2016のヴィンテージの大樽熟成リザーヴワインが10%。そして残り56%がベースワイン。ベースワインは2017年収穫だ。
パーペチュアル34+リザーヴ10+2017VT56=コレクション242
ということですね数字ばっかりで全然わかりやすくなってないのは知ってる。
ベースとなる2017ヴィンテージはシャルドネ主体とのこと。これは後からボトルの裏のQRコードを読み取って得た情報だが、そのセパージュはシャルドネ42%、ピノ・ノワール36%、ムニエ22%という比率だそうだ。
じゃあブリュット・プルミエはどうだったのかといえば、まずセパージュはピノ・ノワール40%、シャルドネ 40%、ムニエ20%だから大体同じ。マルチヴィンテージだがリザーヴワインはどの年のワインがどれくらいの比率で加えられているのかは不明だ。34%加えられたパーペチュアルワインの存在と、情報開示の大きな差がコレクションとブリュット・プルミエの大きな違いっていう気がする。
さて、以上のような情報をポチポチ調べていると、すでにグラスに注がれた状態でコレクション242がやってきた。信じられないくらいどうでもいい情報だが私は秋に症状が出るタイプの花粉症。鼻のコンディションは10段階で3.5くらいの状態だが、それでもスタッフの方の接近が、そのまま「香り」そのものが近づいてくるように感じられるくらい香りのボリュームが大きい。こりゃいいぞ。
ルイ・ロデレール コレクション242を飲んでみた
提供温度が若干高めで、キンキンに冷えたみたいな状態じゃないことも最初から香りがドカンとくる要因なんでしょうか。飲んでみると、柑橘っぽい印象とパン的印象、そしてちょっとの苦味のバランスがめちゃくちゃ良く、これは文句なく非常においしいシャンパーニュ。
ブリュット・プルミエの豊かな果実味は影を潜め、シャープでキリッとした酸味が全体を引き締める。味の中心が果実から酸に移った印象で、かつ複雑さが増したように感じて私はこちらのほうが好み。シャンパーニュを飲んでいる。そして生きている。みたいな気分にさせてくれるたしかな存在感のあるワインだなに言ってるか自分でもよくわかんないけど。
実はこの日ちょっと気がかりなことがあって私はテンションが低かった。世俗の垢が心中に自然派ワインの澱のように堆積した状態で飲んだのだがコレクション242を飲むことでそのモヤモヤが雲散霧消した。すべての悩みをいっとき忘れ、店員さんと「うまいっすね、こりゃあ!」みたいにウヒョーの体で会話してた。「悩みとかないんだろうなあ、この人」と思われたに違いないが誤解だ。ルイ・ロデレール コレクション242の効果・効能である。いいシャンパーニュは心を洗う黄金色の洗剤。
というわけで大満足の100ml1760円1本勝負だったのだった。「コレクション243」も楽しみだし、コレクション242が時を経てどんな表情を見せてくれるのか、そっちもとっても楽しみだ!