シャンパーニュメゾン・テタンジェのトップキュヴェ「コント・ド・シャンパーニュ」。最高峰のブラン・ド・ブランの一角に数えられるこのシャンパーニュについて、詳しく調べてみました。 [pr]
「テタンジェ・ブラン・ド・ブランをくれ…有名じゃないが、世界一のシャンパーニュなんだ。」(1952年出版のジェームズ・ボンドシリーズ第1作『カジノ・ロワイヤル』より)
「我が国にこれほどの飲み物はない!」(ドゴール元帥によってランスに招待されたフルシチョフが、コント・ド・シャンパーニュ1955年を飲んで思わず漏らした一言)
コント・ド・シャンパーニュはどんなワイン?
さて、シャンパーニュ好きの間でしばしば議論となるのが、「どのシャンパーニュが一番好きか」ということだと思う。その問いに対し、私はつねにこう答えることにしている。「コント・ド・シャンパーニュ一択っすね」と。

そう、なにを隠そう私はテタンジェのトップキュヴェ、コント・ド・シャンパーニュが大好きだ。
コント・ド・シャンパーニュのすごさは1行で伝えることができる。ジェームズ・サックリング100点ワインなのだ(2008年ヴィンテージ)。シャンパーニュで100点ってあんまり聞かなくないすか。ちなみにワインアドヴォケイトは98点。2011と2012ヴィンテージはサックリング99点。それがコント・ド・シャンパーニュだ。すごい。
というわけで、今回はみんな大好き、コント・ド・シャンパーニュのお話。どんなシャンパーニュなのか、さっそく調べていこう。
コント・ド・シャンパーニュとシャンパーニュ伯ティボー4世の伝説
さて、みなさんはコント・ド・シャンパーニュがどんな意味かご存じだろうか。答えはシャンパーニュ伯。具体的にはシャンパーニュ伯ティボー4世のことを指すことは、シャンパーニュ好きにとっては常識と言っていいだろう(注:いま知った)。

ティボー4世の時代のフランスは、中央集権的な国家ではなく、フランス王領を除いてはノルマンディー公、ブルゴーニュ公、そしてシャンパーニュ伯などが半独立的な領土を治める領邦国家だった。つまり、シャンパーニュはフランス王国の一部ではあったが、フランス王の直接支配領ではなかったということになり、シャンパーニュ伯はときにフランス王よりも豊かで権力があったとも言われているのだそうだ。大丈夫もうすぐワイン話になります。
ティボー4世には伝説がある。1239年、十字軍の遠征に出た彼はブドウの苗木を持ち帰る。彼は「シャルドネの聖地」と言われるシャンパーニュ地方のコート・デ・ブランにその苗木を植える。そして、そのとき植えられた苗木こそがコント・ド・シャンパーニュにも使われているワイン品種・シャルドネの祖になったと言われているのだそうだ(伝説的な話みたいです)。

そしてシャンパーニュメゾン・テタンジェは、シャルドネの袖あるティボー4世に敬意を称し、ブランド最高峰のブラン・ド・ブランを「コント・ド・シャンパーニュ」と名付けた……というのがコント・ド・シャンパーニュのディスクリプション。ちなみに、命名に当たってはちゃんとティボー4世の末裔に許可をとったそうです。
コント・ド・シャンパーニュの醸造とその味わい
さて、ここからがワインの話だ。コント・ド・シャンパーニュは、ティボー4世がシャルドネの祖先を植えたとされるコート・デ・ブランが誇る5つのグラン・クリュ、すなわちアヴィーズ、シュイイ、クラマン、オジェ、メニル=シュル=オジェの5村のブドウを使い、100%シャルドネのみで造られるブラン・ド・ブラン。醸造においてはファーストプレスの果汁のみを使い、5%はオークの新樽で熟成。瓶詰め後10年以上を白亜の坑道で過ごしたのちにリリースされる。
その味わいはとにかく徹頭徹尾クリーミー。以前私はそれを「極上栗マロン蜂蜜レモン味」という国語の偏差値7.5くらいの語彙で表現したことがあるが、熟成したブラン・ド・ブランのふくよかなおいしさ、その魅力のほぼすべてがコント・ド・シャンパーニュには詰まっていると思う。私の貧乏舌でブラインドで当てられる可能性のある唯一のプレステージシャンパーニュ、それがコント・ド・シャンパーニュ。豪奢で、深みがあり、シリアスなのにどこかチャーミングでもある。シャンパーニュを飲む喜びを味わいまくれるワインだと思う。ほんとに。
ちなみにティボー4世、シャルドネの他にもヨーロッパに持ち帰ったものがあり、それはダマスクローズ。それはいま、土着品種と交配されて広がり、現在ヨーロッパ中で生息する全てのバラの原形となっているそうだ。ヨーロッパにシャルドネとバラを植えた男。その名を冠したのがコント・ド・シャンパーニュなのだ。ロマンチックすぎるぜ。
もしまだ飲んだことのない方がいたら、ぜひ一度コント・ド・シャンパーニュを。さすがにちょっとお高いのが玉に瑕ではあるが、最高峰のブラン・ド・ブラン、ちょっと背伸びして、人生に一度は飲んでおきたいシャンパーニュのひとつだと思う。
