ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

このコノスル知ってる? 「コノスル オーガニック グランレゼルバ カベルネ・ソーヴィニヨン」を飲んでみた。

コノスル オーガニック グランレゼルバ カベルネ・ソーヴィニヨンってなんだ?

電車に乗っていたらコノスルの広告が掲示されていた。「コノスルの広告が掲示されているなあ」と旧友に再会したような気持ちで眺めていると、1本見慣れないワインが掲載されていることに気がついた。コノスル オーガニック グランレゼルバ カベルネ・ソーヴィニヨンだ。

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コノスル オーガニック グランレゼルバ カベルネ・ソーヴィニヨンを飲みました。

ここでコノスルのラインナップを確認しておくと、まずエントリーレンジとしてヴィシクレタがあり、その上の価格帯にオーガニック、さらにはリゼルヴァ・エスペシャル、シングルヴィンヤード、20バレル、プレミアムなオシオ、シレンシオと続いていく。

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「コノスル オーガニック グランレゼルバ カベルネ・ソーヴィニヨン」は名称からすればオーガニックシリーズなのだろうが、ほかの価格帯にもついていない「グランレゼルバ 」という文言までついててなんですかね。小型車にエアロパーツフル装備してギュンギュンにしてるみたいな感じがする。これは気になる。飲みたい。と、電車を降りるや近所のコノスルの品揃えが豊富なスーパーに向かったが、うーん残念。ない。

じゃあってんで近所のコノスルの品揃えが豊富な酒屋に向かうもそこにもない。別のスーパーにもない。どこにもない。こうなるとなんとしても欲しくなってこれはどこに行けば買えるのか? と問い合わせてみたところ、夏に発売されたばかりで本国公式サイトにはまだ掲載されてもいないこのワイン、これから販売に力を入れていくところなのだそうで、都内で「確実に買える」というお店は私の自宅からまあまあ遠い武蔵野エリアの1店舗のみなのだそうだマジか。「今日飲む」のはどうやら無理っぽいのでネットで注文することとした。

コノスル オーガニック グランレゼルバ カベルネ・ソーヴィニヨンの立ち位置

さて、注文したものが届くのを待つ間にワインについて調べてみると、「コノスル オーガニック グランレゼルバ カベルネ・ソーヴィニヨン」の立ち位置がかなり特異なものであることに気づかされる。まず価格だ。希望小売価格は1650円。これは、同じカベルネ・ソーヴィニヨンで比較した場合、上級レンジのレゼルバ・エスペシャルの1280円よりも高く、その上のシングルヴィンヤードの1950円に迫る価格だ。価格だけで見ると、レゼルバ・エスペシャルとシングルヴィンヤードの両山脈の間に位置する単独峰、ひとり親方状態である。

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このワインのブドウが栽培されているのはコノスルのメインワイナリーがあるコルチャグア・ヴァレーのサンタ・エリサ葡萄園。広さは300ヘクタールで64東京ドーム。90万7498坪。よくわかんないけどとにかく広い。その広い葡萄園の中の有機栽培畑で栽培されたブドウを厳選し、樽で14カ月、ステンレスタンクで1カ月熟成したのがこのワインなのだそうだ。ちなみに熟成期間だけで見ればシングルヴィンヤードシリーズと同じだから、“贅沢な造り”と言っていいんじゃないかって気がする。

ちなみにブドウ品種は単一ではなくて、カベルネ・ソーヴィニヨン85%、シラー15%だそうだ。うーん楽しみ。どんな味なんだろう。というわけで、ほどなくして自宅に届いたそれを飲んでみることとした。

コノスル オーガニック グランレゼルバ カベルネ・ソーヴィニヨンを飲んでみた

さて、グラスに注いでみるとやや濃いめ、ぐらいの赤紫色。香りは(意外にも)さほど強くない。でもって飲んでみると渋みが強め、酸味もあって、果実味もなくはなく、味はなんですかね、全体に薄め。蕎麦つゆでたとえるならば、しょうゆもみりんもしっかり入ってるんだけどカツオ節の量が足りないみたいな感じがどこかにある。あれおかしいな。スーパーで前情報なしで買った同価格帯の金賞ボルドーワイン的な味わい。もう少し濃い・甘い・旨い的な吉野家の牛丼的おいしさを期待していたのだ。

つまみを指差し確認すると、やべえ酢の物と合わせちゃった、とかってこともなく、ひき肉たっぷりのラザニアで、どピッタリかどうかはともかくとして、まあ無難。

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シラーが入って若干スパイシーな感じもするので、もしかしたらスパイス感のある料理と合うのかもしれない。というわけで初日は半分ほど飲んだところでやめ、残ったものを賞味期限の切れたやべえウインナーっていう冷蔵庫の最終兵器的なやつと合わせてみて、最終評価とすることとした。

さて、スパイシーなそのウインナーをフライパンの上でコロコロ転がし、適度な焼き目がついたところで皿に移したそれとともにワインを再度飲んでみると、おお、おいしい。初日より明らかにおいしい。スパイシーなワインとスパイシーな料理の互いに引き合う作用を詳しく分析したら新しい素粒子かなんか見つかるんじゃないかってぼく本当に思うんですよってくらい合う。2日目にきて出たぞコノスルクオリティ。どこからか出てきたぞ味の骨格。

というわけで、コノスル オーガニック グランレゼルバ カベルネ・ソーヴィニヨンは、コノスルらしい開けた瞬間からおいしく、最後の一滴までそれが変わらないという感じは意外となく、わりとしっかり時間をかけて、料理もキチンと合わせて真価を発揮するっていう、値段のわりに本格感のある、というかそういう感じを要求するワインだった。子どもが図書館で借りてきたジュニア向けミステリの論理構造がいやに複雑かつ堅牢でどれどれと読んでみた自称ミステリ好きのお父さんが思わず戸惑う、みたいな戸惑いを感じたがそれもまた乙。話のタネに、機会があればぜひ。

まだネットでもあんまり売ってない↓

終売のレゼルバ・エスペシャル ゲヴュルツトラミネール、だいぶ数が減ってきた感↓

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