ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワイン歴2年のワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

誕生から145年! G.H.マム「コルドン・ルージュ」を飲んでみた。【G.H.Mumm Cordon Rouge】

G.H.マムの“CEO”の名前をご存知か

シャンパーニュ、G.H.マム社のCEOの名前をあなたは100%の確率で知っている。え、知らないけどと思うかもしれないが、知っているのだ。その名はウサイン・ボルト。人類200万年の歴史上もっとも足が速い人物であるボルトは、2016年にG.H.マムのCEOに就任している。ただしChief Entertainment Officerね。内閣掃除大臣みたいなもんですかね。ダジャレかよ。ちなみに2019年にはボルトとコラボしたシャンパーニュ「マム オランプ ロゼ」もリリースしてるみたい。以上、ワインバー等で使えるタイミングでお使いいただきたい小ネタのコーナーを終える。

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G.H.マム コルドン・ルージュを飲みました。

さて、シャンパーニュに24あるグランドマルクのスタンダードシャンパーニュを飲む企画もボランジェ、テタンジェ、ルイ・ロデレール、ポメリーときて5回目。今回はG.H.マムのコルドン・ルージュを飲んだ。

G.H.マムの歴史

G.H.マムは1827年ドイツ出身の三人兄弟が設立。1852年に三兄弟の一人、ジョルジュ・エルマン・マムが会社を引き継いだ際に頭文字に由来してG.H.マムとなった。

赤いリボンが有名なコルドン・ルージュはレジオンドヌール勲章受賞者に授与される赤い綬からヒントを得たのだそうだ。

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左がレジオンドヌール勲章。右がウサイン・ボルト。何の関係もないようで、実はどちらも「マム」とつながる。

レジオンドヌール勲章はナポレオンが制定した、フランスの最高位勲章で、「綬(じゅ)」っていう言葉の意味もついでに調べると、「勲章・法相・記章などをさがるひも。また、勲章の種類」だそうだ。勉強になる。

ここまでがwiki情報。続いて公式サイトを調べてみよう。

himawine.hatenablog.com

 

G.H.マムとブドウ調達

面白いなーと思ったのは、マムと生産者の関係。なんでもマムは、「未発酵のジュースではなく、(中略)直接ブドウを購入する」ようにしたんだとか。それによってブドウの品質を確認し、果汁を自分たちで搾ることができるようになった。それは、「当時としては前例のない供給方針」だったのだそうだ。

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1879年のティラージュ(瓶詰め)の様子。このあと瓶内二次発酵するわけですね。

オーパス・ワンをつくったロバート・モンダヴィも地元の農家と交渉して高く買うからとにかくブドウの質を上げてくれと言いまくったと自伝に書いてあるけれど、伝説的なワインの背景にあるブドウ農家との交渉話がプロジェクトX感があって私は好き。

シャンパーニュの歴史を調べていくとA社がXを導入し、B社がYを開発し、C社がZを発見し……みたいなことが重なり合って、品質が螺旋的に向上していく様子が見られて大変面白い。マダム・クリコがデゴルジュマンを編み出し、マダム・ポメリーがブリュットを開発し、マムはシャンパーニュでジュースではなくブドウを買った!

 

G.H.マム コルドン・ルージュはどんなワインか?

さて、1876年に誕生したコルドン・ルージュは、ピノ・ノワールを中心に、シャルドネ、ムニエをブレンドし、セラーで20カ月以上熟成して造られるというキュヴェ。そしてどうやら145年前は実際にリボンがかかってたみたいですねこのボトル。1881年から、ボトルにリボンがデザインされるようになって今に至るようだ。

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1923年の広告。コルドン・ルージュは「トレ・セック」って書いてある。当時は残糖が多かったとかなんでしょうか。教えて詳しい方。

使われているブドウ比率はピノ・ノワール45%、シャルドネ30%、ムニエ25%。以上のようなところで調査を終え、飲んでみることとしよう。

 

G.H.マム コルドン・ルージュを飲んでみた

というわけで、今週も無事に日曜日を迎えられたことを祝してマム コルドン・ルージュを開けることとした。安いワインではないので、本来は誕生日やらなにかの記念日やらに開けるべきなのかもしれないが、誕生日やらなにかの記念日はすでにしてめでたいハレの日。シャンパーニュを抜栓すると、その辺に転がってる駄日曜日が誕生日・記念日格に格上げされるので大変お得だ。AOC日曜日がAOCシャンパーニュを飲む日・グラン・クリュに格上げされるみたいなイメージ。なので週末はシャンパーニュを飲むべきなんだそうなんだと己に言い聞かせて贅沢しちゃう次第だ。

グラスに注いでみるとうーん美しい。非常にキレイな黄金色。ギラギラ派手な、ラッパーが首にかけてるブリンブリン的な金ではなくて、すごく滑らかで少しだけマットな金のプレートのような落ち着いた金色の液体。身長1センチくらいの小人がグラスの底で必死にストローから息を吐いてるみたいな非常に細かい泡が立ち上がってくる。香りは、おお、パンっぽい。

そして飲んでみるですね。これは私が飲んだシャンパーニュ史上もっともパン。クラッカーの上に薄く切ったペコリーノロマーノを乗せたやつを食べてたんですけどそれと合わせるとさらにパン感が高まる。

泡は見た目通りにめちゃくちゃ細かく、プチプチ系ではなくシュワシュワ系。そしてフレッシュな果実味というよりも甘さ控えめに煮たリンゴとパン的なコクのある味わい。私は過去飲んだなかではテタンジェの三角定規の頂点みたいなとがった酸味が一番刺さったのだが、味の方向性としては真逆っぽいこのコルドン・ルージュも非常においしかった。

シャンパーニュのグランドマルクのスタンダードシャンパーニュ完全制覇まで残りは19メゾン。2022年中の完走を目指して、のんびり続けていきたい。サロンどうしようマジで(金額的な意味で)。

※本記事中の写真は一番上のものは©️ヒマワイン。残りはパブリックドメインです。