ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

ピノ・ノワールで造った白ワイン“ホワイト・ピノ・ノワール”はどんな味? 実際に買って飲んでみた!

ピノ・ノワールで造った白ワイン「ディープブルー」を買ってみた

ドイツはナーエの造り手、テッシュの「ディープブルー」を飲んだ。なんでディープブルーかというと、ブドウ畑のあるマインツ盆地が3000万年前は海の底で、畑からサメの骨がたくさん見つかったからなんだそうな。

そしてこのワインはピノ・ノワールで造った白ワイン。シャンパーニュでいうブラン・ド ・ノワール。もともと海の底にあった畑だし魚介類に合うワインを造ろうよ、よっしゃ白にしちゃうかピノ・ノワールを! みたいな経緯で造ったようだ一部想像を交えているけれども。

 

ホワイト・ピノ・ノワールとはなにか?

さて、ピノ・ノワールで造った白ワインを飲むのははじめて。ということで調べてみるとWINE FOLLYの記事に「ザ・ガイド・トゥ・ホワイト・ピノ・ノワール」というそのものズバリの記事があった。読んでみると、そこには「白ワインとしてのピノ・ノワールは、シャルドネと同等の複雑さと熟成の価値があります」とある。ホントかよ。

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テッシュの「ディープ・ブルー」を飲みました。

なんでも、本来赤ワイン用ブドウであることから「多くの白ワインよりもリッチな味わい」になるのだそう。色は「淡いホワイトゴールドから、サフランイエロー」までさまざまで、味わいはアルザスシャンパーニュなら「爽やかで、酸味が強く、軽やか」でありオレゴンやカリフォルニアならば「オレンジブリュレの砂糖漬けのような風味と、焼きリンゴのような口当たり」が特徴になるのだそうだ。特徴が産地で違いすぎてすごい。

 

ホワイト・ピノ・ノワールとホワイト・ジンファンデル

さらに調べるとワインエンスージアストに「ザ・キュリオス・ストーリー・オブ・ホワイト・ピノ・ノワール」と題された記事があった。それによると、ピノ・ノワールの「白」と「ロゼ」の違いは収穫時期の違いにあるようだ。具体的には、「ロゼよりもずっと早くシャンパーニュ地方の熟度でブドウを収穫」するとある。ブドウが熟して果実味が出てくる前、酸味の強い状態で収穫して仕込むってことなんですかね。ある生産者は、冷涼で雨の多かった年に十分に熟さなかったピノ・ノワールを仕方なしに白ワインにしたところ、「低アルコール、明るい酸味、リースリングのようなアロマとフレッシュさ」を持った「完璧なピクニックワイン」となったと書いてある。

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アメリカではジンファンデルのロゼをホワイトジンファンデルと呼ぶというが、ホワイトジンファンデルも同じような経緯で偶然生まれたと以前読んだ記事にあったから、似たような経緯で生まれたわけですね。なんかこう、こういう転んでもただでは起きない的なアメリカのことわざがあったような……と調べてみたら、「人生がレモンを与えたならば、レモネードをつくりなさい」という言葉が出てきた。

神に与えられたのがすっぱいレモンでも、努力を怠らなければおいしいレモネードを造ることができるしホワイト・ピノ・ノワールだって造れるのだ。ガッツで。アメリカ人はガッツがあるなあ。

とにもかくにもホワイト・ピノ・ノワールは、熟度の低い状態の果実を用い、果汁と皮が触れないようにして、主にフリーランジュースを用いて造るんだそうだ。皮とか種子が果汁と触れた状態で醸すとロゼになったり赤になったりするわけだと思うので、それをしないのがホワイト・ピノ・ノワールということになるのだろう。

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ドイツのホワイト・ピノ・ノワール、テッシュ「ディープブルー」を飲んでみた

今回飲む「ディープブルー」はシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)100%でアルコール度数は13度。公式サイトによれば現地価格は10.9ユーロ。果たしてどんな味わいか、いざ飲んでみよう。

というわけでちょっと開けにくいスクリューキャップを開けてグラスに注いでみるとですね、色あいはオレンジとピンクの中間……というかピンク。ロゼじゃないのこれ。それを言ったら身もフタもないけれども。いやでもこれはピンクだよなー。桃色。

ともあれ気を取り直してグラスの中身をクンクンしてみると、面白いことにちょっとシャンパーニュ的な華やかで香ばしい香りがしたような気がした。ブラン・ド・ノワール感なきにしもあらず。

飲んでみても味わいはすごくいい。言ってしまえば白と赤の中間地点でやや白より。酸味がしっかりあるからスッキリサッパリ飲めるんだけど、赤品種ならではの渋みとかほのかな苦味もあって、全体に果実味も感じられてロゼじゃないこれ?

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vivinoの点数は3.8。普通に高評価

というわけで、味の印象は「ロゼ感あふれる白」という感じ。色だけ見ればオレンジっぽくもあるのだが、オレンジワインではありえないので、限りなくロゼに近い白ワインというべきだろうか。というより、正直にいえば「白っぽいロゼ」という印象なんだけどまあいいか細かいことは。おいしいし。ちなみに、やはりドイツのワインだけに、オレゴンやカリフォルニアのホワイト・ピノ・ノワールにあるという「オレンジブリュレwith焼きリンゴfeat.ハチミツ」みたいな印象はまったくなく、爽やかで酸味の強いスタイル。それでもしっかりコクがあるのが赤ワインで造る良さなのだろう。

今夜は白も赤も飲みたいな、6.5:3.5くらいの割合で、みたいな夜に1本でまとめてくれるような良さがこのワインのいいところなように気がする。それロゼじゃない? という気がしなくもないけど。とにかくおいしいロゼでした(あっ)。

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