ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

ジョセフ・ドルーアンの「ヴォーヌ・ロマネ」「ジュブレイ・シャンベルタン」「シャンボール・ミュジニー」を飲み比べしてみた(ビックカメラで)。

ジョセフ・ドルーアンのワインを飲み比べ

ある日、赤坂で20分時間を潰す必要が生じた。赤坂で20分。カフェに入るには少々時間が短いが、ボーッと突っ立っているには長すぎる暑いし。どうしたもんかと3秒悩み、そうだ、と赤坂見附駅直結のビックカメラ赤坂見附駅店に向かった。ワイン売り場でワインを眺めてニヤニヤしていれば20分の体感時間は20秒だ。打ち合わせには無用の長物(ワイン)が荷物に加わってしまうかもしれないが、それはそれである。やれ行こうすぐ行こうと入店。とんでもないものが目に入った。試飲コーナーである。

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ビックカメラ赤坂見附駅店は試飲コーナーが充実してます。

ウイスキー、日本酒、そしてもちろんワインが試飲できるというそのカウンターには、なんですかね。縁日の出店の短冊に「エイヒレ」とか「タコワサ」とか書いてあるみたいなノリで「プピーユ」とか「モンペラ」とか書いてある。ここは大人の夏祭り会場……?

さらによくみると「ワインテイスティングセット」なるものも用意されているようだ。どれどれと目を凝らすとあれコレ見覚えあるな。ジョセフ・ドルーアンじゃないの。しかも村名飲み比べ。ヴォーヌ・ロマネ、シャンボール・ミュジニー、ジュブレイ・シャンベルタンの比較試飲ができちゃうんだそうですよマジかよ。

私はまさにジョセフ・ドルーアンのワインを月イチペースで飲み、ブルゴーニュの生産地の違いによる味わいの違いを体験しようという試みを亀の歩みのペースでもって実行しているのだった。

himawine.hatenablog.com

ヴォーヌ・ロマネ、シャンボール・ミュジニー、ジュブレイ・シャンベルタンの3つも、もちろんやがては飲みたいなーと思っていたワイン。でも1本アラウンド1万円とかして高いしな。庭からレアメタル出てこないかな、ってところにこれ。渡りにヘリってレベルですよこの各30mlで1500円のセットは。赤坂見附は丸の内線で行けるコート・ドール……!?

ヴォーヌ・ロマネ、ジュブレイ・シャンベルタン、シャンボール・ミュジニーの味の違いはわかるか?

と、脳内で考えていたら18分40秒くらい経過したのでその日は打ち合わせに向かって帰宅。自宅にある「ブルゴーニュ アペラシオン完全ガイド」を読んで予習しつつ、後日改めてビックカメラ赤坂見附駅店を訪れた。脇目もふらずに試飲カウンターに直行し、武士が「酒!」と一言低く呟いてまんじりともしない、みたいな雰囲気を出そうとしつつ、「あの〜、すみません、このワインテイスティングセットっていうのをひとつ……お願いします」と注文。陰キャか。

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左からシャンボール・ミュジニー、ジュブレイ・シャンベルタン、ヴォーヌ・ロマネのみなさん。

ほどなくして私の目の前にシャンボール・ミュジニー(2017)、ジュブレイ・シャンベルタン(2015)、ヴォーヌ・ロマネ(2015)、コート・ド・ニュイの主要アペラシオン3箇所で収穫されたブドウから造られたワインが各30mlずつ入ったグラスが並べられた。秋山・清原・デストラーデ。往年の西武ライオンズのクリーンナップ、通称AKD砲を思わせる破壊力。シャンボール・ミュジニーのグラスだけなんかひと回り小さい気がするんだけどこれは意図的なものなのか、細かいことは言わぬが花なのか。わからないので早速いただいてみましょう。

コート・ド・ニュイでもっとも繊細なアペラシオン、シャンボール・ミュジニー

まずはシャンボール・ミュジニーのグラスを一口。おお、これは普通に超おいしい。以前飲んだジョセフ・ドルーアンのコート・ド・ニュイ・ヴィラージュの上位互換感。これはおいしいブルゴーニュワイン。いいぞいいぞ。「ブルゴーニュアペラシオン完全ガイド」によれば、コート・ド・ニュイでもっとも繊細なワインを生むアペラシオンとのこと。たしかに、女性的な印象を受けた。

ジュブレイ村のベルタンさんの畑

でもって次にジュブレイ・シャンベルタンを飲んでみる。ジュブレイ村のベルタンさんの畑、っていう意味らしいですねジュブレイ・シャンベルタン。ヴィンチ村のレオナルドさんでレオナルド・ダ・ヴィンチみたいな。ともかく飲むと、うーんなるほど全然違うなこれ。同じブルゴーニュ高校の3年ニュイ組のクラスメートながら、シャンボール・ミュジニーちゃんがブラスバンド部部長ならばジュブレイ・シャンベルタンくんは応援団団長くらいの違いがあるような気がする。渋みが強く、酸味も強い。ミュジニーちゃんがすごく繊細で柔らかい印象だったのに対して、シャンベルタンくんはすごくハードな印象だ。

ネックレスの中心の真珠、ヴォーヌ・ロマネ

じゃあってんでもっとも高価なヴォーヌ・ロマネはどうか。ヴォーヌ・ロマネ、憧れてたんですよ。綺羅星の如く連なるコート・ドールの生産地の中でついた異名が「ネックレスの中心の真珠」ですよみなさん。こんなカッコいい異名あんのかな。「馬氏の五常、白眉最も良し」とかもカッコいいか。でも「ネックレスの中心の真珠」には敵わないでしょうどう考えても。日本の慣用句だと「優れたものの中で最良のもの」っていう言い回しって意外とないですよねヴォーヌ・ロマネの話だった。

ともかく飲んでみた。いいお店に並んでるやけに柔らかい革の財布のような匂い。口に入れると、おお、意外とスパイシー。酸味も渋みもしっかり。なんだけど、こういうの書くと怒られるかもだけどブドウグミみたいなかわいらしい印象もわずかにある。おいしいなこれ。ビックカメラのテーマソングが鳴り響く店内が急に静かになったみたいな気分。ビーックビックビックっていう例のアレを後景に押しのけるワインの力、これがブルゴーニュのエレガンス……!?

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3種それぞれ30mlずつで1500円(税込)でした。750ml換算1万2500円相当なので、コスパ良し! とかではないです。

とかなんとかわけのわからないことを考えながらなるべくゆっくり味わって気がつけばグラスはすべて空。どのワインも時間が経てば経つほど表情を変えて、どんどんおいしくなっていくように感じられた。好みからいえば、シャンボール・ミュジニー→ヴォーヌ・ロマネ→ジュブレイ・シャンベルタンだったなあ私の好みなんてどうでもいいんだけれども。

さて、この非日常体験により私の脳は完全にバグを起こし、せっかく良いワインを味わった直後なのに急激に空腹を覚え、あろうことか近所の「名代 富士そば」に突撃、かけそばを貪るという暴挙を犯してしまったのだが、七味たっぷりのつゆを飲んでなお、3種のワインのどれか、あるいはそれらが複合した余韻を感じられたのはビビった。なんならこれ書いてる翌日の今もまだおいしい気分。

というわけで、お近くの方はぜひビックカメラ赤坂見附駅店へ。

 

7000円台がありました↓

シャンボール・ミュジニー↓