ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

エルナン・エンジェル「リースリング グランクリュ プレラーテンベルグ」飲んで調べて味と感想と価格をまとめてみる。【FERNAND ENGEL RIESLING GRAND CRU PRAELATENBERG】

リースリングのこと

食わず嫌い、というものが世の中にはあって、自分の場合「二郎系ラーメン」が長い間そうだった。

興味はすごくある。行ってみたい。でも、嗚呼、「マシマシ」とかいうのが恥ずかしい! 邪魔するんじゃない、おれの自意識! と長年にわたり煩悶していた。知り合いの美女モデルが「実は最近二郎にハマってて……」と、安土桃山時代に「私、実は隠れキリシタンで……」と告白するみたいな感じでつぶやいた際も、なにしろ行ったことがなかったためどう切り返せばいいかわからず「そうなんだ」しか言えなかったのは今思い返してもションボリする思い出だ。

自分には手が届かないブドウを見て「あのブドウはすっぱいに違いない」と言った狐のように、私は二郎を長いこと食さなかった。(ちなみに最近ふとしたきっかけで食べた)。

さて、ワインにハマって一年ちょっと、食わず嫌いならぬ飲まず嫌い的な立ち位置にいたのがリースリングという品種だ。理由は単純で、シャルドネソーヴィニヨン・ブランでわりと早めに当たりを引いて味をしめ、それらの品種を中心にワインをディグするようになったからである。いつでもいけるはずの二郎に行かないうちにいつしか「二郎に行かない俺」という自我が己の中に出現するといった過程と同じ心の旅路をたどって、自分はいつしか「リースリングを飲まないワタクシ」になっていった。俺は魔界の王の息子、みたいなキャラ付けをしてしまったがゆえにのちのち大変な苦労(あだ名が『魔界』になるとか)することになる中学二年生男子みたいな感じである。

これは長引くとこじらせる、ということで、あるときリースリングを買ってみた。購入したのはエルナン・エンジェル「リースリング グランクリュ プレラーテンベルグ」。こじらせ初期にいるこのタイミングで失敗すると苦手意識が残る可能性が高いため、ここは一発グランクリュ先輩に登場願って、ビシッとカマしていただこうという作戦である。

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エルナン・エンジェル「リースリング グランクリュ プラレーテンベルグ」を飲みました。

エルナン・エンジェル リースリング グランクリュ プレラーテンベルグはどこから来たのか

AOCアルザス グランクリュは、AOCアルザスの上位の格付けで、51の小区画の畑がグランクリュとして指定されているのだとか。プレラーテンベルグはそのうちのひとつということのようで、アルザス地方の一大観光地・オーケニグスブール城の丘の中腹に位置し、公式サイトには「急な斜面と東南東向きのブドウ畑」とある。

グーグルでオーケニグスブール城を調べると出てくる写真の右上らへん。ここで収穫されたワインをただいま我は飲んでおり、と思うと味わいもひとしお。地理的にはフランス東部でドイツとの国境近く。緯度的にはスイスより北。
また、京橋ワインの商品ページの説明によれば、「樹齢27年のブドウは手積みで収穫後、全房圧搾。天然酵母により約18〜20度で発酵。シュール・リー熟成6〜8カ月。残糖5.1g/l」とのこと。シュール・リー、フランス語で「澱の上」って意味なのを今知った。ブルース・リースパイク・リー、シュール・リー。リーがつくものにハズレなし(ある)。

エルナン・エンジェル リースリング グランクリュ プレラーテンベルグの味と価格

というわけで仕事終わりにスポンと抜栓、グラスに注いでみるといきなり香りがすごい。なんですかこれは。どんな匂いかは私は鼻が悪いので説明できないが、晴れた秋の日かなんかにオーケニグスブール城から吹き下ろす風に乗っかってる香りをイメージしてもらえれば(行ったことないけど)たぶんその匂い。みかん系の香りと草系の香りと大地系の香りが湿度40%の風に乗っかってくる感じ。うーん、いい匂い。ワインは飲めるエアディフューザーであります。

で、お味もグランクリュ先輩さすがっすの一言。レモン的ななにかが押し寄せたかと思えばすぐに引いていき、続いて干し草的な郷愁を誘うなにかが一斉射撃、最終的に「うま汁」としかいいようのないような何かがグレープフルーツの皮的苦味とともに突撃してくるおいしさの三段構え。これには武田勝頼ならぬこの私も兜を脱いで降参である。いやあ、うまい。さすが定価5500円(値引きされた状態で買ってますが)。ちなみに現地価格は17ユーロだから2000円くらいと欧州移住をそろそろ本格的に検討するしかねえなという価格。いいなあ。

二郎は「一回行けばもういいかな」だった私ですが、アルザスリースリングは絶対また飲む。うーん、おいしかった。