ラ ・マンチャとフィンカ・リオ・ネグロと私
理由はさっぱりわからないのだが気になるスペインワインがラ・マンチャのワインだというケースが多い。
なんでなんだろうこれ。季節外れのラ・マンチャの男状態。ラ・マンチャは「乾いた土地」という意味です、とかが調べなくても出てくるようになっている。
Wikipediaによればラ・マンチャは世界最大のブドウ栽培地であり、とにかくブドウがよく育つようだ。結果、良質で安いワインができる。安うまワインのふるさと、それがラ・マンチャ。
というわけで今回飲んだのはラ・マンチャを本拠地とする生産者、フィンカ・リオ・ネグロのゲヴュルツトラミネール。ゲヴュルツトラミネールっていうとアルザスとかドイツとかの冷涼な地域のブドウという印象だがまさかのラ・マンチャである。
標高1000メートル「スペインのシベリア」で造られるゲヴュルツトラミネール
カステーリャ・ラ ・マンチャ州北部のグアダラハラ県ココジュドに位置するワイナリーの歴史はそう古くなく、わずか0.6ヘクタールの土地にブドウの木が植えられたのは1998年のこと。それが現在では42ヘクタールまで広がっているのだそうだ。赤はテンプラニーリョが中心で、白品種はゲヴュルツトラミネールだけを栽培している。スペインでゲヴュルツトラミネールって珍しいなと思ったけど、この生産者の畑がなんと標高1000メートルに位置すると聞いて納得がいった。
標高1000メートルがどれくらいかといえば、日本に役場が標高1000メートル以上の場所にある自治体は4つしかないとかそんなレベルで、長野県原村の役場がぴったり標高1000メートルにあるそうだ。ちなみに長野県原村は8月の最高気温が27.6度だそうですよ。うーん、冷涼。フィンカ・リオ・ネグロと長野県原村はなんの関係もないけれども。
とにもかくにも「ヨーロッパでもっとも標高の高いブドウ畑のひとつ」だそうで、「スペインのシベリア」と呼ばれているそうだ。スペインのシベリアはパワーワード。東京ドイツ村(千葉県)かよ。
ゲヴュルツトラミネールはそんな標高1000メートルの畑で栽培。収穫期は日中が25度、夜間は0度近くになるという激しい寒暖差のおかでゆっくりと熟したブドウは手で収穫され、発酵後4カ月澱の上でエイジングされる。アルコール度数は14度。あと、リオ・ネグロ=黒い川がモチーフと思われるボトルのデザインが「妖怪ウォッチ」のジバニャンっぽい。
そんなワイン(2017ヴィンテージ )はどんな味がするのか、飲んでみた
フィンカ・リオ・ネグロ ゲヴュルツトラミネールを飲んでみた。
結論をいうとこれは1000円台ゲヴュルツトラミネールとして記憶に残しておきたいレベルで良かった。おいしい。
香りはこの品種らしいバラみたいなライチみたいな香りなんだけど主張しすぎることがなく、白ワインとしてバランスがいい。アペリティフ専用機みたいにならず、食事と合わせられる香り。
味は極めてドライでなるほど標高1000メートル感がある。高原の朝露みたいなスッキリ&甘露が両立している良さがある。そこにちょっとの苦み。
1000円台でこりゃいいや。対普段ワインあんまり
飲まない勢用もてなしワインの候補になりそうだわい、とうまうま飲んでコルクを差し戻し、休肝日を挟んで開栓から2日後に再飲して驚いた。
まるで大輪の花が咲いたように香りがすげえ。それも、バラとかじゃなくて、巨大な食虫植物の香りを思わせるようなエキゾチックな香りがする食虫植物の香りを嗅いだことはないんだけど。この変化は面白い。急にラ・マンチャ感出てきた。
私の購入価格は1721円。値段に対して十分に楽しめるゲヴュルツトラミネールだったのだったのだが、まさかの現在売り切れ中。新ヴィンテージに切り替わったらまた飲みたいワインだ。
赤品種も気になるな、こうなると。