シャトー・ジンコ2022とは
シャトー・ジンコをご存知だろうか。ボルドー初の日本人女性醸造家・百合草梨紗さんが手がけるワイン。以前私も百合草さんをお招きしてワイン会を開催したことがあるのだが、非常においしくて感動したことをよく覚えている。
そして、どうやらその2022ヴィンテージがめちゃくちゃいいヴィンテージらしい。発表されてる複数のヴィンテージチャートを見比べてみたが、下手すると21世紀最強レベル。シャトー・ジンコの出来も御多分に洩れず素晴らしいようなのだ。
めちゃくちゃいいヴィンテージだからぜひ飲んで、ということで現在発売されているのが「ジンコ福袋」という商品。定価14850円(税込)のシャトー・ジンコ2022が確定で入っており、もう1本厳選ワインが入って14500円税込送料無料という商品だ。つまり、シャトー・ジンコとボルドーくじのセット、みたいな商品というわけですね。
でもって今回はその商品を世に知らしめてほしいという依頼があったわけなのだが、「福袋」という性質上商品を提供してもらうのはどうも気が乗らない。商品を提供してもらったら、それがアタリでもハズレでも本気で喜んだり落ち込んだりできないからだ。
なので今回は「ジンコ福袋」を自腹で買ってみることにした。というわけで本記事は、いわゆる“案件”だが商品購入は自腹という記事になっている。ゆえに本気でアタリを狙いに行きたい次第だ。さっそく行ってみよう。
「ジンコ福袋」はどんな商品か?
まずは今回の福袋の内容を確認しよう。100セット限定販売の本商品における大当たりに相当する「ジンコ大賞」はシャトー・パヴィ2012(58000円)とヴュー・シャトー・セルタン2020(56300円)の2本。サン・テミリオンの格付け最高峰とポムロール最強の一角なんですよこれ。これを当てに行きたい。
その下の「ジンコ特別賞」はシャトー・コス・デストゥルネル2020(37000円)。
泣く子も黙るメドック格付け第二級。しかも2020ヴィンテージはグッドヴィンテージである上に、現オーナーのシャトー購入20周年を記念したアニバーサリーボトルでコレクター心をくすぐる仕様。パーカー94点と評価も上々だ。
ここまでの3本が当たったら優勝。確率は3%なので、低確率だがまったくあり得ないこともないという絶妙な確率だ。
つづく「ジンコ賞」はシャトー・ジンコ2021(14850円)。
シャトー・ジンコの垂直飲みが楽しめるから、これも悪くない。こちらは確率5/100。
妥協枠といえるのが、ラーム・ド・パプ・クレマン グラーブ ルージュ2019(7700円)とシャトー・タヤック キュヴェ・ニコラ2019(6600円)の2本で、確率は32/100。
この2本はやったぜバンザイという感じではないが、これが当たってもしっかりとお得感がある。
そして、この世に存在するワインに本来ハズレなどひとつたりとてないのだが、福袋やワインくじには常に末等というものが存在するのもまた事実で、今回の場合それはジー・バイ・ユリグサのルージュとブランの2種となる。
百合草さんがプロデュースする安うまボルドーで、価格は2838円。確率60/100。個人的には安うまボルドー最強レベルだと思っている素晴らしいワインなのだができれば今回は別のワインが欲しい、という賞品だ。
ジンコ福袋の商品と当選確率、期待値の整理
以下、賞品と当選確率を整理しておこう。
<大勝利枠>3/100
シャトー・パヴィ2012(58000円)
ヴュー・シャトー・セルタン2020(56300円)
シャトー・コス・デストゥルネル2020(37000円)
<勝利枠>5/100
シャトー・ジンコ2021(14850円)
<妥協枠> 32/100
ラーム・ド・パプ・クレマン グラーブ ルージュ2019(7700円)
シャトー・タヤック キュヴェ・ニコラ2019(6600円)
<敗北枠>60/100
ジー・バイ・ユリグサ ルージュ(2838円)
ジー・バイ・ユリグサ ブラン(2838円)
ちなみに、これらのワインの平均額は推定6246円となっており、定価14850円のシャトー・ジンコ2022を加えると、期待値的な額は21096円となる。14500円で21096円相当のワインが買えるのですなわちお得な商品であることがわかる。あとは大勝利枠を引くだけだ。
ジンコ福袋をボックスオープンしてみた
というわけで、銀杏並木が黄金色に輝く冬のはじめの良き日に自宅に届いた「ジンコ福袋」の開封の儀をしめやかに執り行うこととした。
この日のためにワインセラーには2本空きを作ってある。そこにはシャトー・ジンコ2022とあと1本はなんでしょうね。パヴィかな? セルタンかな? コスかな? いずれにせよ素晴らしいボルドーワインが安置・奉納されることになるであろう。
段ボールを開け、まず赤い蝋キャップで封がされたワインを取り出す。予定通り、シャトー・ジンコ2022だ。有機農法で育てられた超低収量のぶどうを使い、フレンチオークで20か月熟成。無清澄・ノンフィルターで仕上げられた自然派ボルドー。何年かセラーで眠ってもらい、特別な日に抜栓する予定だ。楽しみ。
問題はあと1本であり、それが本記事の本題だ。まずはボトルキャップを指差し確認! 銀色!
そしてシャトー・パヴィのキャップシール、銀っぽい!
これは確定演出なのか……!?
案件記事で大当たり当てちゃっていいのだろうか!? 否、購入は自腹! 皆様には申し訳ないがパヴィは私がいただいた!
いざ出でよ、シャトー・パヴィ!
そっちか!(知ってた)
というわけで私の元に来たのはジー・バイ・ユリグサ ブランであった。
いや全然いいんですよなんの問題もないんですよ。私のXをフォローしてくださっている方ならば、私が以前からこのワインを非常に高く評価していることを知っているはずだ。本当に素晴らしい超コスパボルドーなんすよ。いやほんとに。ただ今回はもうちょっと違うワインを期待していただけなんですよ。
ここでみなさんに朗報だ。この記事を読むまで、ジンコ福袋の大勝利枠を引く確率は3/100であった。しかし、この記事を読み終えた今、あなたは知っているだろう、その確率が最低でも3/99に引き上がったことを。(※もう他の方が当ててる可能性はあります)
というわけで、年末においしいボルドーを飲みたいなという人は、ぜひジンコ福袋を購入してみてはいかがだろうか。ジー・バイ・ユリグサ ブラン、さっそく飲んでみたけどやっぱりとってもおいしいので、60/100を引いても安心ですよ!