ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

江戸川橋の隠れ家ワインショップ「グルトンベール」で角打ちグラスワインしてきた。

江戸川橋に角打ちできるワインショップがあると聞いて

江戸川橋に角打ちのできる隠れ家的ワインショップがあると聞いたので行った。

東京メトロ有楽町線江戸川橋の駅から商店街を抜け、細い路地に入り、これはひょっとして道を間違えたかなと引き返しかける寸前の住宅街のど真ん中に、ワインショップ「グルトンベール」はある。

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店頭の看板。期待感が高まります。

看板を指差し確認すると、たしかに角打ち(有料試飲)の文字がある。
・グラスワイン500円均一
・飲み比べセット3杯セット1000円+税
・角打ちセット(グラス3杯+おつまみ盛合)1500円+税
といったメニューが楽しめるようだ。ぐへへ、おっと失礼、入店前から期待値が爆上がりしてゲス顔になっちゃう。メニューの下には新型コロナウイルス対策であろう「定員3名様、30分以内でお願い致します‼︎」と注意書きが書かれているのでサッと入店、風のように飲んでそして去ろうと決意して、いざ入店である。

選べる角打ちワインは3種1000円。なにを頼むか……!?

 

アクリル板で仕切られたカウンターに案内してもらうと、お店の方がメニューの説明をしてくれる。週替わりだというグラスワインは5種類。泡、白、ロゼ、赤、酒精強化(シェリータイプ)というラインナップ。グラスの価格は500円均一だが、ボトルの価格は割と大幅に違い、「量の差で調節しているんです」とのこと。たとえば、同じ500円で泡は80ml、赤は60ml飲めるといったように。

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角打ちメニュー。グラスワイン500ml均一のわかりやすさがうれしい。

私はちょこっとずつを色々飲みたいタイプ。なので3種飲み比べセットをオーダーした。500円のグラスワインに比べると提供される量は減るそうだが、それでもセットはお得とのこと。

まずは泡から。ダーマ・ブルットNV

 

3種類いっぺんにオーダーする必要はないとのことなので、まずはベタに泡からいただくことにした。スペインのダーマ・ブルットNV、カバだ。品種はカバでおなじみマカベオ、チャレッロ、コレリャーダ。比率は不明。

開けたてを出していただいたのを飲んでみると、おお、おいしい。いいなこれ。お店の方いわく「春先に入ってきたときはもう少し青リンゴのような感じだったのが、少し熟成が進んでマカベオならではの苦味が少し出て、どんな料理にも合わせやすいですよ」とのこと。

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ダーマ・ブルットNV。おいしいカバでした。

日本に数多く入ってこない少量生産のワインを紹介するのがお店のポリシーとのことで、それだけに飲み頃を見極め、良きタイミングでグラスワインとして出すのだそうだ。なるほどな〜。

たしかに、フレッシュでジューシーなカバカバしさよりも、おいしい白ワインを発泡させましたっていう感じがして落ち着く。ボトル価格2000円(税別、以下同)はお値ごろだ。これはヒット。

 

続いてロゼ。カンティーナ・ディ・シニョーレ「ラ ・グラツィア」

先頭バッターが出塁して打線に勢いがついたので、次は塁上にランナーをためて大量得点を狙おうと2杯目として小技もできて出塁率の高そうなロゼをオーダー。イタリアはピエモンテの生産者、カンティーナ・ディ・シニョーレのロゼ「ラ ・グラツィア」。ネッビオーロで造られるロゼって初めてな気がする。

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ロゼ「ラ ・グラツィア」独特な風味があって、大変おいしいロゼだった。

産地は火山性の土壌なのだそうで、それ由来の「熱いミネラル」が特徴とのこと。適度な酸味と適度な果実味となるほど火山といわれると火山感のある独特の石みたいな風味があってこれはおいしいロゼ。価格は3500円。ちょっといいことがあった日に開けるプチ贅沢ロゼとして覚えておきたい銘柄だ。

お店の方に話を聞くと、グルトンベールの「グルトン」は食いしん坊、「ベール」はグラスを意味するフランス語とのことで、「勝手にふたつを合わせた造語」なのだとか。食いしん坊がグラス持ってる、というイメージだそうです。いいイメージ。

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この青い扉の向こうが120種類ほどのワインが収められたウォークインセラーになってる。

ワインは店頭に置かずすべて店内のウォークインセラーに保管するため状態はカンペキ。フランス、イタリアのワインが中心で、ほとんどが旧世界のワインとのことだ。私が角打ちを楽しんでいると、あとから入店された仕事帰りだという方がサクッとおつまみ付きの角打ちセットを注文していて、実にいい感じだった。地域に溶け込んでる感がすごい。これが江戸川橋テロワール……!

 

シメは赤。「マイオン スキオッペティーノ2015」

さて、最後に飲んだのは赤。泡がヒット、ロゼでエンドランが成功してノーアウト一塁三塁の好機で打席に入るのはまたもイタリアはフリウリ=ヴェネツィア・ジュリアの「マイオン スキオッペティーノ2015」。ブドウはこの地方の地場品種だというスキオッペティーノで、初めて飲む品種。

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スキオッペティーノ単一ながら複雑な味がしておいしい。

これは渋みが強め、スパイスいれた甘くないチョコみたいな複雑で重厚な感じ。ボルドーのいいやつですって言われたら「うーん、さすが、ボルドーのいいやつは違いますね。」と目を輝かせて騙される自信が私にはある。コクのあるカバ、酸味がしっかりしたロゼときてシメに重ための赤という流れで打線がつながり走者一掃のタイムリー2ベース感。このワインの価格は4600円だ。

4番バッター感のあるシェリータイプの酒精強化ワインもいっちゃおうかなと思ったのだが、携帯に入った野暮な連絡でこのあとちょっと仕事をしなくてはならないことが判明、泣く泣く涙の降雨コールド、試合中止となった。とはいえ、ちょうど30分くらい時間が経過していたので、適当な滞在時間だったように思う。

住宅街の中で、丁寧な説明を聞きながら厳選され、飲み頃を迎えたワインをグラスで楽しめる。どこか知り合いの家に来たような居心地の良さ。また行きたいっす。

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