「グラン・マエストロ ロッソ」とチェッロ・エ・テッラ
ルカ・マローニ高得点ワインを飲もう企画、その最初の1本に選んだのが「グラン・マエストロ ロッソ2019」だ。日本でいうとなんですかね。「巨匠」とかか。そこはかとない2.7リットル入りの焼酎の名前感があるような気がするそんなことない。名前がグラン・マエストロなのに価格は1000円台前半なんですよギャップ……!
トスカニーで買った「ルカ・マローニ高評価6本セット」のなかでもっとも単品価格の安い1000円台前半ということもあり、まずはトップバターにと選んでみた次第だ。
生産者はマエストロ・イタリアーノ。所有するのはチェッロ・エ・テッラ社だ。チェッロ・エ・テッラ=空と大地ですね。松山千春かよ。ともあれそのチェッロ・エ・テッラ社がイタリア半島のブーツのかかとでお馴染みのプーリア州でつくるのがマエストロ・イタリアーノのワインだ。
「グラン・マエストロ ロッソ」はどんなワインか
プーリア州といえば高コスパワインの産地としてこのブログでもお馴染みの土地。今回飲んだグラン・マエストロ ロッソ2019は、収穫を一カ月ほど遅らせることで糖度を高めたブドウを使って造るというワイン。
収穫後に陰干しするのではなく、樹上に生ったまましておくのだそうで、そのことで酸も残るみたいなことが購入したトスカニーのページには書いてある。
プーリアといえばプリミティーヴォ、という印象があるけれどこのワインはサンジョヴェーゼを主体にプリミティーヴォとブレンドしているそうだ。
ルカ・マローニの点数は97点のようだが、公式サイトには2016の記載しかない。たまたまそれも97点なので引用すると、
味わいの量を示す一貫性が32点
果実味、酸味、苦味のバランスが33点(満点)
欠陥のなさを示す整合性が32点
となっているようだ。この採点基準飲み進めると理解できるようになんのかな。謎である。
レビューには「このワインは人と自然の最高傑作と言っても過言ではありません。」とのことで、「完璧な味覚的汁気があります。」と書いてある(※DeepL・訳)。完璧な味覚的汁気とやら、味わってみようじゃないの!
「グラン・マエストロ ロッソ」を飲んでみた
というわけで抜栓し、グラスに注いでみると、プーリアのアパッシメントらしいトロ〜リとした液体……って感じでは意外とない。もちろんかなり濃い紫色ではあるんだけど意外とシャイニーで濃すぎない印象だ。
香りは、うはー面白い。濃厚な果実とかバニラ、みたいな予想される香りではなくて、バラを思わせるような花的な香りがする。樹の上でレーズン化してもサンジョヴェーゼの香り健在だ。
飲んでみると、もちろんやっぱり濃くて甘いんだけどしっかり酸味も感じられる。肉と合わせておいしいのはもちろん、アルコール度数14.5%と高いのにスルスル飲めちゃう危険なワインだこれは。これが完璧な味覚的汁気……!
というわけで、ルカ・マローニ97点のこのワイン、1000円台前半のワインとしてはちょっと破格においしかったのだった。1000円台前半でこれ!? という意味でも味わい的にもカリフォルニアでイタリア人がつくるワイン「ロッソ・ディ・カモミ」を思い出させる、それに匹敵するワインだと思った。
ルカ・マローニ高得点ワイン6本セット、まずは順調な滑り出しである。