イントゥ・シャルドネってどんな意味?
昨夜は、イントゥ・ワイナリーの「イントゥ・シャルドネ」を飲んだ。
into、は「中に入る」という意味だと中学校の英語の授業で習ったが、なんでもスラング的に「大好き」「夢中」みたいな意味でも使われるんだとか。アイム・イントゥ・ワイン、みたいな感じ。勉強になるなあ。ワインを飲むと頭が良くなる。受験生のみんな、ワインだ(ダメです)!
さて、生産者はイントゥ・ワイナリーとあるんだけど、実体はなく、カリフォルニアはローダイに本拠地を置くオークリッジワイナリーのいちブランドのよう。なんだけど、オークリッジ・ワイナリー公式サイトの「OUR WINES」カテゴリには記載なし。こういうのホントこまる。
イントゥ・シャルドネとオークリッジワイナリー
オークリッジワイナリーはロダイで80年以上ワインを造り続けている歴史あるワイナリーで、4800ヘクタールもの自社畑を所有しているのだとか。4800ヘクタールがイメージできないが、どうやら東京ドーム1030個分になるらしく、メートルに直すと、48平方キロメートル。東京ドームがある東京都文京区の面積が約11平方キロなので、4800ヘクタールは文京区4つぶん。文京区4つぶん、全部ブドウ畑。うーん、すごい。ちなみに、滋賀県野洲市の面積が48平方キロだそうです。
イントゥシリーズには、「INTO ZIN」「INTO CAB」「INTO PINOT」そして「INTO CHARD」などがラインナップされていて、アメリカ人ってこんな感じで品種を呼ぶんだなーっていうのがわかって面白い。「大好き、カベソー」とかそんな感じでしょうか。日本語にしちゃダメなやつだこれ。「好きです、つぼ八」かよ。
イントゥ・シャルドネの品種と味わい
軽い感じの名称ながら、造りは値段に対してしっかりしていて、輸入元のワイン・イン・スタイルの商品ページによれば12-13度の低温で発酵の後、少量をマロラクティック発酵。60%アメリカンオーク、40%フレンチオークで6か月熟成とのこと。品種は98%シャルドネ、1%リースリング、1%フレンチ・こロンバード。このあたりのブレンド具合が腕の見せ所なんでしょうか。
さて、味わってみると、これが思ったより派手じゃない、しっかり正統派の樽ドネ、という味わい。もっと甘みとか果実味とかトロピカル感があるのかと思いきや、むしろなんでしょうか、夏の終わりの夕方に冷やしたコレを飲みながら寄せてはかえす波かなんか見てる、みたいなシーンに合いそうな感じの味。ただもちろん同時にプールサイドにDJブースを設置、四つ打ちのビートに合わせて踊る水着美女が飲んでるのがコレ、と言われても「なるほどね」と思える味わいだ。なるほど、歴史あるメーカーが気軽に手にとってもらうことを目的にリリースしたブランド感ある。
100%完全なる憶測だが、業種を問わず多くの老舗が抱える課題は、新規顧客の創出であるはず。現在の顧客が残らず鬼籍に入ってなおブランドを存続させるためには次世代顧客のナーチャリングは必須であり、そこにはしかるべきコストをかけるべき……みたいな議論があったのではないか。
社員:というわけで、これです!(『INTO』の文字が飛び出してくるパワポ)
社長:イントゥ……ってなんだね? どこに入るんだ?
社員:社長、若者の言葉で「ゾッコン」みたいな意味ですよ、みんな使ってます。
社長:ゾッコン……! 気に入った!
みたいな社内プレゼンがあったりした結果、値段に対してしっかり旨く、手に取りやすい価格のコイツが世に出回っているのではなかろうか。なんていうんでしょうか、私の乏しい経験と貧しい舌からは、買い値1452円に対して2480円くらいに感じられる味がする。それでいて見た目は980円くらいに見えるというこのギャップ。これ全然いいな。アイム・イントゥ・イントゥ。ローダイはジンファンデルが名物とのことなので、次はジンファンデル(イントゥ・ジン)行ってみようかな。
夏、若い人たちがビーチ沿いにテーブルを出して、バケツに冷やしたコレを入れ、バーベキューの肉が焼けるのを待つ間にガブガブ飲んだらこれはもう間違いなく最高。若い人になりたい。