糖度の違いによる味わいの変化を炭酸水で実験してみた
先日、シャンパーニュの同じ銘柄の「ブリュット」と「エクストラブリュット」を飲み比べた結果、残糖度の違いによる味わいの違いが非常に興味深く、もっと知りたいと思った私は、ある実験を行うことにした。
それは、炭酸水にガムシロップをシャンパーニュの規定値と同じくらいの割合で入れてみて、味わいに変化があるかをたしかめるというもの。意味があるかどうかは不明だが、サントリー創業者・鳥井信治郎がことあるごとに口にしたという「やってみなはれ」の精神で持って、やってみたいと思う。
実験スタート!
用意したのは350ml入りの強炭酸水と、ガムシロップ。そしてキッチンスケール、スポイト、グラスがふたつ。
まず、同じグラスに100mlずつ炭酸水を入れ、そこにひとつは0.5ml、もうひとつは1mlのガムシロップを入れる。
シャンパーニュの規定で、1000ml中の残糖度6グラム以下がエクストラブリュット、12グラム以下がブリュット。自宅に1グラム以下を計れるスケールがなかったため、だいたいの感じを再現した状態だ。筆者は理系は中2でギブアップしたド文系であり、本実験も正確な実験ではない点ご容赦いただきたい。
さて、「炭酸水・ブリュット」と「炭酸水・エクストラブリュット」の味の違いやいかに。
炭酸水・ブリュトと炭酸水・エクストラブリュットの驚きの違い
まず、0.5mlのガムシロをドサージュした「炭酸水・エクストラブリュット」を飲んでみると……うーんこれほんとにガムシロ入れたのかな。ほぼ甘みを感じない。いつものくせでグラスに鼻をつっこんでクンクン匂いを嗅いでみるけど、うん無臭ですね。水は無臭です。ノンアロマ。グラスの底から立ち上る泡は強め。これは瓶内二次発酵と15カ月以上の熟成のおかげ……じゃなくて水にふんだんに注入された炭酸ガスのおかげであります。
つづいて「炭酸水・ブリュット」を飲んでみよう。この実験をやって良かった。明らかに! 違う! 先だってシャンパーニュの同じ銘柄のブリュットとエクストラブリュットを(週をまたいでだけど)飲み比べたときと同様の味わいの違いがたしかに感じられる。
印象はもちろんただの炭酸水。なんだけど、少しコクが出て、リッチな印象になっている。どちらがおいしいかと問われれば、この場合明らかに「炭酸水・ブリュット」のほう。100ml中1mlのガムシロでは舌にまとわりつくような甘さはなく、むしろ水を評価する時に使う「この水、甘い!」みたいな印象だけが残る。
ちなみに、念のため「炭酸水ゼロ・ドサージュ」も飲んでみた。「炭酸水ゼロ・ドサージュ」っていうか、なんて言ったらいいんですかね、つまり「炭酸水」ですね。ともかく飲んでみると、やはりエクストラブリュットとの区別はほぼつかない一方で、ブリュットとの違いは明らかに感じられる。
ていうか、「炭酸水・ブリュット」がホントにおいしい。レモンと氷いれてミントかなんか浮かべたら、夏に飲むのに最高のドリンクになりそうな気配まである。
飲み物にちょっとだけ砂糖を入れるとコクがでる
ちなみに、よくある炭酸飲料の残糖度は100mlあたり10グラムとかで、スポーツドリンクでも100mlに5グラム程度入っているそう。「甘さを感じさせる」ためにはそれくらいのドサージュが必要ということなんすかね。
というわけで、実験は以上。ワインブログなのにまさかの水飲んで終わりという内容になってしまったが、ひとりで実施したこの炭酸水飲み比べ実験、思わず「うーん、明らかに違うな、これは」とか独り言出ちゃうくらい楽しかったので、みなさんもヒマすぎて死ぬみたいな午後があったら、ぜひお試しください。