ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

ジュリアン・スカール ウォーカーベイ シラー南アフリカの冷涼産地シラーを飲んでみた!【JulienSchaal Walkerbay Syrah】

アルザスと南アをまたにかける生産者、ジュリアン・スカール

3000円以下の「安うまシラーMAP」をつくるべく、南アフリカのジュリアン・スカール「ウォーカーベイ シラー」を飲んだ。南アフリカワインといえばこの人、ブロガーのKOZEさんにオススメしていただいたワインだ。過去、KOZEさんにオススメいただいたワインはハズレがないので今回も楽しみ。購入価格は2260円だった。

f:id:ichibanboshimomojiro:20210529101330j:plain

ジュリアン・スカール「ウォーカーベイ シラー」を飲みました。

さて、ジュリアン・スカールの公式サイトを訪問すると、「ジュリアン・スカール フランス&南アフリカ」という文言がトップに掲げられている。そして、サイトは大きく「アルザス グランクリュ」と「南アフリカ」のふたつのカテゴリに分かれている。

あれ、南アの生産者じゃないの? とサイトを見ると、もともとはアルザスのワインメーカーなんすねジュリアン・スカールさん。2003年に収穫を手伝ったのを機に南アフリカに恋し、2004年に同地でワイン造りをスタート、2005年にはファーストヴィンテージをリリースしていたっていうからすごい。なにより尊いのは行動力だなあ。

 

himawine.hatenablog.com

で、ジュリアンさんは、その人物像に関してはまったくなんの説明もないんだけど、「ブルゴーニュのワイン醸造学校を卒業したソフィー」なる女性とともに、10月にアルザス グラン・クリュを造り(アルザスのワイナリーはグラン・クリュ専門だそうです)、2月には南アでシャルドネを造る生活をしているのだそうだ。

赤道を挟んで北半球と南半球を股にかけたワイン二毛作カッコいい。「ブルゴーニュのワイン醸造学校を卒業したソフィー」との関係が気になるんですけど。

 

ジュリアン・スカールが造るワインとウォーカー・ベイ シラー

ジュリアン・スカールが南アフリカで造るワインは4種類。
エルギンで造る「マウンテンヴィンヤーズ・シャルドネ
アッパー・ヘネル・アン・アードで造る「コンフルエンス・シャルドネ
エルギンで造る「エヴィデンス・シャルドネ
そしてウォーカーベイで造る「ウォーカーベイ・シラー」だ。
シャルドネの可能性を追求する」のが彼らのポリシーみたいで、公式サイトに掲載されている赤ワインはシラーだけ。最初のヴィンテージからシラーを造っていたっていうし、シラーが好きなんだろうかスカールさん。シラーおいしいよね。

himawine.hatenablog.com 

輸入元であるマスダの生産者紹介ページによれば、そのシラーの産地であるウォーカーベイは「大西洋の冷たい海風の影響を受けるケープ地方で最も冷涼な気候地区」なんだそうだ。

いやあれなんですよ、私はシラーってオーストラリアとか南仏とか、どちらかというと温暖な気候を好むブドウだと思い込んでいたのだが、冷涼な地域でも造られるわけなんですね。考えてみれば私はシラーの果実味、スパイス感に加えさわやかなすっぱみが好き。豊かな酸は冷涼産地の特徴のはずだから、アルザスの生産者がつくる南アフリカの冷涼な地域のシラー、これは楽しみすぎる。

公式サイトのワイン紹介ページによれば、ワインは手摘みで収穫後、一部は全房のまま発酵後、300リットル入りっていう珍しいカタチのブルゴーニュ産の樽(新樽率15%)で12カ月熟成。定価2640円ながら丁寧に造ってる感じする。ジュリアンとソフィー。ふたりの「シラー・アフリカン・ドリーム」の味わいやいかに。

 

ジュリアン・スカール「ウォーカー・ベイ シラー」を飲んでみた

飲んでみると、味わいで印象的なのは角のなさ。果実味おだやか、スパイス具合おだやか、樽、おだやか。ウイスキーのトワイスアップに完全な球体の氷を入れたみたいな、ひたすらスルスル飲めるおいしい液、という印象。

特筆すべきは果実のピュア加減。なんすかねこれ。鼻をふさがれて息がきないと開けた口にもぎたての果実を大量に放り込まれたみたいなピュアっぷり。ピュアっピュア。それでいて決して甘い印象はないんですよこれ不思議と。酸味と渋みとのバランスがいいんだと思う。攻走守三拍子揃ってる。

うーんこれはおいしい。2000円台前半としては破格で、いつもの南アフリカクオリティ。味わいの質に対して価格がつねに3割4割当たり前、みたいな感がある。ビックカメラかよ。アラサー(3000円前後感)ある。

シラーMAP上の打点だが、ややエレガントよりのバランス型とした。これからシラーを飲み進むにつれて、左右軸上の調整はあるかもしれないが、これはバランスがいいでしょうどう考えても。

f:id:ichibanboshimomojiro:20210530064336p:plain

いやーこのMAP、埋めていくの楽しみだな。しばらくシラーを飲み続ける日々が続きそうである。