カイケン ウルトラ マルベックのこと
昨夜はカイケンの「ウルトラ マルベック」を飲んだ(エノテカで『今月の送料無料ワイン』だったのが購入動機)。
himawine.hatenablog.comカイケンはKAIKENとつづるけど、元々はCaiquénとつづり、それはアンデス山脈を行き交う鳥の名前なんだとか。
カイケンはチリのモンテス傘下。カイケン(鳥)のようにアンデス山脈を行き交っていたモンテスのボス、アウレリオ・モンテスが、自分自身の姿を重ね合わせて設立したとかっていう話が公式サイトに書いてあります。うーん、あふれんばかりの「俺の空」感。カイケンのサイトのロゴ、「ナイキみたいだなあ」と思ってたけどよくみると鳥ですね、これ……。
カイケン ウルトラ マルベックのつくりかた
このサイトが非常に良い作りになっていて、ワインのデータシートもダウンロードできる。それによれば、2017年のカイケン ウルトラ マルベックは手摘みでブドウを収穫、発酵後1/3を新樽、残りを2度目か3度目の使用のフレンチオーク樽で12カ月熟成して造られるのだとか。手間かかってんなー。ブドウはマルベック100%で、アルゼンチンはメンドーサのウコ・ヴァレーの自社農場で栽培。
ちなみにこの「ウルトラ」シリーズには、マルベックのほかにカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シャルドネがラインナップされているんだけどそこにはこんな説明文がある。
「ウルトラはカイケンのワインメーキングと栽培チームがアンデス山脈の両側で行うワイン造りの知識と経験を表明したいという願いの表れである」
これカッコ良くないですか。カイケンのサイトを見ると、このアンデス山脈の両側、みたいな表現がよく出てきて、実際、ワインメーカーはマネジャーも兼ねるアウレリオ・モンテスの右腕的なチリ人スタッフとアルゼンチン人スタッフの共同チームが行なっているようで、なんかこう、アンデス山脈を挟んだ隣国のスタッフ同士が手を組んで造る感じが胸熱。
カイケン ウルトラ マルベックを飲んでみた
でもって、飲んでみると。まずもって香りが非常にいい。味もまた非常にいい。馬鹿みたいな言い方になってしまうんだけれどもブドウの匂いがして、ブドウの味がする。そんなことあるのかな。
100%ブドウでブドウ以外のものは少量の添加物くらいしか使ってない飲み物なんだからブドウの味がするのは当たり前なんだけど。ブルーベリーとか、ヴァニラとか、コショウとかの風味があるにはあるんだけどそれ以上に「ブドウだなあ」という味がする。
「煮る」という工程は私の知る限りワイン造りの工程には存在しないはずだが、ブドウを陶器の壺かなんかで煮詰めたらこんな味がするんじゃないかっていう味がする。
私はワインの知識はないが野球は好きなので野球の球種でたとえるならば、まさに藤川球児の火の玉ストレートといった印象だ。横への変化の成分がないど直球だが、あまりにも精度が高くてスピンのかかりがいいため、手元で浮くような感覚があり、わかっていても打てない。
このような、ブドウそのものの味が気持ちがいいほどストレートに伝わってくるド直球のワインも、意外とありそうでないのかもなあ、としみじみ味わった次第です。買い値は2500円(送料無料)。うーん、納得。