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ルイ・ジャドの白ワイン5本セットを飲んでみた。ブルゴーニュ、シャブリ、マコン……おいしかったのはどれ!?【後編】

ルイ・ジャド白5本セットを飲んでみた

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ルイ・ジャド白5本、今回はマコン・ヴィラージュ(右から2番目)とシャブリ シャペル・オー・ルー(右)を飲みます

【前回のあらすじ】Amazonでルイ・ジャド白5本セットを買ったのでブーズロン→コトー・ブルギニヨン→ブルゴーニュ・ブランの順で飲んだところブーズロンがうますぎてビビった。【あらすじ終わり】

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前回飲んだ3本は、品種でいうとアリゴテ→アリゴテ+シャルドネシャルドネであった。今回、後編では残りの2本を飲んでいくわけだが、これはどちらもシャルドネ100%のワイン。1本はマコン・ヴィラージュ。もう1本はシャブリ シャベル・オー・ルー。いわゆる“ACブル”とどう違うのか。そのあたりをたしかめていきたい。

 

ルイ・ジャド白5本【4本目】マコン・ヴィラージュ

まずはマコン・ヴィラージュだ。いきなり告白すると、私はこの「マコン・ヴィラージュ」というアペラシオンのことが正直よくわかってない。いやごめん。正直ぜんぜんわかってない。

なんかほらマコンとかマコンヴィラージュとかマコネとかいろいろあるじゃないすかあのあたり。マコン? マコネ? どっちだっけ? みたいになる。テンプラニーリョ? テンプラリーニョ? とか上白石萌音上白石萌歌みたいになる。

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マコン・ヴィラージュ

調べてみると、マコンはマコネ地区の主要コミューン。マコネ地区の中にマコン郡があって、その中心都市であるマコンはソーヌ=エ=ロワール圏の県庁所在地でもあるそうだ。大阪府大阪市みたいなことですかねかなり強引に言うと。うん、調べて頭では理解できたけどやっぱりわかんねえなこれ。

Wikipediaの「マコネー・ワイン」の項によれば、マコネは北はコトー・シャロネーズ、南はボジョレーに挟まれた、ブルゴーニュ最大の生産量を誇る地区。マコン、フュイッセなど85のコミューンがあり、石灰質に富んだアルカリ性の土壌はシャルドネの栽培に適しているのだそうだ。マコンを含むマコネのワインはシャルドネがおいしい。

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さらにわかりにくいことには、ブルゴーニュワイン公式サイトによれば、マコン・ヴィラージュは地域名ワインと書いてあるのだが、ルイ・ジャドの公式サイトには村名格(Appelation Village)ですみたいに書いてある。これもう本当にわかんないので、格付け、それはあなたの心が決めることだというワインからのメッセージだと解釈し、もう飲んじゃうこととする。

ルイ・ジャド マコン・ヴィラージュを飲んでみた

さて、わかりにくいわかりにくいと書いてきたが、ワイン自体は超わかりやすくおいしい。「ブルゴーニュ」も十分においしかったのだが、やっぱり別物で、なんていうんですかねこれ。ポケモンが進化した感じというか、少年漫画の主人公の修行前・修行後というか、似てるけど別人感がある。

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具体的には、「ブルゴーニュ」のほうで感じられなかった酸味が豊かにある。それでいて果実味もパワーアップしている。前回の記事で「ブルゴーニュ」を私はイケメンで性格もいいが体型がだらしないアラフォー男性と印象を述べたが、このワインはそこから贅肉を落とし、それでいて体重は増やしたような感じ。なんかこう、一気に美女感出てきた。

このワイン、ステンレスタンク醸造・熟成で樽がかかっていないようなのだが、少し温度が上がるとクレーム・ブリュレみたいな印象も出てきて、1/3を樽熟成させている「ブルゴーニュ」よりむしろふくよかに感じる。これはブドウの力なんだろうなあ多分。おいしいワインだった。

 

ルイ・ジャド白5本【5本目】シャブリ シャペル・オー・ルー

というわけで、ルイ・ジャド白5本を順番に飲む企画もいよいよ次が最後。トリは「シャブリ シャペル・オー・ルー」だ。ここまでさっぱり→こってりの流れで来ているはずだが、ここにきてブルゴーニュのほぼ最南から、一気に最北の冷涼な地域にワープ。twitterで「飲む順番、マコンとシャブリ逆じゃない?」というご意見を頂戴したが正直自分もそう思いました。

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シャブリ シャペル・オー・ルー

ルイ・ジャドの公式サイトにはシャブリと名のつくワインが9種掲載されているものの、当該ワインは載ってない。仕方ないのでキリンのサイト「DRINX」を参照すれば、発酵後、ステンレスタンクで6カ月熟成とだけ書いてあるのでこれも樽は使っていないみたい。土壌はシャブリといえばのキンメリジャン土壌だ。

シャブリ シャペル・オー・ルーを飲んでみた

さて、実は私はシャブリに先入観を持っている。「すっぱいんじゃないか」というものだ。私はすっぱいワインが大好きだが、シャルドネに限っては若干話が違って、シャルドネは極力ふくよかボヨヨン系であってほしいと思っている。なのでシャブリは正直若干敬遠しているところがあったのだが結論を言うとこのシャブリ シャペル・オー・ルーが5本のなかのベスト(ただしブーズロンとはほんとに僅差)だった。なんだこりゃ超うまいな!

夜の森に月の光に照らされて咲いてます花が、みたいな香り。レモンに蜂蜜のような甘ずっぱさが豊かにあり、森を抜けた先にはメロンとかバナナみたいなトロピカルな雰囲気まである飲むタカノフルーツパーラー状態。開けた瞬間から香りもおいしさも全開だった。

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ルイ・ジャド白5本セットを飲み終えて

今回飲む順番を私はAmazonソムリエに相談して決めてもらったのだが、これはシャブリがトリで間違いない。お見それしました。

以上5本を、「好きな順」に並べるならばこうだ。参考までに、Amazonでの売価(2021年12月22日現在)も併記する。

シャブリ シャペル・オー・ルー 3213円

ブーズロン ドメーヌ・ガジェ 2890円

マコン・ヴィラージュ 2747円

ブルゴーニュ シャルドネ 2567円

コトー・ブルギニヨン ブラン 2290円

ここは資本主義社会、見事なまでに価格順だ。ワインは5000円くらいまで価格に応じておいしくなるとはよく言われることだが、同一生産者のワインを飲み比べたことでよりクリアにわかった気がする。

プロ野球選手は他リーグの選手、他球団の選手と比較するのが難しいが同一チーム内ではわかりやすく比較できる。宇草孔基外野手は野間峻祥外野手よりも打撃はいいが守備では劣るといった感じだ急に広島東洋カープの話になったけど。同質なクラスターの内部だと比較がしやすくなり、より違いを楽しむことができるというのが今回の気づき。

 

ルイ・ジャド白5本セットの飲む順番について

最後に飲む順番について。品種のことを抜きにして考えた場合、以下のような順番も面白いと私は思う。これだ。

シャブリ シャペル・オー・ルー 

ブーズロン ドメーヌ・ガジェ 

マコン・ヴィラージュ 

ブルゴーニュ シャルドネ 

コトー・ブルギニヨン ブラン 

つまり価格の安い順だ。Amazonソムリエに提案していただいた順番もひとつの正解で間違いないが、安いほうから高いほうに飲んでいくと味わいの違いがよくわかって楽しい気がする。

ともあれ大変楽しい飲み比べができて大満足だったのだった。ルイ・ジャド、いいやつも飲んでみたいなー!

 

 

 

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