ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

「レコルタンのクリュッグ」シャンパーニュ・ヴィルマールを飲んでみた

【1杯目】ケイジ ペティヤン・ナチュレル 2020

名古屋で夕方に2時間体が空いた。ならばワインを飲むしかない。というわけで以前教えていただいたお店「non」さんにお邪魔することにした。

ソムリエールの方がひとりで営むお店で、なんと午後3時からやっているという日帰り出張ワイン人間には大変ありがたいお店だ。新幹線に乗る前に1杯だけ飲もう。

名古屋駅からは地下鉄桜通線で3駅。駅からは徒歩3分くらい。東京駅から新幹線に乗るまで2時間あるから淡路町あたりで1杯飲むみたいな感じだ(わかりにくい)。

カウンターに席を確保し、まず飲んだのはケイジ ペティヤン ナチュレル。日本人佐藤圭史さんが南アのA.A.バーデンホーストで造るワインだ。

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ケイジ ペティヤン・ナチュレル。独特な味わい。

先日飲んだケイジ シュナンブランが大変非常にとっても素晴らしかったので、泡も飲んでみたいと思っていたので嬉しい。

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抜栓済みのペティアンとは思えないくらい勢いのいい泡立ちで、爽やかな香り。味わいはちょっと漢方薬的なニュアンスがあって個性的なワインだったが、ともあれ喉がこれにて潤って「さて飲むぞ」みたいな気分になる。さて飲むぞ。

 

☆【2杯目】ヴィルマール「プルミエ・クリュ・リリー・ラ・モンターニュ・グランド・レセルヴ」

10月にはシャンパーニュデーもあるということで選んだのはシャンパーニュだ。ヴィルマール「プルミエ・クリュ・リリー・ラ・モンターニュ・グランド・レセルヴ」である。

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「レコルタンのクリュッグ」ヴィルマールのプルミエ・クリュ・リリー・ラ・モンターニュ・グランド・レセルヴ。これ大変に素晴らしい

リリー・ラ・モンターニュ村のレコルタン・マニピュラン。樽発酵、樽熟成を行うのが特徴で「レコルタンのクリュッグ」と呼ばれるそうですよカッコいい。

この日飲んだキュヴェは樽発酵後、大樽で10か月熟成。その後25カ月の瓶熟を経てリリースされるっていうやつ。セパージュはピノ・ノワール70%とシャルドネ30%だ。

飲んでみるとこれがめっちゃくちゃフレッシュ。レモンみたいなリンゴみたいなさわやかな味わい。パン感弱め、酸味強めなタイプの私の好みど真ん中のシャンパーニュ。これは相当おいしいな。

思い出したのはこの日のシャルル・エドシック↓

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お通しもおいしいし時間もまだある。次は赤ワインを飲むことにした。選択肢は5つ。昼から空いててグラスワインはたくさん開いててなんなのホント。よい……!

 

☆【3杯目】ケイジ グルナッシュ2020

悩んだ末に選んだのが、オーストラリアはマクラーレンヴェールの生産者、コリオールのカベルネ・ソーヴィニヨン2007。そして「ハーフずつでもいいですよ」とのお言葉に甘えてドメーヌ・フィリップ・エ・ヴァンサン・ジャブレのクローズ・エルミタージュもお願いした。ヴィンテージは2015。熟成ワインとローヌワインの経験値を増やそうという魂胆だ。

さらにおまけにケイジ グルナッシュまで飲ませていただくことになった。酒飲みの「ちょっと1杯だけ」をいかにあてにしてはならないかがよくわかりますね。ハーフとはいえすでに5杯である楽しすぎ。

目の前にずらりと並んだ3杯のグラス。「試飲会みたいですね」と言われたが私もそう思いました。こういった場合は色の淡いものから飲むのがよかろうとケイジのグルナッシュから。

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ケイジ グルナッシュ2020。後ろに並ぶ本を読ませていただきながら飲む。最高。

で、これが非常に面白かったのだった。ブラインドで飲んだらマスカット・ベーリーAと悩んで……キャンベルアーリー? とか言いそう。それくらい軽やかでチャーミングな造りだったのだった。キャンディ感ある。

グルナッシュっていうと濃くて果実味強め、みたいな印象だけどこんな水彩画みたいなトーンにもできるんだなー。大変勉強になった一杯だった。

 

☆【4杯目】フィリップ・エ・ヴァンサン・ジャブレ クローズエルミタージュ2015

次に飲んだのはフィリップ・エ・ヴァンサン・ジャブレ。これはかなりガッツリ渋みがあるワインだった。2015ヴィンテージだけどピークはまだ先にある気配。血の滴るステーキとかと合わせて真価を発揮するワインだと感じた。

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フィリップ・エ・ヴァンサン・ジャブレのクローズエルミタージュ。品種はシラー。渋みしっかりガシッとした造り。

 

☆【5杯目】コリオール「カベルネ・ソーヴィニヨン2007」

そしてコリオールのカベルネ2007、これは非常に素晴らしかった。14年の歳月で渋み、酸味、果実味それぞれの角がとれた円熟味。もう150キロのストレートは投げられないけど四隅に丁寧に投げ分けるコントロールで打たせて取るベテラン投手みたいな味わいがある。うま〜! 

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コリオールのカベルネ2007。すごく良い熟成をしているワインでした。

この3杯を飲み比べて今日はシメようと思っていたら私が入店するより先にテーブル席で飲んでいた女性ふたりに「一緒に飲みませんか」とお声がけいただいた。え、いいんすか、でへへ、みたいなことをゴニョゴニョ言いつつお言葉に甘えてお邪魔した上に彼女たちが飲んでいたワインをご厚意で分けていただいた。旅先で遠慮はしないスタイルである。

 

【6杯目】奥野田ワイナリー ラ・フロレット ローズ・ロゼ2020

いただいたのは奥野田ワイナリーのラ・フロレット ローズ・ロゼ。「ミルズ」という初めて聞いた名前の品種を中心にデラウェアも使用しているというロゼ。ワイナリー名、「おくのだ」だと思ったら「おくのた」なんですね。

黒ぶどうなのに白ぶどうとか桃みたいな味わい。アルコール度数は8.5度というデザートワインで、はからずも泡2杯に赤3杯、締めにデザートワインを頂戴するといういい感じの構成になったのだった。ごちそうさまでした。

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奥野田ワイナリーのラ・フロレット ローズ・ロゼ。ほんのり甘い優しいお味。

どれくらい時間経ったのかな90分一本勝負くらいの感じだろうか(酔っ払っててもうわからない)。とても楽しい時間を過ごさせていただいたのだった。また名古屋で時間が空いたら行こう。そして、このお店を教えていただいたワインバー・イルマットにもいずれ必ず伺いたいと思う次第だ。

出張先でのワインバー巡り、趣味にするしかないなこれ。

というわけで今日のベストワインはこれだった。また飲みたい一本。