ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

「nomuno EXPRESS(ノムノエクスプレス)」有楽町の駅高架下で30分1100円で飲み比べ放題のワインバーへ行ってきた!

nomuno EXPRESSに行ってみた

Twitterで「有楽町の駅前に1100円で30分飲み放題のワインバーができた」というとんでもない情報を教えてもらったので早速行った。店名は「nomuno EXPRESS(ノムノエクスプレス)」場所は有楽町のビックカメラがある出口を出て、右を向き、15歩くらい歩いた右側の高架下である。ちちち近い! お隣の新橋駅にかつてあった駅蕎麦「ポンヌッフ」くらいの距離感である。ポンヌッフって新橋って意味なんですよこれ豆。

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有楽町ビックカメラの向かいの高架下にnomuno EXPRESSはあります。

さて、そのシステムは30分1100円で50種類のワインが飲み放題になるというシンプルなもので、ビール、ハイボールもオーダー可能。フードはボロネーゼ専門店「BIGOLI」のボロネーゼのみという潔さで、その代わり外からの持ち込みOKとなっている。30分では飲み足りないという場合、延長は30分550円。なんで急に半額になっちゃうんだよどうなってるんだよ最高かよ。

30分1100円の定額制飲み比べ放題。まずはエスパス・オブ・リマリ・ブリュットから

カウンターで「飲み放題をお願いします」と言うと、現在時刻が記された伝票を渡される、漫画喫茶みたいなシステム。私の場合、16時に入店したので16時半までの30分一本勝負である。

グラスをひとつ用意して、さてなにを飲もうかな〜と店内を物色。白が冷えていて、赤もあって、おっ、泡もある。やっぱりまずは泡ですかね外は残暑だし、とよく見ると、抜栓してあるのは甘口のものだけ。まあいいか本当は辛口がいいけどと思っていると、「今、辛口も開けますね」とスマートに提案してくれる男性が一人。

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30分1100円で飲み比べ放題。延長は30分550円。ソムリエナイフの理由は、本文中で明かされます。

慣れた手つきでチリ大手コンチャイ・イ・トロの「エスパス・オブ・リマリ ブリュット 」を開けてくれたこの方こそ、誰あろうこの「nomuno」という業態を赤坂と有楽町で展開する株式会社ノムノ代表取締役の藏石周太さん。視察と思しき業務で来店し、ついでに客(私)の相手もしてくれたのだった。

せっかく目の前に社長がおられるので、気になるところをいろいろ伺ってみた。以下、掲載許可を得た上で、一問一答形式でお伝えする。

「ソムリエ試験のときに苦労した経験」が定額飲み比べワインバーを作った理由

ヒマワイン(以下、ヒマ):こちら、ワインは何種類くらいあるのでしょうか?

藏石氏(以下、藏石):(同業態の)赤坂では約100種類なのですが、有楽町では約50種類を揃えています。今は、エノテカさんとサッポロさん(が輸入元)のワインですね。

ヒマ:エノテカとサッポロのワインが飲み放題のお店、ということでしょうか?

藏石:いえ、今はこの二社ですが、随時入れ替えたいと思っています。

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抜栓していないものは開けて飲んでくださいと藏石代表。

ヒマ:それは通いたくなりますね。ところで、どうしてこのような業態のお店をやろうと思われたのですか?

藏石:ソムリエ試験を受けたときに、飲み比べ(の練習)にすごく苦労をしたんです。当時は学生で、お金もなくて。その経験からこのお店をやろう、と。

ヒマ:なるほど。しかし、50種類もあると目移りしちゃいますね。

藏石:今、空いているワイン以外も、飲みたいワインがあれば開けることも可能ですよ。ぜひ色々飲んでみてください!

そう言って、藏石氏は私の前にスッ……とソムリエナイフを差し出してくれた。自身の経験から発想し、実店舗へと具現化する、そのアイデアと実行力がすごい。ちなみにアポイントをとったわけではマジでなく、本当に偶然居合わせただけ。ラッキー社長インタビューであった。藏石さん、ありがとうございました。

himawine.hatenablog.com

30分1本勝負で6杯のワインを飲み比べ。価格帯は1500〜2000円前後

さて、気を取り直して飲む。よく冷えた抜栓直後のイスパス・オブ・リマリ ブリュット(税込1650円)はとてもおいしく、30分これだけ飲んでも大満足ってレベル。なのだがそれではもちろん芸がないので、飲んだことのない「グランポレール エスプリ ド ヴァン ジャポネ 泉-SEN-」(税込1650円)を飲む。甲州にマスカット・オブ・アレキサンドリアブレンドしたというワイン。すっきりしておいしい。

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ロゼはこういう場所で飲めるとすごくありがたい。サンタ・クリスティーナ・ロザート

3杯目はエノテカ輸入のサンタ・クリスティーナ・ロザート。ロゼはあまり買わないので、こういう機会に試せるのはありがたすぎる。サンジョヴェーゼ、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、シラーをブレンドしたというこのワイン、チャーミングなんだけどそこはかとない複雑味もあっておいしかった。税込1760円。

ここまで飲んだ3杯はすべて税込1500円以上のワイン。飲み放題だからといって1000円以下のワインばっかり、なんてことはまったくなく、しっかり飲んで楽しめるワインが揃ってるのすごい。肉林ではないかもしれないがここは間違いなく酒池。有楽町駅徒歩5秒で行ける桃源郷である。まさか山手線沿線にあるとは。

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シレーニのセラー・セレクション ピノ・ノワール。税込2000円台のワインも飲めちゃう。

4杯目と5杯目はバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド バラエタル ピノ・ノワール(実勢価格1880円)と、シレーニ セラー・セレクション ピノ・ノワール(税込2090円)を飲み比べ。このバラエタルシリーズってエノテカの公式サイトに載っていないけど、飲食店用とかなんでしょうか。シレーニのピノ・ノワールおいしい。

この時点で残りは5分。シメにアンティノリ社がプーリアでつくる赤「ネプリカ・ネグロアマーロ」(1760円税込)を飲んだんだけどこれおいしいっすね。濃い甘系で。以上6杯、泡、白、ロゼ、赤、赤、赤のラインナップ。もちろん大満足である。

というわけで、価格帯的には1500〜2000円レンジのワインが飲めることがわかった。子どものころ、放課後に近所の駄菓子屋に集合し、アンズ棒やらキナコ飴やら酢イカやらを食べ比べして楽しんだ、その大人バージョン感覚。だって1100円ですよ30分だったら。1時間いても1650円。それで好きなワインをどれだけ飲んでもいいんですよ夢か。

ちなみに私以外のお客さんはみんなボロネーゼをオーダーしていて、それもすごくおいしそうだった。目の前にはビックカメラがあり、2階に酒販コーナーがあるため、そこでつまみを調達してから向かうというプランも魅力的だ。これで漫画が置いてあってソファがあったら料金システム的にもまさにワイン版漫画喫茶という印象でそれただの理想の自宅だった。

というわけで、ノムノ エキスプレス、大変楽しめたのでした。また行く。

セールでエノテカのパーティパックを買って自宅で再現するという手も(!?)。