ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

氷温熟成日本酒「°Ondo」5本をまとめて飲んで“ワイン好きに刺さる”のはどれかを考えた

氷温熟成日本酒ブランド「°Ondo」。ここまで発表された5本をすべて飲み、ワイン好きに刺さるのはどれかを改めて考えました![pr]

 

氷温熟成日本酒「°Ondo」をあらためて飲んでみた

このブログでたびたび取り上げてきた氷温熟成日本酒ブランド「°Ondo」(オンド)。その最大の特徴はなんといっても「氷温熟成」。0℃から氷点下5℃の“氷温庫”で長期間熟成した日本酒だけを揃えている。

なんで氷温熟成するかといえばアルコール分子の間に水分子が入り込むことによって酒質がまろやかになる「クラスター効果」が得られるから。それでいて、0℃以下の温度帯では通常の意味での熟成はほとんど進まないので、圧倒的にまろやかでありつつも、開けたてのフレッシュさも共存した、ちょっと他では見られない味わいになる。

私も過去に何度か飲んでいるが、あきらかにその効果は感じることができ、ワイン好きが飲んでおいしいと感じられる日本酒という方向性になりやすいのが“氷温熟成日本酒=°Ondo”だと思っている。

 

氷温熟成日本酒についてはこちらをチェックしてください↓

himawine.hatenablog.com

 

スパークリングの「°Ondo 001」を皮切りに、「000」「002」「003」「004」と、それぞれ個性の異なる氷温熟成日本酒が5モデルラインナップされているが、この5種類を「日本酒好きに向くのか、ワイン好きに向くのか分類せよ」というオーダーが舞い込んだ。そこで今回改めて全種類を飲み比べてみたのだが、かなり衝撃を受ける体験をしたので、ぜひ最後まで読んでいただければ幸甚だ。

ondosake.com

 

 

クリスタルクリアな衝撃。「°Ondo 004」を飲んでみた

まずは発売されたばかりの「°Ondo 004」から飲んでみた。精米歩合50%、−5℃〜−10℃という極低温で2年間氷温熟成された純米大吟醸だ。

いやでも、よく「この日本酒はワイン好きに飲んでもらいたい」、とか「ワイン好きに刺さる!」とか言うじゃないすか。そして、よく言う割には日本酒とワインの境界はしっかりある気がしている。

そんななか、この「004」は日本酒とワインの間の壁を乗り越えるポテンシャルを持つワイン、じゃなかった日本酒だと感じた。

果実や柑橘の香りに、究極レベルの透明感。本質的にはもちろんお米を磨いて美しい水で仕込んだ日本酒だと思うのだが、どこかブルゴーニュのアリゴテや、ドイツのリースリングに通じる、水晶を溶かしたような美しくも爽やかな酒質をしている。

これはワイン好きには刺さる味のはず。ただ、同時に最近は果実味と酸味を具備した日本酒がトレンドと以前酒販店の方に聞いたことがある。その意味では、この日本酒はそのトレンドに沿った、「日本酒らしい日本酒」にも思えてくる。

果実味:☆☆☆☆

酸味:☆☆☆

ワインでいえば:アリゴテ、リースリングなど

004 VintageSake 2023純米大吟醸 – Ondo

 

 

甲州みたいなシャープさ! 「°Ondo 003」をあらためて飲んでみた

004からはじめたので次は003を飲んでみよう。山形県オリジナル酒米「雪女神」を40%まで磨き、0°で氷温熟成3年を経た純米大吟醸だ。

こちらは004とはタイプが大きく異なり、レモンやライム、ゆずなどの和柑橘、そこに木の芽みたいな和スパイスっぽい香りが漂う緑がかったルック。果実味というよりシャープな酸が前面に出ているタイプに感じられる。

味わいも香りの印象の通りで、キュッとした豊かな酸味があって、うーん、これもうまい。「ワインっぽい」というよりは、日本酒らしさを残したまま氷温熟成の影響で純粋性をさらに高めたような印象で、強いて言えば似ているワインは甲州だろうか。

そして、この日本酒に感じるのは氷温熟成ならではの良さ。3年を氷温庫で過ごしているにも関わらず、まるで昨日完成した新酒ですといわんばかりのフレッシュさ。それと同時に新酒ではありえない角のとれた丸み。なんでも貫く矛となんでも防ぐ盾の両方を装備した人、みたいな、矛盾が違和感なく存在しているこの姿は氷温熟成でしかありえないんだと思う。

氷温熟成日本酒ってなんぼのもんじゃ? と思う方はまずこれを飲んでみるといいかもしれない。

果実味:☆☆☆

酸味:☆☆☆☆

ワインでいえば:コクのある甲州

003 VintageSake 2022純米大吟醸 – Ondo

 

 

ブルゴーニュに通ずる重層感! 「°Ondo 002」を飲んでみた

つづいては「002」。精米歩合40%、氷温熟成3年の“2022ヴィンテージ”と、スペック的には「003」に似ているが、酒質は大きく異なる。

米由来のふくよかな甘みを感じる香りや、トロピカルフルーツを思わせる果実を感じる香り。

飲んでみると、薄い層を幾層も積み重ねたような重層的で奥行きのある味わい。その薄い層それぞれに微妙に異なる味わいと香りがあり、それらが一口ごとに、あるいは時間の変化とともにめくられていき、新たな印象を与えてくれる。

この、時間とともに変化していく感じ。移ろいゆく時のなかにしか存在しない風味の感じは、どこかブルゴーニュ的な感じがする。

ワイン好きの方ならばきっと楽しめる、「ワイン好きに刺さる日本酒」といえる1本だ。

 

果実味:☆☆☆☆

酸味:☆☆☆

ワインでいえば:ブルゴーニュ シャルドネ

002 Vintage Sake 2022純米大吟醸 – Ondo

 

 

アロマティック日本酒! 「°Ondo 000」を飲んでみた

数字の上では次は001だが、リリース順としては次に000がくるので、先に000を飲んでみた。−2~−4 ℃で氷温熟成1年、精米歩合40%の純米大吟醸。酒造米は京都産の山田錦を使用している。

でもってこれが面白い! 香りはメロンやバナナ、白桃といった完熟フルーツ。ワインでいえばアルバリーニョ……いや、ヴィオニエか。

飲んでみると甘みというより果実味を感じる味で、イタリアの北のほうのワインの雰囲気も感じる限りなく透明に近いピーチ味。ガヴィとか、アルネイスとか。アロマティックで酸味豊かなワインの雰囲気が間違いなくある。

5本のなかでもっともアロマティック。香り高いワインが好きな方は、ぜひ試してもらいたい“日本酒”だ。

果実味:☆☆☆☆

酸味:☆☆☆☆

ワインでいえば:アロマティックな白ワイン

000 Vintage Sake PERPETUAL STYLE – Ondo

 

すごかった! 「°Ondo001」を改めて飲んでみた

さて、最後は「°Ondo001」だ。

シリーズ唯一のスパークリングタイプで、コルクで打栓された瓶内二次発酵(シャンパーニュと同じやり方)の非常に手間のかかった日本酒。私はこれを昨年一度飲んでおり、半年以上ぶりに飲んだのだが、おかしいな別物くらいおいしくなってませんかこれ? 

香りはまるでシャンパーニュのブラン・ド・ブラン。非常に豊かな酸味を感じさせると同時に、ビスケットのような香ばしい香りも漂ってくる。

私は全部のワインのなかでシャンパーニュのブラン・ド・ブランのちょっと熟成したやつがいちばん好きだが、日本酒から大好物の香りがすること自体にまず驚く。半年前はここまで香らなかったので、この半年強でいい感じに熟成が進んだんだと思う。

グラスに注ぐと豊かな泡がグラスの底から立ち上る。口に含むと苦味・雑味が一切ない透明な結晶のようなクリアな果実感と、シャープな酸味が違和感なく併存している。それでいて、やはり研ぎ澄まされた米の旨みはたしかに感じられる。これは無二!

シャンパーニュとの最大の差分はアルコール度数で、11.5%程度のシャンパーニュに対して°Ondo 001は14%。これは心からシャンパン好きに飲んでほしい! と言える日本酒だと思う。残り少ないと思うので、これは早めに購入することを進めたい。

果実味:☆☆☆☆

酸味:☆☆☆☆☆

ワインでいえば:ちょい熟ブラン・ド・ブラン

001 Sparkling Sake 2019 純米大吟醸 – Ondo

 

°Ondo5本を飲んでみて

というわけで、°Ondo5本を飲み終えた。どれがワイン好きに刺さるかという点でいうと、以下がツートップとなりそうだ。

°Ondo 001「まるでシャンパーニュのブラン・ド・ブラン!」

°Ondo 002「まるでブルゴーニュのような重層感」

5本全部を飲んで思うことは、ワインに比べてはるかに経験値は少ないものの、私が経験したことのない日本酒ばかりということ。これは明らかに氷温熟成の影響だと思う。フレッシュなのにまろやか。ふくよかなのにシャープ。氷温熟成は、この表現の矛盾を解消する手法だ。

「°Ondo」シリーズは、すべて蔵から出荷されたあとも、通常の冷蔵庫ではなく氷温庫に保管され、そこでさらなる熟成が進むのだそうだ。それがゆえに「°Ondo 001」のように衝撃的な“進化”が起こることもあるのだろう。

定番酒だという「°Ondo 000」を除いてはすべて生産数は少なめ。気になるお酒があったら、ぜひ早めにゲットを。日本酒好き/ワイン好きへのプレゼントとしても最適だと思います。

ondosake.com