ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

オーパス・ワンにシルヴァー・オーク! カリフォルニアの赤ワイン2種を飲んだらどちらもすごかった

オーパス・ワンを飲みに東京・汐留へと向かった

AUTHORITYカレッタ汐留店が、カリフォルニアワインマンス2020イベントに絡めて、オーパス・ワン&カリフォルニア熟成ワインの試飲をやるというのでなにもかもを後回しにして雨の中を東京・汐留へ向かった。 

himawine.hatenablog.com

JRの新橋駅を背に地下道を歩くと、突き当たりにカレッタ汐留はある。建物内は決して多くの人で賑わっているわけではないが、妙にホットな一角があるなと思えばそこがAUTHORITYカレッタ汐留店である。Twitterのフォロワーは試飲1杯無料という太っ腹というかもうこれは225リットル入りのバレル腹というべき気前のいいキャンペーンをやっているため、キャンペーン初日は平日にも関わらず「オーパス・ワンください!」と飲みにくる元気いっぱいなワイン好き(私含む)で静かな熱気を放っているのだ。

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2020年10月15日の試飲メニュー(変更になっている可能性があります)。

さてオーパス・ワンである。ワインにハマってもうすぐ2年。いつかは飲みたいなあと思っていたが、そのチャンスが思いがけず向こうからやってきてくれた。ロバート・モンダヴィとバロン・フィリップ・ド・ロートシルトのジョイントベンチャー。カリフォルニアワインの最高峰。飲んだことはなかったが、「ロバート・モンダヴィ自伝」は読んで予習は完了している。

試飲は1杯45ml3000円。お店の方にツイッターのフォロー画面を提示すればタダなのだが、ここはオーパス・ワンへの敬意を表してあえて3000円払って飲むことにした(後述する2杯目を無料でいただきました。ありがたや)。

オーパス・ワン(2016)を飲んでみた

というわけで目の前にオーパス・ワンである。作品番号1番である。初号機。001(ゼロゼロワン)。一号。最初のひとつはいつだって誰にだって特別だ。というわけでマイファーストオーパス・ワンが目の前にあるのだが、いつまでも「オーパス・ワンだなあ」と感慨にふけっていても仕方がないのでグラスを手に取ってみた。

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鎮座するオーパス・ワン。うーん、いい香り。

オーパス・ワンの公式サイトによれば、2016ヴィンテージの使用品種はカベルネ・ソーヴィニヨン77%、プティ・ヴェルド8%、メルロー8%、カべルネ・フラン5%、 マルベック2%とのこと。17日間のスキンコンタクト、フレンチオークの新樽で18カ月熟成。

醸造家が2016ヴィンテージについて語る動画。ゆっくり話してるので字幕つければ理解できます。


Opus One 2016 Tasting Notes

まずもって香りがいい。なんすかねこれ。45mlしかグラスには注がれていないのに、4500リットル入りのタンクに鼻先を突っ込んだような濃くて厚みのある感じがする。ひとつひとつの香りは華奢で繊細なのに、その香りの粒がとにかくたくさんいる感じのブドウ坂48状態。

ヒマワイン「いやー、いい匂いっすね」
お店の方「高いだけありますよね」

と相変わらずリアルでは気の利いたことはまったく言えないので飲んでみる。うーん、こりゃおいしいわ。このワインを秤に乗せたら1mlあたりの重さが他のワインに比べて重いんじゃないかと思えるような、濃いのとはまたちょっと異なる密度の高さを感じる。1mlあたりのブドウ分子の量が多い感じ。善良な市民として新型コロナウイルス感染拡大防止に向けて「密」は避けるべきだがワインの1mlあたりの「密」は大歓迎である。

お店の方に伺うと、オーパス・ワンは以前は濃さが特徴だったものの、ヴィンテージごとにどんどんエレガントになっている印象なのだとか。へー。

シルヴァー・オーク アレクサンダー・ヴァレー(2001)を飲んでみた

と、このままだと一瞬でグラスからワインが消滅してしまうので、もう1杯頼み、飲み比べを行うこととした。カベルネ・ソーヴィニヨン主体オーパス・ワン2016と並べるならばと選んだのはシルヴァー・オーク アレクサンダー・ヴァレー2001である。シルヴァー・オーク。カベルネ・ソーヴィニヨンしか造らない気合の入った生産者であることは予習済みだ。お値段は45ml2000円だが、前述したように無料でいただいた。重ねて感謝。

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シルヴァー・オーク選手のご様子。すごいワインだった。

でですね、こちらがまたやっばいやつだったんですよ本当に。

まず前提として、私は熟成ワインをほぼ飲んだことがない。なので、熟成ワインとしてどうこうというのは語りようがないのだが、とにかくワインとして異様にうまい。

2001年ヴィンテージなんていうのは実は真っ赤な嘘で、AUTHRITYカレッタ汐留店の裏庭で採れたブドウをついさっき絞ったんでしょう? と問いたくなるほどフレッシュ。カレッタ汐留にはブドウ畑はなく、さっき絞った汁はすぐにワインにはならない。なのに「注文を受けてから絞りました」という生レモンサワー方式のように感じるのほんとなんなのこれ。これが19年前に造ったワイン? 嘘だろ? まだ大学生だったんだけどその頃。

オーパス・ワンも非常においしいが、オーパス・ワンほどの期待感は抱かずに飲んだせいか、意外性も含めて本当に素晴らしいと感じた。輸血感というか、口に含むとすごく体に良いものを体に入れてる感覚がする。オーパス・ワンよりオーエスワンに近いワイン、それがシルヴァー・オーク(個人の感想です)。香りはチャーミングで、これも私が知っているカベルネ・ソーヴィニヨンのワインとはちょっと違った。色をお店の方に見てもらうと、「多少レンガ色をしているので、たしかに熟成していますね」とのことだったが、味わいはどのあたりが熟成由来のものだったのだろう。これは本当にどなたかに教えてもらいたい。

結論。どちらも最高

結論としてはどちらも超うまい。この日は3、4種の試飲を予定していたが、この2種飲み比べが高山善廣VSドン・フライ戦を思わせる歴史的名勝負となってしまった結果、ここにはなにも足せないと判断せざるを得ず、2杯での退却を余儀なくされたほどだ。

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まさに飲む高山VSドン・フライ。「それなに?」という方はユーチューブとかで見てみてください。

さて、聞けば毎月第3木・金曜日はワインがセール品も含めて10%オフとのこと。なので、かねて気になっていた3本1万円のコーナーから3本を99%丸投げで選んでもらってレジに運ぶとお会計は9000円とのこと。3本1万円、税込価格なのかよ! いろいろおかしいよこれからもがんばってください!

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選んでもらった3本のワイン。カレラはワインにハマってすぐに飲んで以来で楽しみ。

というわけで、試飲したワインは予算の都合ですみません買えなかったが、3本の楽しみなワインを収穫して家路に着いたのであった。うーん、大満足。

ちなみに、2020年10月16日現在、AUTHORITYカレッタ汐留店は大盛況で、試飲カウンターに入れないということもあるようだ。お店を訪れる際は、事前にお店に問い合わせしておくのがいいだろう。また、試飲カウンターの利用は19時まで。日曜日はお休みなので、ご注意を。

シルヴァーオーク2001 1本だけあった!