ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

1000円だけどあなどれないぞ! ペッパーウッドグローブ・オールド・ヴァイン・ジンファンデルを飲んでみた。【Pepperwood Grove Old Vine Zinfandel 】

ペッパーウッドグローブ・オールド・ヴァイン・ジンファンデルと餃子の謎の相性

先日、「クラレンドル・ルージュ・サン・テミリオン」を抜栓した際、メインディッシュのギョーザとまっっったく合わず、やむをえず撤退、翌日羊肉のソーセージと合わせたらめちゃくちゃうまくて驚いた、昇天した、という話をブログに書いた。

himawine.hatenablog.com

今回の主役であるペッパーウッドグローブ・オールド・ヴァイン・ジンファンデルは、先発のクラレンドル・ルージュ・サン・テミリオン投手がアクシデントから2回裏で降板となった後を受け、その後8回までギョーザ軍の強力打線を散発5安打、失点はソロ本塁打の1点のみでしのぐという好救援を見せた中継ぎ投手、じゃなかったワインである。
ワインと料理の組み合わせについて私には分析できるだけの知識と経験がない。なので、まずはギョーザを因数分解するところからはじめる。

f:id:ichibanboshimomojiro:20200508181557j:plain

ペッパーウッドグローブ・オールド・ヴァイン・ジンファンデルを飲みました(写真は飲み干したあと)

私が作成するギョーザの場合、それは皮、キャベツ、ニンニク、ネギ、ショウガ+調味料、ということになる。ニラは入れずにさっぱり仕上げ。冬場はキャベツがハクサイに変わる。ちなみにまずしっかりと焼き、ギョーザの腰のあたりまでを熱湯で浸し、ふたをして水気がなくなるまで熱して完成というレシピであります。タレは酢と醤油と中華顆粒だしを一煮立ちさせ、ごま油で仕上げさせていただいております。ラー油はお好みでお願いしますワインの話だった。
最初のワインが合わなかった、その原因の主犯はおそらくネギ、そして共犯がニンニクだ。この容疑者2名が、クラレンドル ・ルージュ・サン・テミリオンの繊細な味わいとまったく調和しなかった。最初の2個でその圧倒的な合わなさに気づき、慌ててペッパーウッドグローブ・オールド・ヴァイン・ジンファンデル投手が緊急登板したわけだが、そのパワフルな味わいが、ネギやニンニク、ショウガ、ごま油といったクセ強めのギョーザ軍の打者たちと見事な調和を見せたというのがことの次第だ。

ペッパーウッドグローブ・オールド・ヴァイン・ジンファンデルはどんなワインか

ネギ、ニンニク、ショウガといった香り強い野菜BIG3を相手に回してなお拮抗できるわけだが、このペッパーウッドグローブ・オールド・ヴァイン・ジンファンデルは非常にパワフルだ。アルコールは強めで、味は濃く、果実味は深く、スパイシーさもある。ハリウッド映画のカーチェイスで複数の車両が同時に爆発するようなド派手な味わいといって間違いないと思う。繊細、幽玄、耽美、みたいなワードとは無縁だ。筋肉系だ。
輸入元のワイン・イン・スタイルの商品ページによれば、「好みのチーズを挟んだグリルバーガーや、リッチなトマトソースのパスタと良く合」うとある。チーズバーガーとかミートソースパスタとかと合うってことだと思う。つまりはアメリカの食事に合うのだと思う。
生産者はドン・セバスチャーニ&サンズで、その公式サイトをチェックすると、同社の保有するブランドのなかでも、かなり廉価というか大衆的な部類のブランドであるようで、瓶とともに箱ワインとしても売られている模様(ただし、2020年5月8日現在はオールド・ヴァイン・ジンファンデルはサイト上で確認できなかった)。これが箱に入ってたらもう毎晩ギョーザでいいわってレベル。

ペッパーウッドグローブ・オールド・ヴァイン・ジンファンデルの味わい

クラレンドル ・ルージュ・サン・テミリオンは、2日目にフランス料理店のテイクアウトの羊肉ソーセージであらかた飲み、3日目にスーパーで買ったパテ・ド・カンパーニュで飲み干した。すごく楽しめたわけだけれどもそれなりにコストはかかった。一方で、ペッパーウッドグローブ・オールド・ヴァイン・ジンファンデルは葡萄畑ココスで1100円税込が購入価格であり、ギョーザの材料費もたぶん同じくらいのものだ。コスパという言葉は安易に使いたくない気がするんだけれども事実からはそれが良いと認めざるを得ないでしょうさすがにってなる。

f:id:ichibanboshimomojiro:20200508181746p:plain

vivinoの点数は3.7点。うーん、納得。



それにしても、5000円のワインと1000円のワインを、料理違いでそれぞれ飲んだのは非常にいい経験だった。5000円のワインのほうが総合力は間違いなく上。しかし、今回に限って言えば、ある一点に関して1000円のワインも絶対に負けない牙を持っていた。そのとがった牙をうまく活かせば、1000円でも5000円を凌駕するパフォーマンスを発揮してくれる。ワインって面白い!