ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

「セグラヴューダス ブルート レゼルバ」カタルーニャの歴史と築1000年のワイナリーで生まれるワインについて。【SEGURAVIUDAS BRUT RESERVA】

セグラヴューダス ブルート レゼルバを買った

隣の駅を歩く機会があったので、普段は行かない大型のスーパーに足を踏み入れた。となれば向かう先はもちろんワインコーナー。棚にズラリと並んだそのなかから、セグラヴューダス「ブルート レゼルバ」を家に連れ帰ることにした。

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セグラヴューダス ブルート レゼルバを飲みました。

セグラヴューダスの本拠地はカバの本拠地、スペインはカタルーニャ。カバについて調べると毎回カタルーニャの話が出てくるので、一度ざっくりその歴史を把握しておこうとwikiを見たところ想像以上に半端なかった。

カタルーニャとセグラヴューダスの歴史

カタルーニャの歴史は古い。どれくらい古いのかといえば、「中期旧石器時代にはネアンデルタール人が住んでおり」から話が始まるレベル。そこからかよ。

中期旧石器時代は30万年前から3万年前までで、さすがにネアンテルダール人はワインを造っていなかったようなので時計の針を進めると、次に出てくるのはギリシア神話ヘラクレスの敵だった三頭の巨人・ヘリオンがカタルーニャにブドウをもたらしたとある。まだ伝説かよ。

考古学的には、フェニキアとエジプトがカタルーニャのワインを貿易していたという証拠があるようなので、紀元前には余裕でワインを造り、それが海を越えた輸出品となっていたようだ。日本だと弥生時代弥生時代って。卑弥呼すら生まれてないのかよといちいちツッコミを入れないといけないほど歴史の驚きに満ちているんですよホントに。

そののち、カタルーニャはローマに征服され、5世紀に西ゴート族に占領され、8世紀にはアラブ人に征服され、9世紀に一部がフランク王国編入され、987年にカタルーニャ君主国がようやく生まれている。その歴史が11世紀にまでさかのぼるというセグラヴューダスの現在のワイナリーの建物は、西ゴート、ロマネスク、ゴシックといった「様々な建築様式が織り成す一大建造物」らしく、10世紀にわたって使い続けられているようだ。築1000年。もうツッコミを入れる気力もないよ。法隆寺かよ。

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築1000年を誇るセグラヴューダスのワイナリーの建物の様子。グーグルマップより。

でもっていろいろあって1872年、ペネデス地方でカバが生まれ、セグラヴューダスも1954年、当主のマニュエル・セグラヴューダスがカバ造りの機材を導入したことを機に、カバ生産に参入する。

カタルーニャの地に根付きまくっているだけに、セグラヴューダスの醸造長は地元で生まれ、地元のバルセロナ大からカタルーニャ工業大学に進んでワイン醸造学の博士号を取得し、父がセグラヴューダスで働いていたからと入社した、父がFCバルセロナで活躍していたからという理由でFCバルセロナの下部組織・カンテラからトップチームに合流したみたいな経歴の持ち主。ちなみにセグラヴューダスのカバはFCバルセロナが優勝した際の“ヴィクトリーシャワー”にも使われたんだとか。今日飲むワインをメッシが飲んでるかどうかは定かではないが、今日飲むワインはメッシが浴びてる。

セグラヴューダス ブルート レゼルバはどんなワインか

でもって「ブルート レゼルバ」がどんなワインかといえば、12種類のワインをブレンドし、そのうち4種類のワインは一次発酵の後、タンクで3カ月澱ととともに熟成。ブレンド後は最低でも15カ月熟成を行うとある。熟成を行うのは地下20メートルで、温度は14-16度で一定しているのだとか。地下20メートルってさくっと書いてあるけどすごくないですか。7階建てのビールを地面にブッ刺したくらいの深さ。

使用品種はマカベオ50%、パレリャーダ35%、チャレッロ15%のカバ三銃士。アルコール度数は11.5%、補糖は9g/Lだそうです。

セグラヴューダス ブルート レゼルバを飲んでみた

さて、その味わいはいかなるものか。スーパーから連れて帰ったそれを冷蔵庫に一昼夜安置。翌夕刻によく冷えたそれを飲んだ感想が「なんか、シャンパーニュっぽい。」というものだった。
などと書くと、お前さあ、シャンパーニュなんて盆と正月くらいしか飲まない、生涯シャンパーニュ消費数ぎりサッカーの試合ができるレベルの人間がシャンパーニュっぽいとか言って恥ずかしくないの? おとなしく地中海を行く船の甲板で鼻の穴に乾いた麦わらを突っ込んだみたいな香りがするみたいなわけのわからないことでも言ってなさいよ、と己にツッコミを入れたくもなるのだが、そう思ってしまったものは仕方ない。

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vivinoの点数は3.6点。値段に対して高評価。

しかも調べてみるとセグラヴューダスがカバ造りを初めた当時、「フランス・シャンパーニュから二人の専門家を迎え」たとあるからあながち間違ってない気がしなくもない。カタルーニャの地でスパークリングワインを造るにあたり、セグラヴューダスは北北東に針路をとり、シャンパーニュを目指していたのは事実のようだ。ただ、「じゃあどの辺がシャンパーニュっぽいのか?」と重ねて問われた場合、明確な答えがないといったところで私の底の浅さが知れる。なんかこう、泡が? しゅわしゅわ〜っとしてて? 栗? じゃなくてクリスピーな感じ? がして? みたいななんかハッキリしないOLみたいな口調になる始末である。味わいは各位どうぞ飲んでたしかめてください安いし。

そう、これだけつらつら書いてきたけれどもこのワイン、お値段1191円とかですごくグッド・バリュー・フォー・ザ・マネー。というわけで「セグラヴューダス ブルートレゼルバ」は私にとってシャンパーニュは飲みたいがカネはなし、という切ない夜にジェネリックシャンパーニュとして再登板の可能性が大いにありそうなワインとなったのでした。

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