ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

シミ・ソノマ・カウンティ・シャルドネを飲んで調べて味と感想と価格をまとめてみる。【SIMI Chardonnay Sonoma County 2018】

シミ・シャルドネを買う。無性に樽の効いたシャルドネが飲みたくて。

人間誰しも突然無性に食べたくなるものリストを胸に秘めている。私の場合それはマックのフライドポテト、吉野家の牛丼、ファミチキ、東京油組総本店の油そばチョコモナカジャンボ、といった野球部に所属する男子中学生の大好物みたいなものだらけなのだが、ワインを飲み始めて1年ちょっと、そのしょうもないリストの最後尾に「樽の効いたシャルドネ」が加わっている。うまいよなあ、樽の効いたシャルドネ。「樽の効いたシャルドネ」は声に出して読みたい日本語。
しかし、素人の悲しいところでどのワインが「樽の効いたシャルドネ」の味がするかがイマイチわからない。というわけで、「無性に樽ドネ」気分が心中に発生した場合に選ぶのはカリフォルニアのシャルドネになる。ログハウスの壁をペロリとなめたときのような(なめたことないけど)ド濃厚なやつが理想。
どなたかが書いていたが、ワイン初心者はまず一度樽ドネにハマるのだそうだ。そして、やがてそこから離れ、しかるべき時を経て、再び樽ドネに戻ってくるという。樽ドネは守破離の過程を経るというわけで私はいま「守」の位置にいる。

f:id:ichibanboshimomojiro:20200405153917j:plain

シミ・ソノマ・カウンティ・シャルドネ を飲みました。写真撮る前にうっかり開栓しちゃうのホントやめたい。

シミ・シャルドネは京橋ワインで2178円(税込)

そういった脳内の過程を経て、今回私が「京橋ワイン」で何本か注文したうちのひとつが「2018(以下、シミ・シャルドネ)」だ。

時は19世紀。1849年、トスカーナからジョゼッペとピエトロのシミ兄弟は新天地カリフォルニアに渡る。1876年シミの名前ではじめてのワインをリリース。しかし、順調にビジネスを拡大させるなか、1904年ジョゼッペとピエトロのふたりともが突如死去。ジョゼッペの娘・イザベルが18歳の若さで経営を引き継ぐことになるーー。
次にはじまるNHKの朝ドラのあらすじ、じゃなくてワインメーカー「SIMI」のウェブサイトに記載された同社の歴史だ。女傑・イザベラさんはその後禁酒法の時代を生き抜き、1970年に引退してワイナリーを手放すまで経営者として奮闘したのだとか。マジで朝ドラっぽい。シミ兄弟が船で新大陸に渡ってから150余年を経て、彼らのDNAが受け継がれたワインをインターネット経由で佐川急便に届けてもらえるって21世紀ってほんとすごい。京橋ワインさんありがとう。

シミ・シャルドネ、商品単価2178円(税込)。シミのオンラインショップを見ると、現地販売額は18ドルなのでかなりリーズナブル。なんでも【超特価】で【在庫処分】なのだとか。好きな飲み物はワイン。好きな言葉は「在庫処分」です。「インポーターさん日本撤退による大・大・大処分特価!」なのだとか。

シミ・シャルドネシャルドネ100%。樽で8カ月熟成

ブドウはシャルドネ100%。熟成は「しあわせワイン倶楽部」の商品ページによれば「85%フレンチとアメリカンオーク(30%新樽)、15%ステンレスタンクにて8ヶ月熟成、MLF40%」とのこと。MLFってマロラクティック発酵のことだと思うけど、40%だけ行うとかもあるんですね。フレッシュでシャープな味わいを目指す白ワインはマロラクティック発酵を行わないとのことなので、酸味の角をとって複雑味を増す、みたいな意図なんでしょうか。詳しいことは詳しい人に聞いてください。

シミ・シャルドネの味わい

さて、いざ飲んでみる。うーん、うまいっす。公式サイトによればその味わいは「タンジェリン、白桃、青リンゴ、メイヤーレモン、オレンジの花、そしてバターとクリーム、バニラ、火打石のかすかな兆候(ヒント)」だとか。タンジェリンはポンカン、メイヤーレモンはレモンとオレンジの交配種なんだとか。タンジェリンとメイヤーレモンと火打石の香りがなー、よくわかんないんだよな〜。

飲んでみると、樽が前面に出ている感じは意外と少なく、むしろ果実感のほうが強いくらい。鶏肉のクリーム煮みたいなのに合わせるというよりは、バターで炒めたエビとか、こってり目の魚介料理に合いそうなスッキリ樽ドネという印象。キリリと冷やして飲むというより、テーブルに出しっぱなしにしておいて飲みかつ食らって大いに食事を楽しむ! みたいなシーンに合う。つまりいいワイン。

これからの人生に何度でも訪れるであろう「無性に樽ドネ」というシーン。これからどんなワインに出会えるのか、楽しみで仕方ない次第です。