「SLAM DUNK」(漫画)と「SLAM DUNK」(ワイン)と私
漫画「SLAM DUNK(スラムダンク)」の連載が始まったのは1990年42号のこと。
当時のジャンプにはどのような漫画が掲載されていたのか。主な連載作品を挙げてみよう。
「DRAGONBALL」
「ろくでなしBLUES」
「DRAGON QUEST ダイの大冒険」
「燃える! お兄さん」
「魁!! 男塾」
「電影少女」
「花の慶次 雲のかなたに」
「CITY HUNTER」
「まじかる☆タルるートくん」
「新 ジャングルの王者ターちゃん」
「ジョジョの奇妙な冒険」
「こちら葛飾区亀有公園前派出所」
「蹴撃手マモル」
「聖闘士星矢」
なんだこりゃすげえ。これ全部同じ号に載っていたわけですよ。すごい。非常に多くの作品が時の審判をクリアして今でもコンテンツとして生存していることからも、このラインナップのすごさがわかる。
当時、日本の小学生男子にとってバスケットボールはマイナースポーツといっていい存在だったがこの作品の登場を機に状況は一変。同世代でスラダンきっかけでバスケはじめたっていう話めっちゃ聞く、みたいになった。
現役だったマイケル・ジョーダンが率いるバスケ男子オリンピック代表・ドリームチームがバルセロナオリンピックに出場して大きな話題となったのは「SLAM DUNK」連載スタートから2年後の1992年のこと。当時バスケは「イケてるスポーツ」の代名詞だった私は野球部だったけど。
それにしても全盛期ジャンプで好きだったのが「魁!! 男塾」であり選んだ部活が野球部、というあたりが私の人生を象徴してる感じがするなあ唐突に自分語りを挟むと。イケてるサイドにいたいはずが気がついたらいないタイプの人生だった。
「SLAM DUNK」はどんなワインか?
さて、今回飲んだ「SLAM DUNK」(ワイン)は「SLAM DUNK」(漫画)とは関係がなく、「マイケル・ジョーダンのスラムダンクみたいな凄いワインってどんなワインだろう?」という疑問から生まれたワインなんだそうだ。ともあれ世代的にどストライクの身としては、「SLAM DUNK」とラベルに書かれたワインを買わないわけにはいかない。安西先生、ワインが欲しいです。
さて、「SLAM DUNK」はマーケターのデヴィッド・グリーンと、ワインメーカーのメイヤン・コスチスキーのチームが造るワイン。公式サイトのトップページから販促物がダウンロードできたり、ワインに合うプレイリストが紹介されていてたりと「モノ消費からコト消費」感が全開になっていていかにもマーケティング主導な感じ。
「スラムダンク、それは人生において『決めた!』と思えるすべての瞬間を祝福するためのワインなんだ」みたいな。わかりやすいおいしさ、最高の品質、手に取りやすい価格を兼ね備えてます、という感じが全面に出てる。
ブレンドはプティ・シラー55%とジンファンデル45%といかにも濃くて果実味が強そうなレッドブレンド。それぞれ新樽率40%のオーク樽で14カ月熟成させているとのこと。アルコール度数は14.8%と高い。
「SLAM DUNK」を飲んでみた。
ともあれ実際のところはもちろん飲んでみなければわからない。(ボトルに)左手は添えるだけ……とかなんとかいいながらグラスに注いで飲んでみた。
色はディープな感じのパープル。カシス的なブルーベリーガム的な香りがするけれど、飲んでみると意外と甘すぎない。なんですかねこれは。ラズベリーを練り込んだ手造りバニラチョコチップクッキー、みたいな風味。2000円台半ばの赤ワインとして実に素直にうまい。
さて、半分ほど飲んだところで飲み干したらそこで試合終了ですよ…? という心の声が聞こえた気がしたので残して翌日再戦してみると、湘北高校バスケットボール部が勝ち上がるごとにチームとしての協調性を高めていったように、このワインも少し酸味が強まって全体のバランスが整ったような感じがする。意外と少し冷やしてもおいしいのかもしれない。翔北のスタメンでいえばゴリかと思いきや花道、かと思いきや宮城リョータ的な万人受けする味筋。
飲んでおいしくバスケ好きの友人へのプレゼントにはド最適。なにより私のようなスラダン世代の昭和生まれ諸氏は、一本買って往時を懐かしむのに非常に吉、といったワインだった。オススメです。