サブスタンス カベルネ・ソーヴィニヨンとチャールズ・スミス
昨夜はワシントン州のワイン、ワインズ・オブ・サブスタンスの「サブスタンス カベルネ・ソーヴィニヨン」を飲んだ。
公式サイトによれば、ワインズ・オブ・サブスタンスの歴史はチャールズ・スミスという一人の男の歴史だ。
カリフォルニア州サクラメントに生まれたスミスの人生が動いたのは1989年、彼が29歳のときのこと。デンマーク人の恋人を追ってデンマークに移住した彼は、その後の9年間をロックバンドのマネジャーとして過ごす。
1999年、アメリカに帰国したスミスはワインショップをオープン。そして同年、二人のワインメーカーとの出会いをきっかけにワイン造りに身を投じ、2001年には初めてのワインをリリース。瞬く間にスター生産者の地位に上り詰めた彼が、「アメリカでいちばんコストパフォーマンスの良いカベルネ・ソーヴィニヨンを造る」というコンセプトのもとで作り上げたのが、ワインズ・オブ・サブスタンスなんだそうだ。うーん、人生のクセが強い。
元ロックバンドのマネジャーで、本人もメガデスでドラム叩いてませんでした? みたいないかにもロックな風貌だけに、その造り出すワインのレベルもどこか音楽アルバムのジャケットのよう。ワインズ・オブ・サブスタンスのセカンドアルバム「CS」から、聴いてください、曲は“タンニン”みたいな感じ。
サブスタンスってどんな意味?
サブスタンスっていうワードがわかるようなわからないような感じなので調べてみると、物質、なんだけど、どこか概念的というか、本質とか実質、みたいなニュアンスを含んでいるみたいで、これまた公式サイトによれば"This is Cabernet Sauvignon.”っていう意味合いなんだとか。ディス・イズ・イット。マイケル・ジャクソンかよ。
原産地はワシントン州のコロンビアヴァレー。カベルネ・ソーヴィニヨン100%、フレンチオーク樽にて12カ月熟成とのこと。
サブスタンス カベルネ・ソーヴィニヨンの味と価格
飲んでみると、思ったよりも味がド派手じゃなく、むしろ質実剛健な印象を受ける。もっとこうなんつーか、グミの中に高濃度のジュースを凝縮させて口に入れた瞬間にそれが弾けるみたいな味かと思いきや、すごく真っすぐで奇をてらっていない印象。金髪でロン毛で服は空手着に黒帯、「一番」と書かれたバンダナを巻いたアメリカ人男性の握った寿司を食べたら極めて真っ当な江戸前の寿司だった、みたいな印象だ。スミス、締めるところは締める系の仕事できる人と見た。
私はしあわせワイン倶楽部で2728円で購入したので、決して激安ワインってことはないんだろうけれども、味とコストはしっかりと見合ってると思う。和牛のステーキを食べずに迎える明日は今日の俺にはないぞ、みたいな日には十分に選ぶ価値があるんじゃなかなあと思います。
ヘッドクォーターの近くにはワインを飲めるテナントも出展しているみたいで、その内装がまたオシャレ。
マット・ディロン主演の「シングルス」(1992年)という映画の舞台はシアトルで、マット・ディロンは当時流行っていたグランジ・ロックのロッカー役だった。シャレてんなぁ、シアトル。行ってみたいなあと思ったものだがそれから四半世紀以上の時を経て、「シアトルにワインを飲みに行きたい」と思うことになるとは思ってもみなかった。人生って不思議だ。