ヒマだしワインのむ。

ヒマなのでワインを飲みます。ワインの知識はありません。

ティンルーフ シャルドネ。1000円台前半で買えるカリフォルニアのシャルドネを試してみた。【TIN ROOF CHARDONNAY】

新たな安くておいしいワインを求めて

最近になって「高いワインはおいしい」という、「大きなおすもうさんは強い」みたいなシンプルかつ重要な真実に気がついてしまった。とはいえお金には限りがあるため毎日高いワインを買いかつ飲んでいるとあっという間に破産、一家離散、という落ち目になる。そこで、デイリーワインの価格をできる限り抑えめにし、浮いたお金を高いワインに回すという作戦を考案、これを実装することとした。

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ティンルーフ シャルドネを飲みました。

高いっつっても私の場合5000円〜1万円くらいが個人的に支払う額の現状ほぼマックスなので、たとえば1万円の予算であれば、2500円のワインを4本買うのをやめ、1500円のワインを5本買い、浮いた5000円で5000円のワインを買う、といったようなことで財務の改善を図ろうという作戦である。その場合、購入総額は1万2500円になるが、それはそれである。ついでに2500円のほうも買っちゃう。やっぱり、気になるワインは買っておかないとあとで後悔するもんね、へへへ、ということでワインにハマると金銭感覚がぐっだぐだになるの諸先輩方どう対処してるんですかね。

「安くておいしいシャルドネを教えてください」と専門家に質問した結果

ともあれ、財務上の要請からも安くておいしいワイン探しに終わりはない。というわけで今回は、某ショップの方に「安くておいしいシャルドネを教えてください」という、合コンで着席した瞬間に隣の女の子に「電話番号を教えてください」ってお願いする級の直球すぎる質問を投げかけ、真っ先に名前を挙げていただいたワインが、ティンルーフ シャルドネである。

Tinとは英語でブリキの意。ブリキ屋根ですね。ラベルにはたしかにブリキっぽい屋根の一軒家。その周りにブドウ畑だろうか、青と黒のストライプとなった丘陵の稜線が見える。

ティンルーフ シャルドネとマーク・ラスムセン

ワインメーカーは、ふむふむ、マーク・ラスムセン。マーク・ラスムセンか。あれ、どこかでお会いしましたか? この人なんかいろんなところで見る気がすんだよね、と調べてみると、マーク・ラスムセンはその道約40年というベテランワインメーカー。そしてティンルーフはアメリカの大手オニール・ヴィントナーズのブランドなのだが、ラスムセンさんはそのオニール・ヴィントナーズのワインメーカーなのであった。

なんでも、長く大企業のCEOを務めていたジェフリー・オニール氏が2004年にオニール・ヴィントナーズを立ち上げる際に招聘した醸造マーケティング、販売の3人プロのうちの醸造担当がラスムセン氏なのだそうで、そのためオニール・ヴィントナーズの自社ブランドの多くでワインメーカーとしてクレジットされているようだ。よく見かけると思った。

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にしても、経営、マーケ、セールス+ワインメーカーっていう組み合わせがなんともアメリカのワイン会社っぽい。ドラクエ3でいう勇者(経営)、戦士(セールス)、僧侶(マーケ)、魔法使い(ワインメーカー)並みにバランスがとれたパーティ感がある。ブドウからワインができるのって魔法ですよね。

頼りになる旅の仲間を得た勇者オニール率いるオニール・ヴィントナーズは、現在ではカリフォルニアで7番目、全米でも20番台のワイン会社に成長したんだそうですよ。すげえなジェフリー・オニール。大企業の社長の座を辞して自分の会社で大成功はカッコ良すぎる。

ティンルーフ シャルドネはどんなワインか?

さて、では肝心のティンルーフシャルドネはどんなワインなのかといえば、使用しているのは主にカリフォルニアはセントラルコーストで栽培されたブドウ。ステンレスタンクで発酵後、大部分はマロラクティック発酵と熟成を経てクリーミーで豊かな風味を得る、って公式サイトに書いてあるけどどうやらこれは2011年の情報。あんまり更新されてないっぽいなこのサイト。オニール・ヴィントナーズにおけるティンルーフの位置付けも推して知るべしである。

購入ショップでないのに引用して恐縮だが、しあわせワイン倶楽部の商品ページによれば、2017ヴィンテージはフレンチ及びアメリカンオークにて5カ月熟成とある。また、同ページよればティンルーフセラーズは「マーフィ・グッド・ワイナリーが手がけるブランド」で「30年以上に渡りワインを造り続けている」とある。あれ、どういうこと? オニール・ヴィントナーズじゃないの? とさらに調べると、http://thevineagency.ca に経緯が記されていた。

 

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ティンルーフは2003年にマーフィ・グッド・ワイナリーがエントリーレベルとして作ったブランド。それが2006年にケンダル・ジャクソン・ファミリーの一部となり、その後オニール・ヴィントナーズの一部となったようだ。会社を成長させたいなあ、よし、買おう(会社を)。っていうアメリカンな経営のダイナミズムを見る思い。いずれにしても、その記事は「今日、ワインの質はかつてないほど良い」と書いてあるから良しとしよう。「30年以上造り続けている」という情報の裏がとれなかったが、今回の調査はここまで。

とにもかくにもオニール氏の手腕によってニッポンの僕たちは1000円台前半で樽の効いたシャルドネを飲むことができる。サンキューオニール、というわけであとは飲むのみである。

ティンルーフ シャルドネを飲んでみた

よく冷やしてスクリューキャップをくるくる回し、グラスに注いで飲んでみたところ、これが非常にいい意味で中庸。カリフォルニアのシャルドネの、まさにそのど真ん中の感じがする。桃と言われれば「たしかに」と私は言うだろう。クリーム・ブリュレと言われれば「まさにその通り」と言うだろう。そして蜂蜜と言われても「いやあ、先に言われちゃったなあ」と言う気がする。誰がどんな感想を言っても本心から同意できるような感じがする。

強く印象には残らないし、圧倒的な輝きも放たないけれども気がつけばつねにベンチの中にいて、いないと困る。亡くなってしまった往年の名選手、木村拓也内野手的な存在感。代打の切り札を出すほどの場面じゃないけどピッチャーをなー、そのまま打席に立たせるのもなー、なんか微妙なんだよねっていうセ・リーグならではの悩ましい7回表1アウトの場面でとりあえず打席に送り出せる的に、高めのワインを開けるのには食事の内容がちょっと微妙みたいなタイミングで迷わず起用できる的な意味で非常に貴重なワインと言えそう。

「1000円台」のくくりで考えるともっとおいしいのはあるかもしれないが、1000円台“前半”でくくるならば、かなりいいところにいく。高いワインはたしかにおいしいが、やっぱり安くておいしいワインがなによりである。