ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

うきうきワインの玉手箱の楽天スーパーセール福袋を買ってみた【1万円10本】

「うきうき福袋1万円de辛口赤・白ワイン10本セット」を買ってみた

毎年3月、6月、9月、12月に開催される楽天スーパーセール。そこでの個人的な楽しみが、うきうきワインの玉手箱の「福袋」だ。

安いものは8000円から、高いものは数十万円レベルのものが発売され、3〜10万円くらいの価格帯のシャンパーニュ福袋がとくに人気という印象がある。

そんななか、私が前回2022年6月の楽天スーパーセールで選んだのは「うきうきスーパーセール限定福袋 うきうき福袋1万円de辛口赤・白ワイン10本セット」というほぼローエンド、というもの。デイリーワインいちいち選ぶのめんどくさいからテキトーにオナシャス的な感じの雑なオーダーだ。

福袋は高ければ高いほど内容が安定し、安ければ安いほど内容がカオス化する。大失敗も大成功も等しくあり得る1万円で10本のエクストリーム安袋の中身をドドンと公開していきたい。

ちなみに記事中に記載した価格は購入当時のもの。すべてのワインはすでに飲み済み。

 

【うきうき10本1万円福袋:1本目】シレーニ・セラー・セレクション・ソーヴィニヨン・ブラン2021

さっそく1本目いってみよう。これだっ!

1本目は「シレーニ・セラー・セレクション・ソーヴィニヨン・ブラン2021」。うきうき価格は1639円。エノテカ輸入のワインですね。エノテカ輸入のワインがうきうきの福袋に入ることもあるんだ。

ワインにハマりたての頃に何度か飲んだ記憶があるワインで、ひさしぶりに飲んでも普通においしかった。

 

【うきうき10本1万円福袋:2本目】ドメーヌ ゲゲン シャブリ 2020

では、続いて2本目だ。えいっ。

おおっ、2本目はシャブリが出た。「ドメーヌ ゲゲン シャブリ 2020」でうきうき価格は2079円。1本1100円の支払いで2000円超のワインが手に入るのはうれしい。1100円じゃシャブリは買えないもんなあ。
このワインはvivinoの評価3.9と高評価。飲んでもシャープな酸と果実味が両立したおしいワインで、今回のヒットのひとつとなった。白ではこれがベストでした。

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【うきうき10本1万円福袋:3本目】テヌータ・ネイラーノ テルツェット ガヴィ2019

ここまで2本で約3600本と順調な滑り出し。3本目はなにが出るだろうか?

3本目に出たのは「テヌータ・ネイラーノ テルツェット ガヴィ」でうきうき価格1188円という安ワイン。

安ガヴィはさすがにすっぱいだけなんじゃないか、と(安いし)まったく期待しないで飲んだのがよかったのか、白桃的なな甘味を伴うレモン水といった感じで夏に飲むのに非常に良かった。これもヒット。

 

【うきうき10本1万円福袋:4本目】グロ・プラン・デュ・ペイ・ナンテ・シュール・リー・ラ・マレル2018

さすがに10本1万円だと微妙なのしか入ってないかな〜とおそるおそる開封していっているのだが、ことのほか良いのが続いている。4本目もこの流れに乗れるか……?

と出てきたのは「グロ・プラン・デュ・ペイ・ナンテ・シュール・リー・ラ・マレル2018」。うきうき価格は1133円で、結論を先にいえばこれが今回の最安ワイン。

そしてこれが……ちょっと味わいも微妙だったのだった。さすがに10本すべて当たりというわけにはいかない。それが安袋の宿命だ。ていうかこの世にハズレワインなどない。好みではないワインだけがあるのだ(好みじゃなかったです)。

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【うきうき10本1万円福袋:5本目】プラネタ・ラ・セグレタ・グリッロ[2019] 1958円

次は5本目。この福袋は赤5本・白5本で計10本の構成。白5本目のオーラスを飾るのはどんなワインなのだろうか?

いいの出ろっ! と箱から飛び出したのはシチリアの有名生産者、プラネタの「ラ・セグレタ・グリッロ 2019」だった。うきうき価格は1958円。プラネタは飲んだことがなかったのでこれはとてもうれしい。

これは期待通りに果実味たっぷりでおいしいワインでお得感があった。2000円近くするワイン、やっぱりうまいの法則(法則でもなんでもない)である。

 

【うきうき10本1万円福袋:6本目】エラスリス マックス カベルネ・ソーヴィニヨン

さてここからは赤ゾーンに突入していく。

その1本目はチリの造り手・エラスリスの「マックス カベルネ・ソーヴィニヨン」。 うきうき価格は2178円。これぞチリのカベルネ、という濃い味わいで普通においしいやつ。

私はチリワインはピノ・ノワールとかリースリングとかの冷涼品種を選ぶべきという珍説を提唱しているが、名産地アコンカグアヴァレーのカベルネやっぱりおいしい。

 

【うきうき10本1万円福袋:7本目】シャトー・ベレール・ド・シラン

どんどん行こう、続いて7本目だ。

現れたのは「シャトー・ベレール・ド・シラン2013(うきうき価格2002円)」。出たぞ2013ヴィンテージ…!

ボルドーの2013年は一般にオフヴィンテージといわれる年。私も過去に(安いから)何本か飲んでいるが、素晴らしいものもあれば首を傾げざるを得ないものもあったがこれはひとくち飲んで「ビーフシチュー送りかな(調味料として)」という味わい。つまり好みではなかった(好みの問題じゃないかもしれなかった)。

私はほぼどんなワインでも楽しくおいしく飲むことが可能な安舌の持ち主だが2013ヴィンテージの壁の前にはあえなく敗北。今回もっとも楽しめなかったのがこのワインだった(ビーフシチューにしておいしくいただきました)。

 

【うきうき10本1万円福袋:8本目】シャトー・サルーズ・ミネルヴォワ2018

続いてハズレは引きたくない……8本目はどうか。

出たのは南仏のワイン、「シャトー・サルーズ・ミネルヴォア(うきうき価格1760円)」。シラー、カリニャン、グルナッシュのブレンドとのことでおいしくないわけない系の印象だが、なんていうかすごく普通、という印象のワインだった。

 

【うきうき10本1万円福袋:9本目】 レ・テイセロン・オー・メドック2017 2178円

ちょっと良くない流れが来ていたのだが、それを払拭してくれたのがこの9本目。

「レ・テイセロン・オー・メドック2017(うきうき価格2178円)」というまったく知らないワインだったが驚くほど豊かな香り。味わいもバランスが良好で、手作りジャムのような素朴な果実味に、少しザラついた渋み。甘渋すっぱが渾然一体となり、今が飲み頃感がすごくある。

これよ。こういうのがあるから福袋はいいのだ。自分では1億%買わないが、飲むとおいしい。そんなワインと出会うためには福袋を買うかボルドーに行くかしかないと思うわけなんですよ自分。まだ見ぬワインとの事故的な出会いは福袋の華だ。ありがとう、レ・テイセロン・オー・メドック

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【うきうき10本1万円福袋:10本目】 カテナ マルベック2019

最後は「カテナ マルベック2019(うきうき価格2332円)」。うきうき福袋の安いやつを買うと高確率で混入してくるアルゼンチンワインでフィニッシュとなった。非常に渋み豊かなワインで「甘味は肉の脂で補ってくれ」と言わんばかりのこれぞ肉専用というワイン。

塊肉に顔面からかぶりつく場面でいきる特殊状況特化系ワインで、戦場が合えば無双できる戦力なのはたしかだ。間違っても冷奴、わけぎのヌタ、たこわさ、といったつまみと合わせてはいけない。

 

うきうきワインの玉手箱楽天スーパーセール1万円福袋の総額

さて、以上10本、合計金額は1万8647円となった。元手は1万1000円(ポイント等を勘案すれば実質1万円を切る価格)なので、額面的にはすごくお得という結果。以下に良かった点と微妙だった点を列挙する。

【良かった点】

・1本あたり1100円で半数が2000円超え

・ドメーヌ・ゲゲンのシャブリ、レ・テイセロン オー・メドックが素晴らしかった

・約ひと月分のデイリーワインが一撃で手に入る

・総じて品質が高かった

ご存知の通りデイリーワイン領域では1本1100円と1本1867円では広域と村名かってくらいの違いがある。なかでも白ならばシャブリ、赤ならばレ・テイセロン オー・メドックといったワインは2000円超の価格に応じた品質があってとても良かった。

一方で、微妙だった点もある。

 

【微妙だった点】

・好みでないワインがあった

・赤のラインナップが偏っていた

好みでないワインが2本ほどあったが、想定の範囲内だ。福袋は企業がお金を儲けるために販売する商品なので、当然在庫処分やらなんやらも含まれるのは当然だ。そんなこんなで今回の福袋にはたまたま私の好みではないワインが2本入っていたが、むしろ最小限と言えると思いますホントに。ノーアウト満塁から1失点で切り抜けたならそれはむしろラッキーだ。うきうき先輩、ナイスピッチっす!

ただ、赤5本すべてが濃くてパワフルなワインだったのはちょっと残念だった。1、2本がチリのピノ・ノワールとかだったらバランス良かったなあと思う次第だ。

冨樫義博のSF短編集的ド名作『レベルE』で、「ゲームにハマる徴候」として「結構 楽しそうにゲームのシステムに不満をもらす」ことが挙げられている。至言といえ、これは福袋にも当てはまる。「1本がピノ・ノワール(とか)だったらなぁ」くらいの不満があったほうがむしろいい。

というわけで、おいしいワインも、好みでないワインも、なにもかも全部含めてやっぱり楽しいぞ、福袋。というのを今回の結論としたい。