ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

アンダーウッド ピノ・ノワール。オレゴン州のピノ・ノワールはなぜおいしい? 【UNDERWOOD PINOT NOIR】

アンダーウッド ピノ・ノワールを買った

3000円以下のおいしいピノ・ノワールを探すべく、今日も元気にピノ・ノワールのボトルを開けた。今回選んだのは、アメリカはオレゴン州のアンダーウッド ピノ・ノワールだ。

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アンダーウッド ピノ・ノワールを飲みました。

アンダーウッドのワインは以前、ピノ・グリを缶で飲んだことがあって、これはもう完全に「ピーチ味」で大変おいしかったのだった。あれは来年の夏にまた絶対飲む。プールサイドで。あれを飲むためにプールサイドに行くっていうレベル。ズンダダズンダダ音楽が鳴り響くプールサイドで、水着美女をチラ見しないように自制しながら飲むんだGO TOするんだモヒートとかピニャカラーダとかも飲みたいものだといきなり話がズレたがアンダーウッドの話に戻る。

アンダーウッドはオレゴンで2005年に設立されたユニオンワインズのメインブランドで、主力は缶ワイン。ユニオン、と言う言葉は「連合」とかって訳すとなんともこう立て万国の労働者的な感じがするが、仲間や家族を大切にするオレゴン人の気質を表しているようだ。

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肩肘張らずに食事とともに今日という1日をセレブレートするために飲むワインっていいよね、みたいなことが公式サイトには書かれていて、その精神に私はすごく共感する。アンダーウッド ピノ・ノワールの現地価格は14ドルで、オレゴンピノ・ノワールとしてはかなり安価な部類。スクリューキャップだし、気軽に開けたいタイプのワインだ。

 オレゴン州ピノ・ノワールはなぜ高品質なのか

さて、オレゴン州ピノ・ノワールの名産地として近年名を上げているという話はよく聞くが、それについての詳しい記事がWINE ENTHUSIASTのウェブ版に掲載されている。「アメリカのブルゴーニュオレゴンのバリュー・ピノが道を示す」と題された記事で、そこにはオレゴンでなぜ低価格かつ高品質のピノ・ノワールが生産されているかが以下のように分析されている。

・ブドウの木が平均的に古くなってきていて、ワインの質を上げている。
・価格競争が激しくなっている。

それによれば、オレゴンピノ・ノワールの評価は年々高まっているものの、「ディストリビューターの大多数は、もっとも安価なボトルにしか今日を持っていない」のだそうだ。安くないと売れない、という背景に支えられ、どうすれば安くておいしいワインを造れるのか、という研究が進んだことで、かつオレゴン人気質で生産者同士の横のつながりが強く、情報の共有も進んだことで品質がどんどん向上しているのだそうだ。いいじゃないの。

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消費者的には安くて高品質なものが飲めるのはありがたい。また、2014、2015、2017、2018といった年の気候が非常によかったことも、近年の高評価を下支えしているみたい。

実際、カリフォルニア週のピノ・ノワールの売上高が前年比8%の伸びというなか、オレゴン州ピノ・ノワールは21%増しているのだとか。伸びてるな、オレゴン。冷涼で、「土壌は違うが気候はブルゴーニュに似ている」こともオレゴンの特徴だ。

アンダーウッド ピノ・ノワールはそんなオレゴン州各地から集めたピノ・ノワールを100%使い、新樽率15%のオーク樽で8カ月熟成。14ドルのワインとしては立派なものではないでしょうか。ちなみに私が買ったボトルのヴィンテージは2017年。アルコール度数は13度で、価格は2637円だった。では、このあたりでスクリューキャップをくるくる回していこう。

アンダーウッド ピノ・ノワールを飲んでみた

グラスに入れて透かして見ると、あなたいい色じゃないの。カリフォルニアのピノ・ノワールによくある濃い紫色とは一線を画す赤紫色。なんというかこう、ギリギリのところで踏みとどまってる色がする。

香りは強くなく弱くなく、イチゴとかサクランボとかのカワイイ系果実の匂いと、森とかログハウスとかの素朴系アロマが混ざった感じ。オレゴンの親戚の家の庭、みたいな匂いだオレゴンに親戚いないけど。オレゴンの親戚の家の裏手の森に、朝食のヨーグルトに入れるベリーを摘んだときの匂いがします(以上すべて妄想)。

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飲んでみると、うーん、マイルド。酸味少なめ。渋みも少なめ。ここで果実味ボヨヨンだとカリフォルニアとかチリとかの感じになると思われるわけだけどここで果実味が抑制されてるのがいい。全体にフラットな味わいにちょこっと果実ちゃんが顔を出す感じで飲み疲れずにスイスイ飲める。このワインで満たされたプールを平泳ぎで小一時間泳いでいたいような、心地良い味がする。逆にいえばとがったところがないとも言えるけれども3000円以下ピノ・ノワールとしては合格ではないでしょうか。もうちょい安ければなお良しだけど。

ファウンダーのライアン・ハームズは公式サイトでこう言う。「At the end of the day, wine is just a beverage. 」ワインはのみもの。ほんとこれ、である。気楽に飲みたい、オレゴンピノ・ノワールだった。

銘醸地ウィラメット・ヴァレーのピノ・ノワールが2本入ったセット。これすごくいいな

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