ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

カクヤスで500円で買えるカバ「ヴィダデルスール」はどんなワイン? 生産者、製法、味などを調べて飲んだ! 【Vidadelsur Brut】

ヴィダデルスールはどんな意味?

「なんでも酒や カクヤス」の前を通りがかるとなぜかつい入店してしまう、という奇妙な習性が私にはあるのだが、先日久しぶりに通りがかったので入ってみると見慣れないワインがあった。カクヤスが最近はじめ、大人気で累計100万本を売っているという税別500円の「ワンコインワイン」、そのラインナップに新たなワインが加わっていることに気づいたのだ。こんなもん買う一択だわととりあえず2本買ったうちのひとつが今回取り上げるスペインのカバ、「ヴィダデルスール」である。あと関係ないけどサッポロクラシックも買った。サッポロクラシックは私がもっとも(段違いで)好きな缶ビールだが、東京では北海道のアンテナショップとかでしか基本買えないのになぜかカクヤスではたまに買えるんですよワインの話だった。 

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さて、ヴィダデルスールとはどんな意味かとまずは名前から調べてみると、Vidaはスペイン語で生活、人生、命、みたいな意味。delsurは「南から」という意味のようだ。ワードの組み合わせからは様々な意味がとれそうだが、ひとまずここは「南国生活」ということで手を打とう。なんかカバっぽいし。VIDADELSURは「南国生活」という意味だと解釈して先に進みます間違ってたら教えてください。

ヴィダデルスールの造り手はアンダルシアの「ボテガス・オリベロス」

さて、なんでも酒や カクヤスで税別500円で売られているスパークリングワイン、略称・カクヤス500円泡は安ワインゆえに調査が難航するケースが多いが、このワインに関しては名前で検索したらあっさり製造元のプロダクトページにたどり着くことができた。

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ヴィダデルスール ブリュットを飲みました。

造り手は1940年創業のボテガス・オリベロス。本拠地はアンダルシア地方の大西洋に面したエリアにあるウエルバというところだそうだ。スペインの国土のかなり南西、ポルトガルとの国境に近い場所にある街みたい。遠いところからよく来たなあ。500円だっていうのに。

さて、どんなワインかを見て行きたいのだがいかんせんサイトがスペイン語オンリー。私はスペイン語がわからないのでグーグル翻訳に頼って調べていく。まずは概要をつかむべく「ディスクリプション」の項を読むべくコピペを行うと、GoogleのAIはこう翻訳してくれた。
「説明:小さくてしつこい泡」
いや待て。わかるけどちょっと待って。AIくんさ、なんていうか、若干ニュアンス違わない? と思わず問いただしたくなるワードチョイス。でもまてよ、カバにおける泡を表現するのに「しつこい」は必ずしもネガティブではないかもしれない。舌にまとわりつく小さくてしつこい泡……悪くない!

ヴィダデルスールの使用ブドウはマカベオとパレリャーダ

といったような脳内猿芝居を15秒くらい楽しみつつ先を読み進めると、使われているブドウはマカベオ90%にパレリャーダが10%。カバに主に使われる3品種のうち、チャレッロが使われていないようだ。「カバ(ワイン)」のwikiによれば、「チャレッロ種はワインの骨格を作り、マカベオ種は果実香を与え、パレリャーダ種は香りに華やかさを与える」とある。ならばこのワインは華やかな果実の香りがする的なことだろうか。

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やや余談だが、カバ発祥の地はフランスとの国境地帯のカタルーニャで、1851年にホセ・ラベントスという人物がシャンパーニュと同じ製法でスパークリングワインを造ることを思い立ったのが始まりだそうだ。その後、カバが大人気になったあとで地理的範囲の画定をする必要があったため、「既存のカバワイン生産者の生産地域をなぞる形でカバ(DO=デノミナシオン・デ・オリヘン=原産地呼称)の範囲を画定させた」のだそうだ。なので、カバという呼称は生産地を指すのではなく、製法を示す。なので、カタルーニャからかなり遠いアンダルシアでもカバが名乗れるんだそうだ。へー。

ヴィダデルスールの製法はカバなのでメトード・トラディショナル(伝統製法)

今回のワインに話を戻すと、いや戻しておいてアレなんだが、これ以上はとくに追記することがない。製法はカバなので瓶内二次発酵だろう。そして、カバの規程は9カ月以上の瓶内熟成なので9カ月以上瓶内熟成しているはずだ。シャンパーニュにハズレはないが、カバにもハズレが少ないのは、やはりこの伝統製法のおかげだ。ありがとう、メトード・トラディショナル。フォーエバー、メトード・トラディショナル。公式サイトもしっかりしているし、普通においしいワインが飲めそうな気配だ。

ヴィダデルスールを飲んでみた

で、開栓してみるとかなりすっきりしたレモン系の香り。飲んでみると味わいは酸味が主体で個人的には好きな感じ。私の味覚はワインに関して「すっぱい」と「果実味がある」くらいしか味を判別できないが、比率としてはすっぱい8;果実味2くらいの感じを小さくてしつこい泡が包み込む。いいじゃないの小さくてしつこい泡。500円という価格を考えればアリofアリではないかと思います。おいしいですよ普通に。香りと味が一貫している。これは南国生活。シャンパーニュのような複雑性はないけれど、南の国ではスッキリしたお酒がうまい。それに500円で買えるシャンパーニュは地球上にない。

ラベルもいい。カクヤス500円泡はこれだからあなどれないんだよなあ。

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