ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

「ウィル アンジェール ブリュット」週末シャンパーニュで人生が幸せになってしまう件。【will hengere brut】

瓶熟成60カ月のシャンパーニュ

週末にシャンパーニュを飲むと人生が豊かになる。クオリティ・オブ・ライフが爆上がりする。

CAVE DE L NAOTAKAの「魅惑の辛口シャンパン飲み比べ4本セット」税込9999円を購入して以来、先々週、先週と週末にシャンパーニュを楽しんでおりますが、その効果か、煩悩が消え、多幸感が胸を満たし、月曜の朝からやる気十分という朝を迎えております。みなさま、お元気でしょうか。

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ウィル アンジェール ブリュットを飲みました。

シャンパーニュとかいう黄金色の液体を摂取したことにより、私の魂のレベルも上昇、ふだんは「である調」を採用している文体も「ですます調」に変化するレベルであります。ほほほ、たまんねえ(血走った眼で)。

というわけで、昨夜はセットの中から「ウィル アンジェール ブリュット」を飲みました。大変おいしいワインでしたので、それについて書きたいと思います。「驚愕の瓶熟期間60カ月!」が売り文句であります。

「ウィル アンジェール」の生産者ディディエ・ショパンとは?

さて、生産者はディディエ・ショパン(didier chopin)という家族経営の造り手。もちろん聞いたことがないので検索してみると、ワイナリーの画像が出てきました。

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ディディエ・ショパン、建物は普通なのに周りの装飾がちょっとアレ、といういい感じの物件。

ご覧ください。ワイナリーわきには巨大な螺旋階段があり、その最上部にはブドウのモニュメント。実用性はほぼ皆無と思われるので、これは壮大なインスタレーションととらえるべきでしょう。シャンパーニュの瓶でできたミニエッフェル塔も見えます。なんでしょうか、このディープな地方にありがちな、地元の金持ちが有り余るヒマと金を持て余して自宅を戦国時代の城みたいにしちゃう事例に一脈通ずるこの感じ。

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イスがブドウの葉(?)!

おそらく内部と思われる写真には、ブドウの葉っぱ(?)でできた椅子が並ぶ部屋、振り切ったラブリーさの結婚式場(?)の画像も。ディディエさんのなんつーか人の良い感じが伝わってきます。子どものために壁にドラえもんとかピカチュウとかの絵をペンキで描いちゃうタイプでしょうか。

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かわいい!

いっぽう、公式サイトはくっそ、失礼、大変見にくく、アンタ瓶でエッフェル塔つくってるヒマがあったらサイト改修しなさいよ、と言いたくなるけれどもいいのです。ここはシャンパーニュ。見にくくても公式サイトが存在する、そのことに感謝です。1989年設立、夫妻とふたりの子どもで経営。畑は3ヘクタール。年間20万本を生産しているそうです。訪れたユーザの声を聞くと、ワイナリーを訪れるとディディエ氏本人が出迎えてくれ、ていねいに説明してくれるそうです。いいな。

will hengereとはどんな意味でどんな造りか

さて、Champagne Didier Chopinが造り手の名称ならば、will hengereは商標ということになります。どういう意味なんだろう。さっそくGoogle翻訳してみると、こうなります。

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そうですか。

「変ります」
うーん、なるほど。原文の言語がノルウェー語とあるのが気になるところです。なので、今度はノルウェー語として翻訳してみましょう。その結果がこちら。

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「Tamuro shitai」じゃないよ。

「たむろしたい」
なんだよ「たむろしたい」って。夏休みの深夜にコンビニの前に集まる中高生かよ。迷惑だからやめなさいおじさんも若いころたむらしてたけど! というわけでもはやなにが正解かわからない。人名とか土地の名前とかの固有名詞系なのかもしれません(ご存知の方ご教示ください)。

さて、ワインについて。購入サイトの商品ページによれば、
・キュヴェの一部をマロラクティック醗酵
・12度で保たれたセラーで5年間熟成
・ドサージュ:9g/L
・ブドウ:ピノ・ムニエ60%、ピノ・ノワール40%
だそうです。黒ブドウで造られた、ブラン・ド・ノワールってやつですね。カッコいいですね、ブラン・ド・ノワール。喫茶店のシャノワールはシャ・ノワールであり黒猫の意味であります。

ウィル アンジェール ブリュットを飲んでみた。

さて、その味わいはどんなものか、グラスに注いで飲んでみましょう。おっ、色が濃い。でもってグラスの底から立ち上る泡が小さいけれど勢いがある。香りはなんですかねこれは。干し草のような、なんとも香ばしい感じの匂いがします。

テレビの懐かしアニメ特番等で取り上げられる際、『アルプスの少女ハイジ』の名シーンとして出てくるのは大抵暖炉であぶったチーズが溶ける食事シーンですが、私はハイジがアルムおんじとともに干し草にシーツをかけてベッドメイキングするシーンが素晴らしいと思っており、干し草のいい香りが画面を通じて漂ってくるようだ、高畑勲はんぱねえなと思っているのですがその部屋にいるみたいな気分。というわけで、ウィル アンジェール ブリュットの香りはアルムおんじの干し草部屋の香りであります。そして非常にどうでもいい話ですが火星と木星の間にある小惑星帯(アステロイドベルト)には、「ハイジ」という名前の小惑星がありますワインの話に戻りますすみません。

飲んでみると、泡が液体に溶け込みまくっていて、とても5年間も瓶のなかにいたとは思えないくらい元気に弾ける感じです。つーかあれですね、5年熟成だからこその泡の細かさなんでしょうか。わからないですが、ともかくとってもおいしいっす。

イーストやナッツの香り
・白い花の香り
・リンゴや梨のフレッシュな果実味
・しっかりとした骨格
・フレッシュな酸で全体が引き締まり爽やか

といったことが商品ページに書いてありますが、ほぼ同意です。さすがは瓶熟5年。桃栗三年柿八年、石の上にも三年であります。5年も寝かせりゃそりゃアンタ、なにかしらすごいことになるってもんでしょうよそりゃあ。

ちなみに私が購入したセットは販売終了した模様。まったく同じ内容+2本の、どちらを買うか悩んだほうはまだ売ってるみたいです。こっちをなー買っとけば良かったんだよなー。ともあれ、まだ自宅にはシャンパーニュが2本。週末を待って、また楽しみたいと思います。