友人たちとのクリスマス会を強引にワイン会化
友人たちを自宅に招いてクリスマス会を催した。毎年恒例のイベントで、男性3名、女性が4名、うち飲むのは5名といった戦力での開催。拙宅にわざわざ来てもらうのでワインでもてなすべく、一人1本用意すれば適量であろうと、泡2本、赤1本、白1本の計5本を用意。いわば一方的なワイン(を飲ませる)会である。
ちなみに寒いけど窓を開けて換気扇を回して室内はつねに換気し、体調に問題がないことを互いに確認しての集まりだ。
【1本目】ポワルヴェール・ジャック
さて、1番バッターとして起用したのは常備菜として常に備蓄を忘れないシャンパーニュ、ポワルヴェール・ジャック。シャンパーニュでありながら下手すれば1000円台で買えるという驚きの家計へのやさしさで、パーティには欠かせない。
やわらかな泡、やさしい果実味と酸味でうーん、いつ飲んでもおいしい。乾杯にピッタリで食欲も増すしほんと優秀だなポワルヴェール・ジャック。ポワルヴェール・ジャック サーバが家にほしい。
【2本目】ソーンクラーク イーデン・ヴァレーNVブリュット
前菜として出した生ハムなどの軽い食べ物に合わせて、続いては先日ドンペリ狙いで買ったカルディのワインくじで当たったソーンクラーク イーデン・ヴァレーNVブリュットを起用。2連続で泡投入である。パーティには泡。
ただこのワイン自体は悪くなかったけどちょっと個性が弱かったような……。飲むユニクロと言いたいポワルヴェール・ジャックの偉大さを痛感する結果となった。
【3本目】スタッグスリープ ナバヴァレー シャルドネ
続いては白でスタッグスリープ ナパヴァレーシャルドネ。友人のひとりがカリフォルニアから持ち帰ってくれたもので、価格は現地28ドルだったそうな。おお、いいワイン。ありがたいありがたいと抜栓してさつまいものペンネグラタンと合わせたところこれが非常に良かった。樽は効いてるんだけれどもクドくなく、熟した洋梨みたいなうまみがたっぷり。
冷蔵庫で冷やしていたのがテーブルの上で温度が上がるにつれてどんどん香りが立ってきて、グラタンにもよく合った。1番バッターがヒットで出塁、2番が送って3番のスタッグスリープ選手がタイムリー2ベースで1点先制である。
【4本目】アンデルーナ フィロスール カベルネ・ソーヴィニヨン
さて、今日のワイン的な意味でのメインは某所からもらってきたボーリューヴィンヤードのラザフォード カベルネ・ソーヴィニヨン。小売価格1万円弱のいいやつみたいなので抜栓した状態でパーティ開始から放置してある。
そこへのつなぎとして出したのが、アルゼンチンの生産者、アンデルーナのフィロスール カベルネ・ソーヴィニヨン。某ショップで買い物した際に3980円以上は送料無料だっていうんでその調整のために買ったという野球でいうFA選手の人的補償みたいな経緯で手に入れたワインだが、これが全然悪くなかった。
世界中どこに旅してもステーキを食べるステーキ好きの人が世界で一番ステーキがうまいのはアルゼンチンだと豪語していたのをかつて聞いたことがあるが、なるほどこれは合うでしょうよ、肉に。という濃いワイン。グラタンを食べ終えてメインの鳥を焼く間、テーブルに残ったサラミとかそういうのをつまみにガブガブ飲むのにはほぼ最適と言っていいようなワインだった。これは後日改めて書い直す必要があるかも。
【5本目】ボーリューヴィンヤード ラザフォード カベルネ・ソーヴィニヨン
ここまでで4本が空になっていい感じにほろ酔い状態だが、メインのチキンのオーブン焼きに合わせて前述のボーリュー・ヴィンヤード ラザフォード カベルネ・ソーヴィニヨンを投入である。
合わせたのはプライン液(水200mlに砂糖と塩10グラムずつを加えたもの)に浸した鶏肉を野菜とともにオーブンに突っ込んで焼いただけっていう原始人がほら穴で食べてたみたいな料理。鶏から出た油を野菜が吸っておいしいんですよこれがまた。
それと合わせたラザフォード、これはもう半ばわかっていたことだが十分おいしいと感じたフィロスールがなんだったのと思うくらいの複雑さと奥行き。果実を満載したトラックが炭焼き小屋に突っ込んだみたいな香りがドカンと来て、味は滑らか。酸味も残り、渋みもあってうーん、いいバランス。高いワインはすべからくうまい。
あと鶏肉をプライン液に浸すのは本当にオススメなのでぜひお試しあれ。
みなさんご存知かもしれませんが鶏肉をプライン液(水200mlに塩・砂糖各10グラムをくわえたもの)に数時間浸けてから調理するとくっそ柔らかくなって歯いらないなこれみたいになるのでまだの方ぜひ。写真はプライン浴を楽しむ鶏肉のみなさん。 pic.twitter.com/nqtfJGVBDp
— ヒマワイン (@hima_wine) 2020年12月20日
【6本目】ラ ・グランドコリーヌ・ジャポン ミュスカ・ダレクサンドリー2020
ここまでワイン5本と料理をいろいろ食べていい感じに満腹状態。なのだが困ったな、飲み足りない。幸いにもワインと料理がそこそこハマり、グラスがすいすい空になっているしまだまだ物足りないぜ! ということでラ ・グランドコリーヌ・ジャポンのル・カノン ミュスカ・ダレクサンドリー2800円税込を急遽前線に投入することにした。
岡山県産のマスカット・オブ・アレキサンドリアを使った、清澄剤フィルター不使用で亜硫酸無添加の微発砲ワイン。じっくり飲んでガッツリ記事を書く予定にしていたワインだが、仕方ない、酔った勢いでレッツゴーと王冠を栓抜きで外してグラスに注ぐと液体は濁ったオレンジがかった黄色というかクリーム色。
これが極めてチャーミングかつユニークなワインで、上記のようなつくりならではの刺激的な香りがちょっとしつつも、ピーチネクターのような濃い甘味のニュアンスと、梅雨明けのハーブガーデンみたいなイキイキとした香りがあってなんともおいしい。
と、このワインに「お前、しばらく会わない間にワインにハマっちゃってどうしちゃったの?」みたいな怪訝な表情をしていた友人の一人が激ハマりし、「これは……すごいな!」「すごいなこれは!」「参った」みたいな文言を連発。ワイン沼に片足を浸すズブリという音が聞こえた気がしてなんとも罪深いことをしてしまった。申し訳ない(笑顔で)。
【7本目】コノスル シングルヴィンヤード ピノ・ノワール
で、さらに7本目としてコノスルのシングルヴィンヤード ピノ・ノワールまで飲み干してこの日は打ち止め。5本の予定が7本になってしまったが楽しい仲間との時間はプライスレスだ。あとセラーからハミ出してたワインがようやく収納できてうれしい。
友人たちが去り、後片付けをしながら思ったのが「これでまたワインが買えるぞ」である。ワイン沼っておそろしいですね☆
ポワルヴェールジャック補充しないと。