ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

エノテカの「ワイン診断」とは!? 6種ブラインドテイスティングで「好みの味」を見つけることはできたか?

エノテカの「ワイン診断」ってなにやるの?

エノテカ銀座店併設のカフェ&バー エノテカ・ミレで「ワイン診断」ができると聞いたので行った。

手順に従って6種類のワインをブラインドでテイスティングすると、自分の好みのワインがわかる、という趣旨。毎月最初の週末に開催され、隔月で赤ワイン診断、白ワイン診断が実施されるようだが今月は赤ワイン回である。うーん超楽しそう。

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エノテカ銀座店で「ワイン診断」を受けてきました。

予約した時間に訪ねると、おお、テーブルの上がすでに「ワイン診断」仕様に整えられている。具体的には、アプリダウンロードにはじまるワイン診断の手順が書かれたA4ペライチと、もう一枚、「1」から「6」の数字が振られた円の上に空のグラスが置かれた紙が用意されている。

着席すると、まず「1」と「2」のグラスにワインが注がれる。ここで告白しておくと、私はワインのブラインドテイスティングは初体験。初体験なのだが私はワインブロガーの末席を汚しまくっている者。本来の趣旨とはまったく異なるが、それぞれのワインの「品種あて」に同時にチャレンジし、思ったままを正直にそのまま記そうと思う。若い頃の苦労は買ってでもしろというが不惑を過ぎた恥は買ってでもかけの精神である。みなさん、僕の恥ずかしい姿を見てください!(なんか違う)

 

診断スタート。ルビー色の「1」とガーネット色の「2」好みはどっち?

というわけで私の目の前には小ぶりなグラスにそれぞれ40ミリリットルの赤ワインが注がれている。「1」のグラスは明るいルビー色。「2」のグラスは深いガーネット色だ。

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「1」はルビー色。「2」はガーネット。好みを選んでいきます。

私は思った。「なるほどね」と。
これもう明らかに軽いのと重いのでしょたぶん。好みの顔はしょうゆ顔? それともソース顔? 的なことだろう昭和の文脈でいうと。
というわけで飲んでみるとやっぱりそうで、「1」は果実味がチャーミングで酸味がしっかりある甘酸っぱ系のワイン。「2」は渋みが強めで果実味もあるけれども重厚なタイプなワインだった。私の好みは明らかに「1」だ。

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診断はこんな感じでアプリの指示に従って進みます。

 

好きなのは明確に「1」。ただ問題は、「これは一体なんなのか?」ということだ。なんなんだろうこれ。「1」はピノ・ノワールっぽいんだけど渋みもあるんだよな。うーん……わかんないけどガメイッ!

でもって「2」はこれボルドーブレンドっぽいんだけど好みを見つける診断だから単一品種が出るんじゃないかなたぶん。ということで……カベルネ・ソーヴィニヨン! キミに決めた!

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と、内心では渾身の「品種あて」が進行しているわけだが表面上は平静を装って(一人だし)「僕はどちらかというと『1』が好みみたいですね、へへ……」みたいなことを上目遣いでスタッフさんにお伝えしつつ、アプリの診断画面の「1」をクリック。画面には「ライトなタイプがお好みですね。」と表示される。

 

つづいて「1」に似たタイプの「3」「4」をテイスティング。好きなのは?

「おれはライトなタイプがお好みなのだろうか……?」と己と向き合っているヒマもなく、今度は「3」と「4」のワインをスタッフの方が運んできてくれる。

 

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運ばれてくる「3」と「4」。写真だとわかりにくいけど色味は「1」にそっくり。

で、色味的にはこれが「1」にそっくりなんですよ「3」も「4」も。聞けば、最終的に提供されるワインはあらかじめ決まっているが、最初に「1」を選ぶか「2」を選ぶかによって、提供されるワインの順番は変わってくるらしい。

「3」は「1」に比べると酸味が強め。皮的な香りがしっかりあって、味わいは「甘酸っぱい」というよりも「すっぱい」に近い。この感じちょっとサイゼリヤキャンティに似てるな。ということでサンジョヴェーゼと予想してみた。「1」とどちらが好きかと問われれば「1」だ。

「4」は3に似ている印象だけど差分は香りで、もう少し獣っぽさが強いような気がする。うーん難しい。「3」との区別がほぼつかない。品種は……ごめんわかんない!

ということで、「3」と「4」は「1」に近い「ライトなタイプ」であることは間違いないのだが、「3」と「4」の違いは明確にはわからなかった。ただ、「1」に明確な果実味があるのは間違いなく、つまみなしのワイン単体で飲むなら「1」がおいしいと思った。

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というわけで再度「1」をクリックすると「フルーティーなタイプがお好みのようですね。」という文言が表示された。間違いないっす。ふたりの娘と広島東洋カープ、そしてフルーティーなタイプのワインがお好み、それが私だ。

 

6種類すべてをテイスティング。好みの味はさてなんだ?

そしていよいよ最後「5」と「6」が登場した。おそらく、最初の選択で「2」を選ぶと、先に「5」と「6」が供されるのだと思う。どちらも紫系の、濃い色のワインだ。「5」は色の印象ほどには渋みが強くなく、酸味もしっかりあって芯に果実味がある。肉料理と一緒に飲んだらいかにもおいしそうなワインで品種は……いやーわかんないなこれ。マルベック……(超小声)!?

そして「6」は色調が「1」と「5」に比べてやや赤みがかっていて、渋みが強め、酸味は弱めでちょっぴりスパイシー。これけっこう好みだな。「自分の好みだから」というしょうもなさすぎる理由でシラー(シラーズではなくて)と予想してみた。

さて、6種類のワインを指定の順番で試飲してみて、やっぱり一番好きなのはガメイと予想した「1」だった。私が好きなのは甘酸っぱくてチャーミングなワイン。そのプロファイルに一番近いのが「1」だったのだ。

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やっぱり「1」が一番好み。結果は果たして……!?

というわけで「1」を選択。あなたの好みのタイプとして提示されたのはズバリ「ニュー・ピノ」。ニューワールド×ピノ・ノワール、だった。うん。一番たくさん飲んでるやつだそれ。

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診断結果がこちら。納得。

というわけで、私はやっぱりピノ・ノワール、それも果実味の強いニューワールドのものが好きなんだ……ということを再確認することができたのだった。

 

大満足のワイン診断。まさかのお値段550円税込

さて、これは太字で強調しておきたいのだが、このワイン診断は、自分の好みがわかる上に6種類のワインが40ミリリットルずつ飲めてなんだか知らないけど料金550円税込なのだ。なにこれどうなってんの。ここ銀座ですよ。3000円って言われたらそうですかっつって払うけど普通に。エノテカのファンを増やすとか、アプリのDL数を増やすとか、マーケティング的な狙いはあるのだと思うけれどもそれにしても安すぎる。

次回の開催は5月の最初の週末で、そこでは「白ワイン診断」ができるはず。6月にはふたたび「赤ワイン診断」となるはずだ。銀座の一等地でやさしいスタッフのみなさんに囲まれて自分の好みのワインを知ることができて、料金は驚異の550円。

みなさんも、ぜひ行かれてみてはいかがだろうか。

 

行くとこれ買っておうちブラインドテイスティングしたくなる

 


!!ここから先ネタバレあり!!

エノテカ銀座店での「ワイン診断」体験記は以上となります。
ここから先は、「1」〜「6」のグラスがそれぞれなんだったのかのネタバレを書きます。エノテカ実店舗での「ワイン診断」を受けたいと思う方は、この先のネタバレを踏んでしまうと楽しみ半減。

というわけで、
もしネタバレ勘弁!
という感じでしたら、
このあたりで離脱をお願いします。

果たしてヒマワインの「品種あて」の結果はどうだったのか?
そこが知りたいという物好きな方のみ、お進みください。

よろしいでしょうか。

それでは行ってみよう。

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6種のワイン、それぞれなんだった?

【ネタバレ】飲んだ6品種はなんだった?

<1> 予想:ガメイ 正解:ピノ・ノワール

まず、私がガメイと予想した「1」は、ニュージーランドピノ・ノワール、シレーニの「セラー・セレクション・ピノ・ノワール」だった。つーかピノ・ノワールが6つの選択肢に含まれていない可能性はむしろ低く、なんでわざわざ「ガメイ」とか言っちゃったんだと後悔しても時すでに遅しだ。しかもこのワイン飲んだことあったのに……!

 

<2> 予想:カベルネ・ソーヴィニヨン 正解:カベルネ・ソーヴィニヨン

続いてカベルネ・ソーヴィニヨンと予想した「2」はまさかの正解でカベルネ・ソーヴィニヨンだった。銘柄はチリの「モンテス・アルファ」。何度も買ったボトルなのでラッキーパンチが命中したといったところ。ただ、「ボルドーブレンドっぽい」と私は感じていて、モンテスアルファはまったくボルドーブレンドっぽくないのでまぐれ当たりもいいところである。

 

<3> 予想:サンジョヴェーゼ(キャンティ) 正解:ピノ・ノワール
<4> 予想:わからない 正解:サンジョヴェーゼ(キャンティ

サンジョヴェーゼ(キャンティ)と予想した「3」は、無念! ブルゴーニュピノ・ノワール、オリヴィエ・ルフレーヴのブルゴーニュ キュヴェ・マルゴだった! そして「3に似てるけどさっぱりわからない」と回答した「4」がまさかのサンジョヴェーゼ……。しかもキャンティで、アンティノリの「サンタ・クリスティーナ キャンティ・スペリオーレ」。これ「3」と「4」逆に回答してたら超カッコよかったじゃないの馬鹿っ馬鹿っ!

 

<5> 予想:マルベック 正解:ボルドーブレンド

マルベックと予想した「5」の正解はボルドーブレンドのムートン・カデ・レゼルヴ・ボルドーカベルネ・ソーヴィニヨン主体で、メルローカベルネ・フランなどがブレンドされてるみたいだけど、エノテカの商品ページによればマルベックが入る年もあるみたい。事実上正解ですね(不正解)!

 

<6> 予想:シラー 正解:テンプラニーリョ

でもって最後、シラーと予想した「6」はスペインはミゲル・トーレスの「アルコス・イベリコス・クリアンサ」で品種はテンプラニーリョだった。これも飲んだことあったのになー!

というわけで6種を飲んで正解したのはラッキーパンチのひとつだけ。似ていると感じた「3」と「4」を逆に回答してキャンティを的中させていたらドヤ顔できたのになあという思いなきにしもあらずだが、これはなんの品種かな? とあれこれ考えながら飲むワインは普段とはまた一味違って面白く、ブラインドテイスティングに俄然興味が深まったのだった。こりゃみんなでやったら盛り上がるわ。

そんなわけで、繰り返しになるがエノテカ銀座店での「ワイン診断」は大満足で終了したのだった。来月の「白ワイン診断」もぜひ参加したい!