ヒマだしワインのむ。|ワインブログ

年間500種類くらいワインを飲むワインブロガーのブログです。できる限り一次情報を。ワインと造り手に敬意を持って。

クリスタルム アグネス/シネマ/ピーター・マックス! モヤミーカー! 南アフリカの有名ワインをいろいろ飲んでみた

ワインステーション+でナオタカさんと飲む。【1杯目】グラハム・ベック ロゼ

東京・豪徳寺のワインステーション+(以下、ワイステ+)で南アフリカワインをたくさん飲んできたのでレポートしたい。この日ご一緒したのはリカマングループの株式会社都光社長のナオタカさんこと戸塚直孝氏。ナオタカさんとは以前、移転前のワインステーションで飲んで以来、久しぶりの再会だ。ごぶさたしてます。

18時半まえに入店し、まずはグラハム・ベックのブリュット ロゼで乾杯。

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グラハム・ベック ブリュット ロゼ。おいしいスパークリングワインでした。

ブラン・ド・ブランが絶品なグラハム・ベック、 ロゼも安定のおいしさだ。

 

【2、3杯目】クリスタルム アグネス シャルドネ 2015/2020

さて、次はなにを飲もうかなと考えているとカウンターの上にワインがドンドンと2本置かれた。おっ、クリスタルムだ。最近twitterで話題になった南アフリカワインだよねこれ。その「アグネス シャルドネ」2015と2020ヴィンテージが並んでいる。

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左が2015、右が2020

目の前にこれが2本おかれて「すいませんレモンサワーください」と言うわけにはいかない(ワイステ+にレモンサワーはない)のでこのふたつを飲み比べすることとした。

まずは2020を飲んでみたのだが、なんていうんでしょうか。香りはそこそこあるんだけど、どうも味わいに芯がない印象だ。あれおかしいな自分の舌だと理解できない系かなこりゃとナオタカさんの様子を伺うと、なんというか、苦悩、みたいな表情をしている。いやこれどうなんだろう。うーん(苦悩)。

じゃあ2015はと飲んでみると、こちらは素晴らしい。香りは豊かで果実味と酸味のバランスが良く、少し熟成が進んだ複雑さもある。複雑に分岐が張り巡らされた鍾乳洞のような奥行きと少し沈んだ暗さがあってとってもおいしい。2020どうした。

2020も熟成したら今の2015のような状態になるのだろうか。私にわかるはずもなく、飲んだ一同甲州だと思って飲むとおいしい」という変化球が落ちきらないような結論に至ったのだった。

2020VTはちょっとお勧めしにくいので2019VT。↓

 

☆【4杯目】A・ベルジュール プレステージュ ミレジメ2005

ここでナオタカ氏から差し入れのワインが登場した。それがシャンパーニュA・ベルジュール プレステージュ ミレジメ2005のマグナムボトル。

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マグナムなので通常の画角に収まりきってない。

「以前シャンパーニュに行った際、マルヌ、ランス、コート・デ・ブランと3日間で10〜12くらいの生産者を巡ったんです。そのとき一番おいしいと思ったのがこのベルジュールです」(ナオタカさん)

というワイン。マグナムなので、居合わせたみなさんにナオタカさんから振る舞ってみんなで乾杯だ。

このワインが忖度抜きで素晴らしかった。05ヴィンテージながら泡立ちは豊か。熟成感があるというよりは、昨日できたのを今日あけましたっていわれたら余裕で信じるくらいにフレッシュ。香りはシャンパーニュらしいパン的な香りが主張しすぎずにあって、味わいは果実味酸味どちらも豊か。うっま。

ワインについて調べるために商品ページをみたら2万7500円するのかこれ……ごちそうさまです……!

 

【5杯目、6杯目】クリスタルム キュヴェ シネマ/☆ピーター・マックス

なんでかこの日は酔いがよく回りこのあたりから記憶が怪しいモードへと突入していくのだが、ともあれ次に飲んだのはふたたびクリスタルム。今度はピノ・ノワールで、キュヴェ シネマとピーター・マックス(どちらも2020ヴィンテージ)の飲み比べだ。贅沢だなあ。

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こちらがピーター・マックス

でもってこの2キュヴェはどちらもとてもおいしかった。ナオタカさんが「これすごい」と言ったのはピーター・マックスのほう。「対ブルゴーニュとしてこれはいい」という評価なピーター・マックスはどちらかというと果実味豊かな飲みやすいタイプ、シネマはどちらかというと酸っぱ渋系のエレガントなスタイルのまだ飲むの早いかな系だと感じた。

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キュヴェ シネマ。これもとってもおいしい。

ピーター・マックスは問答無用でおいしく、シネマのほうもすごいポテンシャルの高さを感じた。これは評判通りのクリスタルム2020。

 

このあたりから、居合わせたお客さんを交えて宴会状態に突入しており、さらにハイパー記憶が怪しいモードにバージョンが上がっていくのだが、ここでこの日ご一緒した健太さんをご紹介しておきたい。

健太さんは1987年生まれのキックボクサー。wikiで戦績を見ると数々のチャンピオンベルトを巻いてきた凄まじい格闘家なのだが物腰は極めて低く、めちゃくちゃ気さくな方でなにしろワインが大好き。フォロー推奨だ(@Y626Kenta)。健太さん、また飲みましょう!

 

☆【7杯目】モヤミーカー ピノ・ノワール

さて、次に飲んだのはワイステ+の駅長(@winestation2902)がツイッターのアイコンにもしているお店で一番人気だというモヤミーカー ピノ・ノワール

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お噂はかねがねのモヤミーカー。なるほどこれはおいしいわ!

この日飲んだスティルワインのベストはピーターマックスか、あるいはこれだったと思う。

色合いは南アのピノ・ノワールらしからぬ濃さで、香りは豊か。しっかりとした果実味とたしかな酸味があってこれはおいしいピノ・ノワール(やや記憶が曖昧です)。店の「顔」にしているだけのことはある味わいだった。定価は4290円。デイリーには高いけど、ちょっと良いワインを飲みたいタイミングで、自分でも買ってみよ。

 

【8杯目】テスタロンガ エル・バンディート キュヴェ クリント

撮影した画像を見ると、私はこのあともう1杯飲んでいる。それがテスタロンガのエル・バンディート キュヴェ クリント

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すごくおいしかった記憶が残るキュヴェ クリント。いい色だなー

ピノタージュ100%ながら色合いは薄めで、薄い色合いから想像される自然派系の甘酸っぱかわいいワインで大変おいしかった……ような気がするけどちょっと自信ないです。おいしかった記憶はあるので、後日ちゃんと飲みますゴメン。

あと、日本人佐藤圭司さんが造るシュナン・ブランとグルナッシュをナオタカさんが飲み、とくにグルナッシュを絶賛していたような気がする。たしかにあれはおいしい。

それとなんか最後に泡盛を飲んだような? なぜ泡盛を飲んだのか? それとも日本酒だったのか? すべては豪徳寺の夜に漂う深く妖しい霧の中である。

合間に愛媛・今治の「ブルーノ」青野ソムリエ直伝だという絶品テリーヌ、南ア風焼き鳥、ローストビーフなどのつまみもいただいて、たしか会計は1万円くらい。(飲んだ量に対して)安いぜ。

帰りの電車でうっかり寝落ちしてしまい、位置情報の曖昧な駅からタクシーで帰宅したのは日付が変わるころ。ひさしぶりにガッツリ飲んで、翌日かなり重要な仕事があったにも関わらずゴリゴリに仕上がってしまったのだった。バファリンプレミアムDX、胃薬、水、オレンジジュースといった仲間たちの力を借りてなんとか乗り切った。あぶないところだった。

ともあれ、いつもながらワイン販売の裏話など聞きながら飲むワインは大変楽しく、かつ南アフリカワイン、わけてもピノ・ノワールのおいしさを再確認した夜でもあった。ご一緒したみなさん、また飲みましょう!

 

やっぱり南アフリカワインはおいしい。「南アフリカワインは」という大きな主語が成立するくらい、ホントなに飲んでもおいしい気がする。