今週も元気に恵比寿ワインマーケット・パーティ(WMP)のブラインドテイスティングに参加してきた。
WMPのブラインドについて、詳しくはこちら↓
WMPのブラインドに参加するのも今回で5回目。ここ2回は12項目中5項目を的中させるという好結果を出しているが、果たして今回はどうか。早速スタートしていこう。
まず飲んだのはこのグラス。色は無色、香りはなし。味わいもなし。わかったぞ、これは……水だっ! (WMPはブラインドの際にお水も提供してくれます)というわけで幸先良く「水」という正解にたどりつくとともに水分補給も完了。いざブラインドテイスティングをはじめていこう。
ブラインドテイスティングWEKK5/グラス1
まずは1のグラス。色は薄めのシャンパンのようなゴールドで、香りは弱め。考えたのはソーヴィニヨン・ブラン、あるいはロワールまたは南アフリカのシュナン・ブラン。なのだが、どうも決め手に欠ける。難問だ。酸があってスッキリ、だけどたとえばリースリングのペトロールとかソーヴィニヨン・ブランの草とかのようなわかりやすい香りはない。いきなりムズい。
ここで余談だが、WMPのブラインドテイスティングには特徴がある。3杯のグラスのなかで1杯は難問があり、その代わり別の1杯はサービス問題があるのだ。
思うにこの1番の白は難問枠。おそらく2、3のグラスのいずれかが超わかりやすいサービス問題なのだろう。1問分かればそこからのバランスで残りのふたつも予想ができるはず。まずは2、3もテイスティングして、先にわかるものを探そう。
ブラインドテイスティングWEKK5/グラス2、3
というわけで2、3を立て続けに飲んでみた。色味はどちらも深めのガーネット。香りは2番はブラックベリーな感じで3番はブルーベリーな感じ。味わいはどちらもややインキーで果実味豊かなタイプって似てるなおい! そしてわかりやすくない全然! どうなってんだ、責任者出てこい!
……と思ったら目の前のカウンターにWMP沼田店長(責任者)がいたので、今回ひょっとして難易度高めですかと問うてみると、こんな答えが返ってきた。
「先週日本ソムリエ協会(JSA)のブラインドテイスティングコンテスト大会が開催されていたんです。今週はその予選を突破した方が調整にくることを想定して、決勝へのウォームアップということで難しめなんですよ。ちょっと難しくしすぎちゃったかな、はっはっはっはっは」
はっはっはっはっはじゃないんですよ。今回ガチの0点のピンチなんですよこっちは。
「このブラインドは毎週JSAのトップランカーも来て、彼らは当たり前のように国と品種を全当てしてくるんです。なので今回はサービス問題なしにしてみました、試しに」(沼田店長)
試さないでいいんですよそこは。サービス問題あれかし! あなたサーヴィスマンでしょうが!(悪質なクレーマー)
ともあれ、これで逆に肩の力が抜けた。沼田さんが難しいって言うんだから、わからなくて当然ということだ。改めて3杯のグラスと向き合っていこう。
2のワインは少し涼しい印象で、ニューワールドかオールドワールドかでいえばオールドワールドっぽい。品種はまったくわからないが果実味がしっかりとあって酸味もあっておいしい品種だ。ひとまず暫定で北ローヌのシラー……としておこう。スペインの涼しいところのテンプラニーリョが第二候補。スペインのどこが涼しいかは知らんけれども。
3はなんですかこれは。ガチでさっぱりわからないのだが、色は濃いめで果実味もしっかりある。なんだろう……スペインのモナストレルとかこんな味だったような……あるいはカオールのコット? ていうかオレ、カオールのコット飲んだことなくない? というわけで保留とせざるを得ない。ともかくなんか南のほう。
WMPブラインドの採点方式
ちなみにここで沼田店長が、WMPブラインドテイスティングの採点について教えてくれた。
「まず産地は外れてもニューワールドかオールドワールドかが当たっていれば加点。品種は外れれば基本0点ですが、ブレンドものの場合メイン品種以外の品種が当たっていれば加点されます。ヴィンテージと度数は1年あるいは0.5度違うことに1点減点。こんな感じで答えを点数化していっています」
沼田店長いわく、基礎点は産地と品種が高め。やはりここをとらないと上位には食い込めないということになる。当てたいのもそこだ。
……とかなんとか言っているうちに1番のグラスの温度が上がってきて、トロリとした蜜のような甘味が出てくる。蜂蜜レモン的な甘み……え、こうなると急にリースリングっぽい。豊かな酸+蜜のような甘み、ペトロールこそないものの、健全なリースリングと考えれば辻褄が合う。
もう全然わからないのでこれをオーストラリアのリースリングと予想した。イーデンヴァレーとかそのあたり。予想はオーストラリア/リースリング/ヴィンテージは2021、甘いので度数は11.5%。
1が新世界なら2は旧世界だろうということで、これはローヌのシラーということにした。胡椒っぽさは感じなかったが、胡椒のないタイプなのだろう知らんけど、と強引に己を納得させてフランス/シラー/2019/13.5%と予想。
で、3は2と似ていると感じたがやや果実の厚みがよりあるように感じたのでフランスから新世界にわたった品種だと予想した。フランスから海を渡った品種といえばカルメネール。カルメネールといえばチリ。というマジカルバナナ的道筋をたどってチリ/カルメネール/2019/14%と予想した。
いやー、我ながら自信は皆無。いざ正解発表だ。今回ガチで0点ありえる。かなりの確率で。ではさっそく1番のグラスから見ていこう。
ブラインドテイスティング WEEK5/解答編1
予想:オーストラリア/リースリング/2021/11.5%
正解:フランス/アリゴテ/2020/13%
アリゴテかー! そうかアリゴテか! 言われてみればアリゴテだ! いやこれ悔しいな。品種は外し、産地はカスリもせず、度数もヴィンテージも外すという完全不正解。
こうなると今回のなかではかろうじて自信がゼロではない2に期待だ。
ブラインドテイスティング WEEK5/解答編2
予想:フランス/シラー/2019/13.5%
正解:フランス/タナ/2016/14%
タナかー! 産地の旧世界感だけを野生の感で嗅ぎつけたものの「シラーにしてはスパイス感がない」という点が負の的中具合を見せてタナだったのであった。1のアリゴテ同様、2のタナという品種は脳内会議に浮上しなかった。完全なる修行不足だ。
続いて3だがこれは正解している自信が皆無。結果はどうだっただろうか。
ブラインドテイスティング WEEK5/解答編3
予想:チリ/カルメネール/2019/14%
正解:スペイン/テンプラニーリョ/2016/14%
旧世界3連発かー!! フランスのタナとスペインのテンプラ、しかもヴィンテージは同じ2016で度数も0.5%違いって、これほぼ同じワインじゃないですか(暴論)。
第一印象通りにスペインのモナストレルって答えていれば産地は当たっていたのか……マジカルバナナしてる場合じゃなかった。うーん、これはわりとガチで悔いが残るなぁ(ただ、なんとなくアルコール度数は当たった)。
というわけで今回は12項目中2項目の正解という過去最低の結果となったがなんのことはないこれが本来の実力だ。でも悔しい。悔しいーッ(枕に顔を沈めてシーツを噛みながら)。というわけで来週も参加します! (6月12日が店舗の休業日だそうで、いつもの月火ではなく火水で実施するみたい)
ちなみに今回のベストワインは1番のジョセフ・ロティ ブルゴーニュ アリゴテ2020。「2020年のアリゴテはおいしい」という情報は別のたしかな筋から入手していたのだが、それを裏付ける素晴らしさだった。アリゴテの酸に豊かな蜜。最高においしいワインでした。
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— ヒマワイン|ワインブロガー (@hima_wine) 2023年6月4日